男達の嘲笑


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黒いワゴン車。
四時間以上にもわたる悪夢。
車内ではかなりの大音量でレゲエが流れていた。
ただでさえ嫌いなリズムの旋律。
「痛い!!痛い!!痛い!!嫌ぁ!!嫌だぁ!!」
そう叫んでた気がする。
とにかく叫んでいないと死にそうだった。
奴等は二人居て、一人には膝で両腕を頭の上で押さえつけられて、口にタオルを突っ込まれて、手で足を掴まれ広げられた。
もう一人は既に上に乗って太股を掴んで腰を振っている。
何が何だか…夢であって欲しいが絶対夢に見たくない事が、現実に今此処で自分の身に起きている。
喉から血が出るんじゃないかと思う位叫んだ。
自分の声が喉を潰された鶏の様に頭蓋骨に響いて奥で聞こえる。
タオルは車のワックスの味がする。
喉が痛いがそれ以上に膣口が刃物でズタズタに切られている様に痛い。
手の親指と人差し指を広げた時の、あの指の間の皮を垂直に何度も鋸で切られる様な感触。
お腹の中に彫刻刀を入れたみたいだった。
どうやって死ぬか考えた。
死んだらこいつらは犯罪者だ。
人を一人殺したことになる。
復讐出来る。
舌を噛もうか、頭を何かに打とうか、まだ煙の出ている灰皿を落として火事にしようか…
膣口の入り口の肉が中へ外へ持っていかれる痛み。
言葉にならず、ただわめく叫び声。
薄汚い奴等の手、声、汗、言葉。
あたしを現実から隔てる合金の塊。
煩わしい音楽と吐き気がする煙。
そして鼻の穴や口の中に大量に流し込まれる生臭い精液の匂い。
男達の嘲笑。
デジカメのシャッター音。
AVのレイプ物なんて全然甘かった。

 

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