「さて」、ミサキはまた彼女のベストポディションに座り、それをいじり始めた。私はずるい、とも思ったが、
ふとデジタルカメラの存在を思い出した。ああ、この姿をカメラに収めなければ……。私がカメラの設定を夜
行モードにしている間も、ミサキは執拗にマサルの棒の部分だけをいじり続けていた。
「ねえ、お姉ちゃん。……なんかちょっと形変わったよ」
ミサキの台詞に私は驚いた。まさかこんな小さいのに勃起しちゃうなんてこと……。一旦カメラを横に置き、
それをよく眺める。勃起している……、のよね……。確実にそれも見るからに大きくなっているのだ。それは
普通の印鑑程度の太さで長さだろう。もちろん勃起してこのサイズなんてあまりに小さすぎると思うけど、確
かにさっきよりは大きくなっているし、何より上をむいているのだ。私が唖然としているとミサキはまたプニ
プニといじり始めた。
「これ勃起してるのよ」
「ふーん、これが勃起かー。じゃあオナニーできるかもね」、ミサキはそう言いながら上へ向けたり下へ向け
たりを繰り返す。まるで小さなシフトノブのようだ。確かに……、でもさすがに精子はでないわよね。こんな
小さいところから出るなんて想像もできない。
「オナニーってどうやるの?」ミサキがささやく。
「えー、私もよく分からないけど……、たぶんこう、こんな感じで上下に動かす感じだと思うけど……」
「こう?」、ミサキは真剣な眼差しでそれを見つめ、上下に動かし始める。ほとんど掴んでいるというよりも
摘まんで上下に動かしていると言った様子だった。私が頷くと、ミサキは手を少し早めた。それを一刻も早く
カメラに収めたく拾い上げて構えるも、暗くて何も映らない。しょうがない、そう思いカメラのライト機能を
使う。するとちょうどマサルのあれの部分が光に照らされる。「まぶしい」とミサキは言ったが、私の頭はそ
こに映るマサルのそれで一杯だった。目に慣れてくるとよりいっそうマサルのそれがきれいな曲線を描き勃起
しているのだということが分かる。ミサキが手を動かすと影も一緒に動く。私は動画の録画ボタンを静かに押
した。
真夏の夜の夢[20]
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真夏の夜の夢[21]
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