あだん 4


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 そして二年の月日が流れ去った。

 「あ~。そういえばそんな娘いたね~」

 「今は結婚して、故郷の薬局でレジ打ってるよ」

 メアリーさんの消息を知っていたのは、キャサリンさんだった。

 「あだんちゃんは・・・」

 キャサリンさんはタバコに火をつけ一口吸ってすぐにもみ消した。

 「聞きたいかい」

 出身地はなんと鹿児島県。(本人は京都といっていた)

 フィリピンパブのショーダンサーとの間に子供ができた。

 話はそれだけだった。

 「玉の様な男の子を産んだんだよ」

 借金も返さず姿を消した。

 「糖尿病の娘がいてトイレがくさいっていったらけんかになったの」

 あだんさんの最後の言葉だった。

 今まさにベッドで上になっているキャサリンさんも糖尿病だった。

 

 

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