平成の終わりの思い出・・・
大好きだった夫、こうしてスレッドを書いている今でも、まだ大好きな夫のケンちゃん。
でも、もうサヨナラ。
私はサヨナラすることに決めたんだ。
私が初めてカラダを許したのが夫。
異性の前で初めて裸になってもいいと思った男性が夫。
恥ずかしかったけど、初めてアソコを見せてもいいと思った男性が夫。
夫にならアソコを舐められたい、アレを入れられたい、そう思った。
私にとって、一生に一度の処女喪失の相手が夫。
夫に処女をッ下げたときの感動は今も忘れない。
初めて見た夫のアレ、初めて舐めたときはぎこちなかったけど、あれ以来愛しくなった。
処女膜を突き破られる感触、痛かったけど、流した涙は嬉し涙だった。
夫に抱かれるたび、少しずつ気持ち良くなっていった。
いつしか、声を出して喘ぐようになった。
身を捩って悶えるようになった。
後ろから入れられたり、夫に跨ったり、色んな抱かれ方をした。
そして、夫の子供を妊娠した。
嬉しかったけど、父に叱られた。
デキ婚した。
婚姻届けを出して、
「私、ケンちゃんのお嫁さんだね!」
て言って腕を組んで歩いた。
借りたアパートに移り住んだ数日後、お腹が痛くて病院に行った。
赤ちゃん、ダメだった・・・
夫は優しく慰めてくれた。
でも、妊娠から流産、その後の処置で新婚なのにずっと夫に抱かれない日々だった。
まさか、夫が他の女の人を抱いてたなんて思わなかった。
夫の帰りが遅いのは、仕事が忙しいからだと思ってた。
でも、夫は次第に私を抱かなくなっていった。
やがて、外で夕食を済まし、私の作るご飯を食べなくなった。
殆んどねるためだけに帰って来るようになった。
そして、滅多に帰らなくなった・・・
私は、少しずつ荷物をまとめるようになった。
キャリーバッグに荷物を詰めて、いつでもアパートを出られるようにしていた。
思い出の品々を見ては、泣きながら荷物をまとめた。
妻の私以外の女の人を抱いて、帰ってこない夫・・・
それでも、夫の事が大好きで、決して嫌いになれないでいた。
でも、心が死にそうだった。
限界だった。
もう一度夫が帰ってきたら、最後に一目夫の姿を見たら、次の朝、出ていこうと決めた。
夫が帰ってきた。
一週間ぶりだった。
「お帰りなさい・・・」
「ああ・・・」
「ご飯は?」
「要らねえ、食ってきた・・・」
「そう・・・」
最後の夜なのに、明日は私出ていくのに、その夜交わした短い会話だった。
でも、夫は私が出ていくことは知らないから、仕方がなかった。
翌朝、食事を作ったけど、食べてはもらえなかった。
「行ってくる。」
「うん・・・行ってらっしゃい。」
「ああ・・・」
「お仕事がんばってね。」
「ああ・・・」
「気を付けてね。」
「ああ・・・」
夫が出ていく・・・最後の姿になる・・・
「あの、ケンちゃん・・・」
「何だよ。お前、ウゼえ・・・」
私、ウザかったんだ・・・
玄関を開けて、遠ざかる夫の背中を見ていた・・・あの歩き方・・・ケンちゃん・・・サヨナラ・・・帰ってきた時、私、居ないよ・・・涙が溢れた。
夫の最後の言葉が「お前、ウゼえ」だなんて・・・
部屋の中を見渡した。
2年近く暮らした部屋を記憶にとどめた。
キャリーバッグを持って玄関を出た。
扉を閉じて、鍵をかけた。
戻りたくなっても戻らないように、鍵を新聞受けから部屋の中へ入れた。
チャリン・・・私と夫の間の扉にも鍵がかかった音がした。
夫が帰ってきて、私がいなかったらどう思うかな?
あ、今日は金曜日か・・・彼女の所に行ってるから帰ってくるわけないか。
実家に戻ったら、事情を知ってる父も母も、兄も義姉もみんな優しく迎えてくれた。
もうすぐ平成が終わる・・・
その頃には、私たち夫婦も終わるのかな・・・
夫からはまだ何の連絡もない。
きっと今日も帰ってないんだ。
本当に大好きだったんだよ、ケンちゃんのこと。
永遠の愛を誓って結婚したつもりだったけど、違ったみたいだね。
出来ちゃったから、仕方なく結婚したんだね。
指摘されてるけど、やっぱり、私は男を見る目がなかったんだね。
ずっと一緒に暮らして、一生一緒に暮らすんだと思ってた。
私、夫が大好きだったけど、これじゃ夫婦と言えないような気がして、だからお別れを選んで夫の元から去ることにしたんだ。
後は夫がどうするか・・・夫の望むように・・・離婚すると言われればそうする。
それが夫の幸せなら、私はそれに従う。
大好きだから・・・
夫が帰ったら、もう部屋から消えた私に気づいて、どう思うかな?
