心の片隅で思い続けた元妻


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先週の土曜、新店舗がオープンしたチラシを持って、わざわざ遠方のファミレスに家族4人で出かけた。
「いらっしゃいませ・・・」
お互い見つめ合って驚いた。
13年前に別れた元妻だった。
ファミレスの制服のせいか、40歳よりずっと若く見えた。
再婚して11年の現在の妻は6歳年下の37歳だが、その妻より元妻の方が若く見えた。
見知らぬ他人のふりをして、俺達家族を接客した元妻にドキドキした。
何気に観察した左手の薬指には、指輪は無かったし、名札は旧姓のままだった。

今も独りなのか?
どんな暮らしをしているのか?
仲の良かったご両親はご健在か?
幸せなのか?

俺27歳、元妻24歳で結婚、毎日セックス、恥じらう可愛い元妻に夫婦なんだからと大股開きさせて、恥穴を玩んだ新婚時代・・・
恥穴から淫水と精液を飛ばしながら、お互いの肉体を貪った。
恋人時代はできなかった中出しセックスに酔い痴れ、何故か子供が出来ないなと思いつつ、それにはあまり触れずに中出しセックスを楽しむこと2年、さすがにおかしいと思い病院へ。
俺に異常はなかったが、元妻は・・・
医師から告げられたのは、子宮筋腫・・・かなり大きくなってしまっていた。
「命に別条はありません。ただ・・・子供は諦めてください・・・」
元妻は子宮を失った。
離婚を勧めたのは元妻のご両親だった。
「あなたはまだ30歳、これからいくらでも子供を望めます。うちの娘は忘れて、新しい人生を歩んでください。あなたと一緒にいると、娘が不憫です・・・好きな人の子供を産めないのですから、好きな人と一緒の人生は辛すぎます・・・別れてやってください・・・」

13年前、離婚した。
愛していたが、俺の愛が元妻を苦しめると言われた。
あんな可愛くて心優しい女とはこの先、巡り会えないと思った。
泣いて、泣いて、数日間仕事を休んで泣いた。

今の妻とはお見合いだった。
離婚して1年、本家の伯父の勧めだった。
東京にいたが、25歳で実家に戻ったお嬢さんだった。
とても清楚な美人だった。
東京で何があったのか知らなかったが、清楚な美人がバツイチとお見合いするくらいだから、男絡みで辛いことがあったのだろうと察した。
二人きりになったとき、俺の悲しい離婚を話した。
そして、今でも元妻を愛しているとも・・・
今の妻は、東京で働いている時、付き合っていた男にSM調教されて雑誌に載せられたそうだ。
恥辱の写真を載せられて、ノイローゼになったそうだ。
会社を辞めて、男と縁を切って、帰郷したことは、破談になるから俺には話すなと言われていたそうだが、今の妻は真面目な女で、全て話した。
俺は、今の妻なら悲しい過去を癒せるような気がして、交際を始めて、外見の美し差よりもその気立てのよさに惚れて結婚した。

1年間の被虐調教経験を素直に話した妻だったが、普通のセックスで不満を言わなかった。
すぐに長女、2年後長男を産んで、平凡で幸せな生活をしていた。
俺は元妻のことも心の隅にしまい込み封印することができるようになり、妻も俺との性生活で過去の恥辱は忘れていた。

そこに現れた元妻・・・
いや、チラシに浮かれて普段は出かけない遠方のファミレスに行った俺が元妻のテリトリーに入ってしまったわけだから、元妻にしたら俺が現れたというべきか。
トイレに行くふりをして、元妻とスクランブル、
「元気か?」
「ええ・・・」
「ご両親は?」
「元気です・・・」
「今も一人か?」
「7年前、連れ子のいる方の後妻に・・・その子、今年から大学へ行ったので、家計の足しにと働いています・・・」
「そうか・・・幸せか?」
「ええ・・・もちろん・・・」
にこやかな笑顔でお辞儀して、
「勤務中なので、失礼します。」
と立ち去った。

なぜ旧姓のままなのか?
指輪はしないのか?
新たな疑問が湧いてきた。
でも、元妻は幸せなんだと、そう思うようにした・・・

 

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