エロ本ロード


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 昔シルクロードというのがあったというが、俺の昔々には、エロ本ロードというのが確かに実在した。
 なぜか車でさしたる目的もなく遠出をした。
 すると、幹線国道の大きな河川の橋のたもとなどに蛍光灯の白い光のもと、エロ本の自販機が。
 さらに先を行くと明かりもないくらい田園地帯の真ん中付近に自販機の群が出現。
 挙げればきりがなかった。
 コンビニもそうだったが、最初は個人経営の群雄割拠。
 都市部郊外の書店だ。
 夜中書店の狭い駐車場に車を止め、ふと店内に目をやると、職場でなじみの男が、普段は見せたことのない厳しい目つきで雑誌を立ち読み中だった。車にエンジンをかけ、道路に戻ったのはいうまでもなかった。
 自販機でも先客のいるときは、車の明かりを消して待つか、周りを一周してくるなどマナーがあったような気がする。

 シルクロードよろしく、俺のエロ本ロードも時の砂に埋もれてしまって、今はもうない。

 

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