かなこ、との事⑤


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〇愛の終焉
かなことの関係が深まり、数々の官能的な時間を共有してきた私たち。しかし、いつか訪れるであろう「別れ」の時が、静かに近づいて来た。私はかなこを深く愛していたが、親子ほどの年の差がある私たちに未来は無いと感じていた。そんな思いが日々私の胸を締め付けるようになった。

別れの決意
ある日、私たちはいつものようにラブホテルで過ごしていたが、心の中では別れを決意していた。かなこの瞳に宿る純粋な愛情と未来への希望を見つめながら、この関係を終わらせるべきだと強く感じた。

察しの良いかなこも、なんとなく気づき始めているようだ。かなこと愛し合っても、いつもなら自分でイケるようにペニスが自分の気持ちいいところに積極的に当たるように腰を動かすのが常だったが、それをしなくなってきた。それでも突かれていればイッてしまう。かなこは積極的に快楽を追求しなくなっていた。

「かなこ、今日は少し大事な話があるんだ」と私は静かに言った。

彼女は私の顔をじっと見つめ、何かを察したように少し顔を曇らせた。
「うん、どうしたの?」

「私たちの関係、これ以上続けることは出来ないよね」と言葉を続けた。
「妻と別れて君と結婚したいと本気で思うくらいだったけど、私は君のお母さんと同じ年齢なんだ」

「お母さんがお金持ちの人と再婚してくれれば、私は楽になるのになあ」
「私があなたと結婚しても、お母さんの介護が始まるときには、あなたの介護も始まっちゃうのね…」

「今すぐではなくても君の未来のためにも、そろそろ終わりにしよう」

「そんなこと言わないでください」
「まだ会ってください」
とかなこはそう言ってくれたが、私が母の年齢と同じという現実を目の当たりにして、動揺しているようだった。

〇別れへの道
次の週は、わざと連絡を取らないでみた。こちらの別れるかもしれないという気持ちが伝わった方が良いかと思ったからだ。しかし、火曜日にはかなこから「金曜日に会えますか?」との連絡があった。

「もちろんいいよ」と返信すると、「良かった、嬉しいです」と返信が来た。

迎えた金曜日。この日のかなことのSEXは今までとは違った。本当にいつもなら自分でイケるようにペニスが自分の気持ちいいところに積極的に当たるように腰を動かすのが常だったが、それをほとんどしなかった。それでも突かれていればイッてしまう。別れようかと考えている男に抱かれ、そのペニスを味わうのも混乱しているだろう。かなこにとってはどう自分を表現していいか分からない時間だったかもしれない。

そうだとしても何度もイッた。かなこがイきたい欲求が無くても突けばイった。何度も何度もイッた。そして、彼女がタイミングを合わせなくても私がタイミングを合わせ同時エクスタシーに導こうとしたら、何を想ったのか、彼女が腰を調整してきた。最後のフィニッシュにタイミングを合わせてきてくれたようだ。心の中に寂しさを抱えながら私はフィニッシュした。ほんの少しだけ遅れてかなこもエクスタシーに達した。

〇別れと最後のメール
その数日後、かなこからメールが来た。「いままでありがとうございました。お世話になりました。二度と連絡をしないでください。」

そんなこと言わなくても連絡しないのに、少し悲しくなった。最後はどんな心境だったのだろう。かなこのインスタやツイッターは見たことが無かったが、検索したらあっさりと見つかった。そのツイートから察するに、私に抱かれていたのは、お金の部分と、愛情の部分の両方だったようだ。お金だけと割り切れない部分があり複雑な気持ちだったのだろう。ただ、抱かれることに関しては楽しんでいたようだ。それは間違いない。

「楽しい時間をありがとう。君の未来に幸せがあるように、心から祈っている。どうか、素晴らしい人生を歩んでください」と返信し、彼女のメアドを削除した。

〇新たな旅立ち
私たちはお互いの人生に感謝し、別々の道を歩むことを決意した。かなこには素晴らしい未来が待っていると信じ、私は自分自身の人生を再び見つめ直すことにした。彼女との思い出は、永遠に心の中に刻まれたままである。

かなことの別れは悲しかったが、その一方で彼女の未来への希望を支えることができたことに、わずかながらも安堵を感じた。

1年後、大学も卒業できたとツイッターに書かれていた。その後、ツイッターもインスタも削除され、今はどこの空の下に居るのかもわからない。
かなこには素晴らしい未来が待っていると信じたい。

 

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