2020年、世の中はコロナ騒動で何処もかしこも自粛自粛。街中には人影はないし、学校も臨時休校。そんな状態が3ヶ月も続くと色々な弊害も出てくるようで学校給食が主な栄養源だった放置子や虐待を受けている子は行き場を失い、まさに地獄の日々を送る毎日だった。
私の住まいは公営団地から程近い一軒家。離婚を期に中古物件を買ってDIYで手直ししながら悠々自適の独身ライフを送っている。その日も午前中から庭の手入れをしに外の倉庫を開けると中に小さな女の子がスヤスヤ眠っていた。突然のことでパニックになったがよく見ると身なりはみすぼらしく良く言えばスラッとした手足もガリガリと言えなくもない。ひとまず驚かせないように優しく揺り起こすと「ごめんなさい!家出して行くところなくて!」と健気に弁明する。「いいのいいの、オバサン独り暮らしだから珍しいお客さん来て嬉しいよ」と宥めてあげた。家に上げてホットミルクを差し出すとお腹が空いているのかすぐに美味しそうに飲み干した。昨晩作ったカレーを温めて出すと二杯も食べてウトウトし始めた。
季節は4月とはいえ、まだ朝晩は肌寒い。倉庫の中にいても薄い上着一枚では寒かっただろう。急いでお風呂を溜めてお風呂の場所を教えて「入っておいで」と促すが気がひけるのか中々入らない。「じゃあ警察か児童相談所にでもきてもらうかー」というと渋々いうことを聞いた。が、何故かその場で服を脱ぎ出す。高学年くらいに見えたが、まだ恥じらいがないのか...とお風呂のところに脱衣所あるからそこで脱いでおいでというと赤面して動かなくなった。あとで聞いたが彼女が住む団地には脱衣所というものはないらしい。ある日いつものように部屋で服を脱いでお風呂へ入ろうとしたところシングルマザーの母親の彼氏に見られて襲われそうになったらしい。それからというものことあるごとに母親の目を盗み彼女にイタズラを試みていたようで昨晩は本格的に襲われそうになったので逃げてきたという。
お風呂に入ってもなかなか出てこないので心配して見に行くと湯船で寝ていた。高学年特有の長い手足にアンバランスな幼い顔立ち。胸はぷっくりとハリのあるお椀型で大きく張り出している。少しあばら骨が浮き上がった胴体とは一線を画し柔らかさを主張している。服を着ていると全くわからなかったが今の子はこんなに大きいんだなぁと感心してしまった。下は申し訳程度にチョロっと生えているだけでざっくりとクレバスが確認出来た。浴室での睡眠は失神の可能性もあるので急いでソファまで運び身体を拭いてあげるとむにゃむにゃと起きて現状を確認したところでキャッと小さく叫んだ。これなら大丈夫だろうと身体拭くのは任せて用意してあったボクサーパンツとTシャツに着替えさせる。キンキンに冷えたコーラで乾杯してたくさん話をした。二人で思案して今日は友人の家に泊まることにして私の家に泊まるとこにした。すると安心したのかソファでぐっすり寝てしまい、夜は宅配ピザを食べながらどうぶつの森で遊んで翌日の昼には元気な姿で帰っていった。またいつでも遊びにおいでと言ってはおいたが、これで良かったのか私にもわからない。児童相談所に通報すべきだったのだろうけど、彼女はお母さんが大好きで離れたくないという。私からすれば生活保護を貰い公営住宅に住みながらキャバクラで働いて男と遊び呆けているようなダメ親にしか見えないがそれでも彼女にとっては大切な家族なのだろう。私には子供が出来なかった。それも離婚の理由の一つであったが、こういうところには子供がいるんだよなと不条理さを感じながら、また小さな友人が来てくれることを期待してしまうのだった。
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コロナ自粛で
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