両親は、母の不倫がきっかけで、わたしが幼い頃に離婚しました。
母は家を出て行き、わたしは父に引き取られました。
母はわたしを捨てたのです。あのときのことはもう霞んだ記憶の向こう側ですが、置いていかれたという気持ちだけは不思議と残っています。
公務員だった父は、わたしに寂しい思いをさせまいと、毎日できる限り早く帰ってきてくれました。
休みの日にはお弁当を持って遊園地へ行き、学校の行事にも必ず顔を出してくれました。
家では、わたしが甘えればいっしょにお風呂に入り、眠くなるまで隣にいてくれました。
母の記憶が遠のいていくほど、わたしにとって父は世界の中心のような存在になっていきました。
記憶は薄いですが、いつしかベッドの中で舌を絡ませていました。
舌の動きにあわせて父の指がわたし全身を愛撫するようになったのもこのころです。
父の恥ずかしい行為が大好きで、安心できて、守られていると感じられる瞬間でした。
中学生になるとすぐ父を受け入れました。痛かっただけの記憶ですが、とてもうれしかったです。
同級生たちが子供っぽく見え、おとなの階段を少しだけ登った気がしました。
もちろん父との関係は誰にも話してません。
口止めされていたのは当然ですが、子供ながらにいけないことをしている、と思ってましたから…。
そんな関係に突然終止符が訪れたのはわたしが大学生のとき。
父は病に倒れ、数か月後に天国へ旅立ちました。
あれから15年以上。わたしも結婚し、二児の母です。
旦那に抱かれていても、今だに父のことを思いだすわたし。
とろけるような愛撫。どこまでも優しく翻弄した指先。父との関係がわたしの身体に深く刻まれているのです。わたしを女にしてくれた父。ごめんなさい、旦那様。
