そして二年の月日が流れ去った。
「あ~。そういえばそんな娘いたね~」
「今は結婚して、故郷の薬局でレジ打ってるよ」
メアリーさんの消息を知っていたのは、キャサリンさんだった。
「あだんちゃんは・・・」
キャサリンさんはタバコに火をつけ一口吸ってすぐにもみ消した。
「聞きたいかい」
出身地はなんと鹿児島県。(本人は京都といっていた)
フィリピンパブのショーダンサーとの間に子供ができた。
話はそれだけだった。
「玉の様な男の子を産んだんだよ」
借金も返さず姿を消した。
「糖尿病の娘がいてトイレがくさいっていったらけんかになったの」
あだんさんの最後の言葉だった。
今まさにベッドで上になっているキャサリンさんも糖尿病だった。