私が消えてくれて、良かったと思うかな?
ウザい女が消えて、せいせいするかな?
私は、自分で決めて出てきたけど、サヨナラしたけど、哀しくて、寂しくて、よく寝れていないんだ。
昨日、心が死にそうで限界で、夫の最後の姿を見て出てきたけど、それは自分で決めたことなのに、これで良かったのかまだ悩んでる。
ちょっとコンビニに買い物に行ったとき、もう二度と見ることがない夫の姿を、もう、どこにもないあの歩き方の後ろ姿を、気が付くと探してた・・・
もう少し、時間がかかりそう。
30分ほど前、夫からラインが来たの。
家に帰ったみたいで、私がどこにいるのか尋ねてきたから、実家に帰った旨を返した。
それには今のところ無反。
ラインでも無視するみたい。
父も。母も、兄も優しくしてくれてる。
でも義姉は、夫への、ケンちゃんへの報復を考えてる。
ケンちゃんへの慰謝料請求、ケンちゃんの浮気相手への慰謝料請求・・・
私、ケンちゃんのことは嫌いになれないから、恨んでないから、せめて今はやめてほしい・・・
でも、義姉は自分の義妹をこんなに悲しませたケンちゃんを許せないみたい。
義姉は女として、妻として、憤っているような気がする。
まるで私が普通じゃないみたいだね。
離婚することになった。
兄が、前々から興信所に調査を依頼していたみたい。
昨日、仕事の帰りにその報告書を受け取って兄が帰ってきて、昨夜のうちに中を確認して整理したようだった。
今日、全てを見せられた。
不倫の証拠が山ほど・・・
相手の女の人、若くて可愛い・・・
でも、これ以上の証拠は見たくない。
どんな仕打ちをされても、嫌いになれない。
夫のことはやっぱり大好き・・・
義姉は、興信所の件を知っていたからあんなことを言ったのだと思う。
相手の女の人と一緒の夫は、ついぞ見たことのない幸せそうな笑顔だった。
私が邪魔な存在だと分かった。
夫のことは好きだけど、受け入れてはもらえそうにないから、もう、離婚、するしかないみたい。
夫の幸せのために、夫が好きだから離婚することにする。
平成が終わる前に、私たち夫婦が先に終わるみたい・・・
哀しいけど、仕方が無い。
兄や義姉のいうことのほうが、筋が通っているから・・・
夫は、弁護士に相談をして、だいぶ以前から用意周到に準備をしていた。
先日、10日ぶりに夫に会った。
夫の浮気相手の女性も一緒だった。
兄は、夫と浮気相手に300万円ずつの慰謝料を請求した。
支払えない場合は、夫、浮気相手それぞれの職場に申し立てて、給料の差し押さえを請求する準備があると言った。
夫は黙って聞いていましたが、夫の浮気相手はそれを聞いて半狂乱、夫は、驚いたような表情で浮気相手を見ていた。
夫は、鬼のような形相で私に罵詈雑言を浴びせた浮気相手に、急に覚めたようで、自分は300万円払うと言った。
「不倫は解消する。そして、お前との婚姻関係も解消する。それでいいだろ・・・」
夫は、いとも簡単に浮気相手の彼女を切り捨てた。
夫の浮気相手の彼女は、今度は、鬼の形相を夫に向け始めた。
夫は、女性に対してそういう態度なんだ・・・私に対しても、浮気相手に対しても・・・
兄は、
「よくわかっただろ?こういう男とそれに簡単に騙される女。女の反応は様々だがね・・・だからと言って、お前から夫を奪った女を俺は許さないよ。」
私が何か言おうとしたら、義姉に止められてしまった・・・
後日、夫の浮気相手のご両親から、慰謝料を支払う旨の連絡があったみたい。
私にとっては、もう、どうでもいいこと・・・
私の大好きな人は、もう、戻らない。
ケンちゃん・・・さようなら・・・
今日、正式に離婚した。
私の持ち物はすべて持ち帰った。
思い出の品をどうするか迷っていたら、
「そんなガラクタ持って行けよ。目障りだ・・・」
そうだよね。
目障りだよね。
ウザい女の思い出の品なんて・・・
夫は、元夫は、ケンちゃんは本当に私を毛嫌いしてるのが分かった。
「生理的に受け入れられなくなった女とは無理だ。悪ィな。お前、虫唾が走るんだよ。オエーって感じなんだよ。ゲロ女なんだ。悪ィな。そういうこと。」
義姉が殴りかかったけど、父が止めた。
兄は止めなかった。
義姉がそうしなかったら、兄が殴ってたかも・・・
お兄ちゃん・・・お兄ちゃんはいつも私の味方だったから、義姉も同じ。
約一か月、色んなことがあった。
平成より先に、夫婦が終わった。
夫が赤の他人になった。
ケンちゃんはもう他所の人・・・
これですべてが終わった。
平成の終わりの思い出・・・