人工妊娠中絶(じんこうにんしんちゅうぜつ、英: induced abortion)とは、人工的な手段(手術または薬品)を用いて意図的に妊娠を中絶させ胎児を殺すことを指す。
刑法では堕胎と言う。
俗語では「堕ろす(おろす)」とも。
人工妊娠中絶は国内で合法的に「堕胎」を可能と規定した1940年の国民優生法からである。
戦後、より中絶可能な範囲を拡大した1948年の「優生保護法」制定以後中絶が爆発的に増加した。
初期中絶(〜妊娠11週目程度まで)
1980年代にフランスのルセル社で開発されたミフェプリストン(RU-486)という 人工流産を引き起こす薬が急速に広まったが日本ではミフェプリストンは未認可であり、頚管拡張後、掻爬術(独:Auskratzung)や産婦人科器具 (胎盤鉗子やキュレット、吸引器など)で胎児をバラバラにして取り除く方法(英語で「拡張と掻爬」という意味で D&C(Dilation and Curettage)とも呼ばれる)といった中絶術が、いまだに行われている。
妊娠6週で手も足も臓器もできている。医者が「掻爬(そうは) しようとすると」異常に「心音が高まり」、必死で逃げようとする。
「お母さん。助けて・・・」
まさか、そのお母さんが殺そうとしているなんて。
中期中絶(妊娠12週程度〜21週目まで)
この時期は胎児がある程度の大きさとなるため、分娩という形に近づけないと摘出(中絶) できない。そのため子宮頚部を拡張させつつ、プロスタグランジン製剤(膣剤、静脈内点滴)により人工的に陣痛を誘発させる方法がある。日本では妊娠12週 以降は死産に関する届出によって死産届を妊婦は提出する必要もあり、人工妊娠中絶の約95%が妊娠11週以前に行われている。
後期中絶(妊娠22週以降〜)
妊婦側の申し出による中絶は法的に認められておらず、また医療上の理由で母体救命のため速やかな胎児除去の必要性が生じた場合でも、早産の新生児が母体外でも生存可能な時期以降は帝王切開など胎児の救出も可能な方法を優先すべきである。
しかし、それが不可能な状況のとき又は他の方法を施しても胎児の生存の見込みが無いと判断されたとき、胎児の体を切断したり頭蓋骨を粉砕して産道から取り出す等の緊急措置が行われることもある。
ある産婦人科の広告より。
掻爬(そうは)法と吸引法の違い
掻爬法と吸引法の違いについて
初期人工妊娠中絶手術の掻爬(そうは)法と吸引法を比較しますと、この2つの手術方法の手術操作による危険度の差はほとんどありません。
しかし、吸引法は使用機器の消毒方法において、器械に前回手術を行った方の血液や組織が付着したままになり易く、衛生面に問題が出ることがあるため、日本で中絶手術を行う医師の殆どは掻爬(そうは)法を用いて人工妊娠中絶手術を行う。
1.掻爬(そうは)法による中絶
・手術方法:特殊なハサミ状の器具(胎盤鋏子)を使って、子宮内の胎児や胎盤を掻き出す。
(日本で人工妊娠中絶手術を行う多くの医師は、この方法を用いて手術を行う。)
・危険性:手術に使用する器具が非常にシンプルで感染症などのトラブルが起きにくい。
・危険性:子宮筋腫などにより子宮の形状が変形していると、手術に時間がかかる。
2.吸引法による中絶
・手術方法:筒状になった金属棒を子宮の中に入れ、そこに吸引をかけることで子宮内の胎児や胎盤などを吸い取る。
・特徴:胞状奇胎などの特殊な病態の時に使用されることが多い。正しく吸引器具を洗い、高圧滅消毒菌すれば感染症の問題はありません。
・メリット:手術時間が短く済むため、その分母体にかかる負担が減る
・危険性:使用した機器の洗浄や滅菌に手間がかかる。機器を正確に滅菌しないと感染症を引き起こす原因となるので、滅菌・消毒に時間がかかり、1日に2件程度しか手術を行うことができない。
人工妊娠中絶手術において、掻爬(そうは)法と吸引法のどちらが良いかは、手術経験の豊かな医師であればその手術による後遺症の発生に差は出ません。
多くの大学病院で主として行われる手術法は掻爬(そうは)法です。中絶手術自体が、結果に差がでるような難しい手術ではないので、同じように手術方法による差を出すことは困難です。
