芸能界では俗に華があると言われる人たちがいる。それは単に顔立ちがいいというだけでなく、人目を惹きつけてやまない魅力や明るさを併せ持っているということだと思う。僕の場合は、地元の同級生の女の子のミコちゃん(仮名)がそれに該当する。 顔は 滝沢カレンさんに似ていると言ったらその美貌が伝わるだろうか。地元の人たちは高校を卒業すると、徐々に垢抜けていって、可愛く(かっこよく)なったと言われがちだが、ミコちゃんの場合は垢抜けていない時から可愛い。きっと都会に住んでいたらモテまくるんだろうが、僕らの地元は海に囲まれた片田舎。そのため、同級生だけでなく先輩、後輩もほとんどが保育所の時からの顔見知りのため、スクールカーストもなく、ミコちゃんもあくまで同級生の一人だった。それでも小学2年の時は子どもながらに好きになり、誕生日でもない日にプレゼントを仕掛けたこともあった。しかし、他の同級生の男子が僕より先に彼女にアタックしていたことを知ったので、大人しく身を引いた。当時は女子に片思いしていることがバレたらバカにされる風潮もあったので、恋心より小学生としてのプライドを優先したかった。それからずっと、ミコちゃんを含めた同級生女子は単なる仲間として接することにした。しかし、中学生になると、思春期の到来に伴い、異性への興味が高まりだした。僕は男子バレー部に所属していて、いつも隣のコートで練習している女子バレー部の彼女が何かと目に付いた。昔と変わらず可愛いけど、練習着の姿から女性らしい色気の萌芽が垣間見えた。華奢だけど胸部は少しずつ成長している感じだった。見た目は段々と艶やかになるも、その変化に気づかないのか無邪気に振る舞っている。この見た目とのギャップにときめいた。高校生になってもその興味は深まっていった。高校も同じで地元のグループLINEもあるので出会う機会は幾らでもある。どうやって告白して、打ち解けて、そういうことにまで持っていくのか考えたが、クラスの男子とばかりつるんでいる童貞坊主の僕には行動する勇気がなかった。一方、彼女は別クラスで人気者になり、男子とも気軽に接していたので、その様子を見て僕の心はまた音もなく折れた。高校では友達感覚で交際する男女が多くいたので、彼女も間もなくそうなるだろうと感じた。そのまま3年になり6月に部活を引退した。体育祭のある9月まで受験勉強に集中する日々が続いた。とは言っても、県大会で負けた悔しさや恋人もできなかった虚しさが残っていてイマイチ身が入らない。そんな中、LINEの通知を確認してみた。普段は地元のグループラインの通知が多いので無視していたが、1件だけLINEで見慣れない名前があった。ミコちゃんだ。急いでトーク画面を開いた。
「○○(僕の名前)くん、今度の体育祭のフォークダンス、一緒に踊らない?」
今まで出会った人の中で一番可愛い女の子
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