今まで表立って語られなかった事実を突き詰めた本。
『盆踊り 乱交の民俗学』下川耿史 作品社
中日新聞に紹介されていた。
本の解説によると・・・
〈盆踊り〉とは、生娘も人妻も乱舞する“乱交パーティ”だった! 日本人は、古代より性の自由を謳歌してきた。歌垣、雑魚寝、夜這い、盆踊り……。万葉の時代から近代までの民俗文化としての“乱交”の歴史。 日本最古の“乱交”の記録は、『記紀』や『風土記』の「歌垣」である。古代日本では、宮廷人から農民までの男女が、おおらかに性の自由を謳歌していた。『万葉集』にも、歌人・高橋虫麻呂の「人妻と我も交わらん、我が妻も人から誘われよ…」という歌が残る。そして、中世からは「雑魚寝」や「夜這い」、江戸時代には日本各地で「盆踊り」という形で乱交は行なわれ、明治以降も密かに続けられた。森鴎外も『ヰタ・セクスアリス』で、故郷・津和野の盆踊りでの「性的な体験」を記している。本書は、膨大な歴史文献・資料をもとに、古代より連綿と続く“民俗としての乱交”の歴史と文化をまとめた、初めての「乱交の民俗学」である。
この本で思い出したことがある。
それこそ「見付裸祭り」
神様のおわします「御神輿」が天神様を出発する時は、見付地区の全ての灯りが消され、それこそ街全体が真っ暗になる。
その真っ暗な中、御神輿がお渡りになる「中のお宮」まで到着する10分間程度は、戦前くらいまでは、それこそ到る所で乱交だったというあまり語られない事実がある。
御神輿に従っている数千人の若者たちは褌一本・・・そりゃ「裸祭り」なんだから。
そしてあたりは真っ暗(これはわざわざ月のない夜を選んでるから本当に真っ暗)、沿道には大勢の娘たち。
最初からそれを楽しみで、大勢の娘たちが近隣からこぞって祭り見物に来ていたという。
道から一歩それた林の中などで、大乱交となっても、そりゃ「神様公認」なんだから罪の意識などない。
今ではそんな事実が語られることはない。
なので、祭りの本質の部分で「どうしてなの?」ということがどうしても出てきてしまう。
「どうして神様はお渡りするのか?」
「どうして真っ暗にするの?」
「どうして若者たちは褌一本なの?」
公式ホームページでも、裸祭りを紹介するパンフレットにもこの答えは書かれていない。
これに答えるには語られなかった事実を語らなければならない。
でも、それがいけないことではなく、日本人の歴史の中で「お祭り」というのはそういった部分もあるということ。
表立って語られなかった事実
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