両方とも簡単な手術方法のため、その手術方法の違いで手術後に後遺症が出るとか、将来的に妊娠がしにくくなるなどのようなトラブルが発生する様な原因や差が出ることはありません。
つまり、使用する機器に対する慣れの差とは、例えて言うと、右ハンドルと左ハ ンドルの車を運転するのではどちらが安全かといったレベルの話であります。両方のハンドルに慣れていたり、最初からその車に乗っていれば差はほとんどでな いように、要は機器の扱いに慣れているかいないかの問題なのです。
(中絶を車の運転に例えられる、神経が信じれませんね。)
中絶理由
世でも例が界ない事であるが、日本国においては、経済的事由により無条件で中絶が行われているが、母子健康管理研究機関アラン・グトマハー研究所によると、95%が、近親相姦、強姦、胎児の状況ではなく、親の都合である。他の調査結果も同様である。
1% - 近親相姦や強姦による妊娠
1% - 胎児に致命的な異常がある場合
4% - 母体の健康
50% - 片親、夫婦間の問題
66% - 経済問題
75% - 自分たちの生活のため
1949年の優生保護法の改正で「経済的理由」による中絶が認められるようになってから、日本の中絶が激増した。
一説には、日本人たちはアメリカ軍や映画、テレビで見たアメリカ中産階級の豊かな生活を模倣するために、産むと生活水準が下がると考えた子どもを、経済を理由に中絶したとする指摘がある。
中絶胎児の処理法
中絶胎児は移植や難病の治療薬のために利用されることもあるが、12週未満の大部分の中絶胎児は医療廃棄物(感染性廃棄物)として廃棄される。
一方、12週以上の死胎は、墓地埋葬法に規定する「死体」として火葬・埋葬すべきことが定められている。
2004年、横浜市の産婦人科が「一般廃棄物(不燃ごみ)として中絶胎児を処分していた」疑いで捜索されたことを受 け、環境省および厚生労働省は法的な処理規定が曖昧だった12週未満の中絶胎児の取扱いについて各自治体へアンケートを実施し、「12週未満であっても生 命の尊厳に係るものとして適切に取り扱うことが必要であり、火葬場や他の廃棄物とは区別して焼却場へ収集している自治体の事例を参考とするように」との見解を示した。
日本の中絶
我が国においては1949年の優生保護法の改定で「経済的理由」による中絶が認められるようになってから、中絶が激増した。
母体保護法の制度下に合法的に人工妊娠中絶が行われているのである。
ただし薬物(ミフェプリストン(RU486))による人工妊娠中絶は未認可であり実施できない。そのため「母体に負担の大きな」掻破術が未だに最大選択枝となっている。
化学学術誌「Nature」は、1996年(平成8年)に日本での中絶件数を年間41万件と報告されているが実際はその3倍程度(120万人以上)の件数と推測される報告した。(多くの人がそれを知らない。)
まさに小さないのちが、今も
「闇から闇に葬られ続けている」わけである。
何と言う事か!!
人工妊娠中絶を回避するための諸制度
養子
中絶に至る人の中には、妊娠したものの社会的なバックアップを得られず、子供を育てる自信を失って中絶に至るケースがある。
1973年には、宮城県石巻市の菊田昇医師が中絶を希望してきた女性に出産を 奨励し、子供のいない夫婦に斡旋していた事件が発覚したが、この赤ちゃん斡旋事件をきっかけに、生誕した赤ん坊を実親との親子関係を消滅させ(従来の普通 養子縁組では縁組後も実親との親子関係が並行して継続)養親の戸籍に入れて実子同様に扱う特別養子縁組制度が設けられた。
中絶や新生児殺害をなくす他の動きには赤ちゃんポストの設置が挙げられる。2006年12月15日、カトリック系の医療法人「聖粒会」が経営する熊本県熊 本市の慈恵病院が様々な事情のために育てることのできない新生児を引き取る為の設備「こうのとりのゆりかご」を計画した。こちらは2007年4月8日に熊 本市から設置の許可を受け、2007年5月10日から運用を開始している。
里親制度
中絶件数や虐待被害を減らすために、18歳までの子供を他の親に育てさせる事が出来る里親制度に関する条例を制定をしている自治体もある。