ある日の夕方、
スーパーで、団地の同じ棟に住んでいる、若い奥さま リオさんの姿を見かけました。
僕は少し離れたところから、可愛いリオさんの顔を眺めていました。
買い物をエコバッグにつめていたリオさんが、何かを床に落としました。
リオさんはもう臨月に近い妊婦なのです。
大きなお腹がつかえて、床にしゃがみにくそうにしてたので、僕がそれを拾いあげて、手にして渡そうとすると、リオさんは僕の顔を見て無言で去って行きました。
(え、僕悪い事したかなぁ。)と思いながらリオさんが落としたものをよく見ると、それはシガレットケースでした。
(ふ~ん、リオさんってあんな可愛い顔して、しかも妊婦なのにタバコ吸うんだ。)
僕はとりあえず、それを預かることにしました。
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翌日の午後、リオさんが僕の家にやって来ました。
僕は玄関先に置いてあった、シガレットケースを手渡そうとすると、リオさんはモジモジしながら言いました。
「私、ダメになったんです。今までタバコの臭いが大キライだったのに、妊娠してから、タバコが吸いたくなってたまらなくなったんです……。」
涙目になったリオさんに、僕はささやくように言いました。
「いや、体質が変わっただけでしょう。タバコをガマンしてストレスためるより、適度に吸ったほうが赤ちゃんのためにも良いんじゃないですか。」
僕は、シガレットケースからタバコを取り出すとリオさんに咥えさせました。そしてライターで火をつけました。
「ふぅ~」
タバコの煙を吹きだすリオさん。もうガマンできずにいた、という感じでした。
「でも、」僕はリオさんに聞きました。「タバコが吸える場所がないでしょ。」
リオさんはうなずきました。今やタバコが吸える場所は限られてるし、吸える場所でも、リオさんのような妊婦がタバコを吸う姿を見られたらマズイでしょう。
僕はダメもとでリオさんに言いました。
「よろしければ、僕のうちで吸いませんか。僕は在宅で仕事してるから、どうしても吸いたくなった時に来てくだされば……」
リオさんは黙ってうなずきました。
僕は落ち着いたふりをして、心の中では胸を高鳴らせていました。
僕は、キレイな女の人がタバコを吸うのを見ると、チンポが固くなる性癖を持っているのです。
まして、妊婦という喫煙を禁じられた立場の女性がタバコを吸うなんて、僕を一層強く刺激することでした。
翌日、玄関のチャイムが鳴りました。
「一服……させてくれるかしら?」
リオさんの顔には、遠慮がありませんでした。