お別れ会での野球拳


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主人が務めている印刷会社が2年ほど前に倒産しました。
最盛期には50名ほどになった中小企業で、私も以前5年ほど勤務したことがあります。
最後のお別れ会を温泉旅行を兼ねて行うと言うことで、2歳になる子供を実家に預けて、
おとなしくて宴会嫌いな夫の尻を叩き、私達夫婦も参加致しました。
夕方には温泉宿に入り、平日だったためほぼ貸し切り状態で、早々と宴会が始まりました。

宴会と言っても、かしこまったものではなく、参加した11名はみんな顔見知りなので、
好き勝手に飲み始め、途中で温泉に入ってまた飲みだすような飲み会でした。
昔話に花が咲き、みんなかなりお酒が進んでいるようでした。
元同僚たちが、
’俺、Tちゃん(私)のこと好きだったんだよ。社内結婚した時はショックだったな~’
’そうそう、俺もTちゃんのファンクラブの一員だった。美人で頭が良く、性格も良い。滅多にいませんよ’
などと、最後の飲み会ということもあり、かなりの爆弾発言が飛び出したりしていました。

夜の9時を過ぎたあたりだったと思いますが、営業課長が立ち上がり、
’では本日の、いや最後の余興を行いたいと思います。’と言って、
コンパニオンと音響機器を携えて広間に入って来ました。
’何をやるか?、これです’と言ってスイッチを押すと、
あの野球拳の音楽が流れてきたのです。
’では、社長とコンパニオンさん、勝負お願いします’
酔ったみんな、歓声を上げて手を叩き、大盛り上がりです。

着物を着こんだ女性と浴衣姿の社長では勝負にならず、
’本日で皆さんの会社は終わるが、裸一貫がんばろう~’と大声とともに、パンツを脱ぎ真っ裸となりました。
私は思わず目を背けましたが、他に2名いる女性陣は、’社長、ご立派’などと下品な笑い声をあげてノリノリになっています。

'では、次は、
’一番若手のA君と私のワイフを提供しましょう’
営業課長の奥さんは、私より少し年上の30歳半ばで、てっきり拒絶するかと思いきや、
’よっしゃ~、やったるで~’などと言って、立ち上がるではありませんか。
’Aがんばれ~’という男性陣の応援の中、Aが先勝し、奥さんは上下の下着姿に。
黒で透けてる下着でしたが、興奮する男性陣をよそに、酔ってる奥さんはノリノリ。
次は奥さんが勝ち、その次、A君が勝つと
恥ずかしがる素振りなど見せずにブラをはずしました。
その後は、奥さんが連勝し、
夫人は’残念、A君早く脱いで、私に見せて’などと言い、Aが脱ぐと大喜びしていました。

では、次が最後となります。
’私と、Tちゃんで勝負だ~’
その途端、割れんばかりの大歓声。
私は耳を疑いました。’私には無理です’と拒んでいるのをよそに、
’最後だ、最後。会社の最後だ。盛り下げるな~’とTちゃんコールが沸き起こりました。

ここで、断っておけばよかったのですが、お酒が入っていたせいもあり、
音楽が流れだすと気が大きくなり立ち上がってしまったのです。
そして、私は連敗。
上下の下着姿となり、’すみません、降参します’と言ったのですが、
’課長婦人を見習え~。失礼だぞ!’、’Tちゃん、がんばれ~’などと、とても許してもらえる雰囲気ではありません。
私は諦めて、左手で胸を隠しながらブラをとりました。
’Tちゃん、音楽が始まったら隠してはいけませんよ’

'野球す~るなら~・・・・’
私は、観念して手を胸からはずし、勝負は私が勝って、お互い最後の一枚となりました。
’あと、一枚’コールのなか、
’では、これが最後、いってみよう’
課長はパー、私グー。
耳をつんざくような大歓声。
みんな立ち上がり、女性陣も含め、バンザイ三唱となっています。
’女性も本当に脱ぐんですか?’という声もかき消されてしまってます。
’む、無理よ。こんな皆が見てる前で裸になるなんて’私は狼狽えました。
それを無視するかのように、
’’パンティー、’パンティー、’パンティー、’の大合唱になっています。
お世話になった社長の’頼む、Tくん、最後だ’両手を合わせての言葉を受け、
とても断れる雰囲気ではなくなりました。

数分の経過後、
'わかりました。脱ぎますわ’
また、大歓声。
私は、目をつぶって、顔を真っ赤にして、最後の一枚を足から抜き取りました。
左手で胸を、右手で下腹部を必死に抑えましたが、アンダーヘアーを全部隠しきれるものではありません。
そこに、営業課長の留めの一言。
’ずるはダメだよ。最後の場にふさわしくない’

’はあ~’
私は、顔を横に背けて、両手をはずしました。
酔った皆、手を叩いて拍手喝采。半狂乱状態です。 
私のヘアは上部は濃い方なのですが、下の方には生えていなく、
下から見られると女性の陰部が丸見えになってしまいます。
恐る恐る目を開けると、
以前、私に言い寄ったことがある男性陣が、下から私を見上げているではありませんか。
私は、恥ずかしさのあまり、足腰から力が抜けていくのを感じました。
’ほお~、これが夢にまで見たTちゃんのオ〇ンコか。興奮して死んじゃいそう’
’く、悔しい~’
酔った社長が、’俺にも近くで見せろ’と寄ってきた時、
女性陣から、’社長、あそこが立ってる、立ってる’と大爆笑。

営業課長がスピーカーを使い、
’これ以上続けると危ない世界になりますので、
最後、バンザイ三唱で、この場をお開きにしたいと思います。’
’バンザイ、バンザイ、バンザイ’
気が付くと、旅館の従業員の方々も、私の裸姿を見ながらバンザイをしていました。

悪夢のような、宴会がようやく終了しました。

 

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