祥子と知り合ったのは当時流行ってた伝言ダイヤル。
“色んなことに興味がある25歳です。興味がある方はメッセージ下さい。”
その頃の伝言ダイヤルは、既にサクラのやま。
本当に出会える女は極少数だし、その中でも使い物になるようなビジュアルを持った女を探すのは至難の業でした。
でも・・・声の感じがサクラ風じゃない。
5年程伝言ダイヤルで遊んできた私は”ピン!”と来るものを感じ、
“35歳で既婚ですが夢中にさせてくれるような女性を探してます。貴女がそんな方であるように願ってます。”
とメッセージを入れました。
その日の夜中に自分のボックスに入っている返事を聞いてみました。
”メッセージありがとう御座います。祥子です。
色んな方からメッセージが入っていましたが、あなたのメッセージに惹かれました。
暫くメッセージのやり取りをしませんか?”と言う返事が入っていました。
その後3回ほどメッセージのやり取り後会うことになりました。
待ち合わせ場所は私の住む町のメイン駅前、特急電車の到着時間に合せて駅前で待っていると、
少し背の高い一際綺麗な女性が現れました。
”まさかね・・・”と思いつつ女性を見ていると、その女性は躊躇せず私の車に近付き窓を”こんこん”と叩きました。
祥子との出会いの瞬間でした。
その日は一緒に昼食を取り、色んな話をした後に祥子の指定する場所まで送り届けました。
私は当時まだ高価だった携帯電話は持っておらず、祥子にポケベルの電話番号だけ教え別れました。
その後祥子からは何の連絡も無く、伝言ダイヤルの私のボックスにも祥子からのメッセージも入りませんでした。
5日ほど経った昼前の事、ポケベルが鳴るので確認すると見た事も無い番号が表示されていました。
そのまま放置していたら再度ポケベルが鳴り同じ番号が表示されていたので”ピン!”と来るものがありました。
近くの公衆電話からかけると”はい、○○です。”となんとなく聞いた事があるような声。
”祥子さんですか?”と聞くと”ハイ私です。”と・・・。
私は、連絡を待っていた事、是非また会いたい事、正直惹かれている事を伝えると、
”明日はお忙しいですか?”と聞くので夕方から時間が取れるので会いたい・・・と伝えました。
祥子は少しはなれた大都市に住んでおり、その都市のシティホテルロビーで待ち合わせする事にしました。