「内科の病気以来、酒はやめているんで」
「せっかく、みどりちゃんと夏絵ちゃんがやってくれると言っているのに残念だな」
『えっ。みどりちゃんと夏絵ちゃんが来るの』
それは何回目の同窓会だったでしょうか。
一次会が終わり、下戸の私は、帰ろうとしていました。
ホテルのフロントで幹事の関山に呼び止められ、二次会に誘われていました。
「会場は桔梗の間でよろしく」
桔梗の間に行くと
「はい。お待ちしておりました」
関山の気持ち悪い声がして、見ると座卓には麻雀パイが。
そして何十年かぶりの再開で、かつてのおかずの女王が二人座卓に着いていました。
「私をおかずにスーマかいてたんでしょ」
みどりさんがいきなり突っ込むと夏絵ちゃんが顔を赤らめて笑います。
ルールの説明もなく、しかしパイをかき混ぜていると記憶が戻ってきました。
東一局から勝負手が入り、リーチをかけました。
「う~ん。待ちは」
「・・・」
下家のみどりさんが切った牌はウーピン。
「ロン」
ウーピンとオタ風のしゃぼ待ちです。
「なにこれ。つもり四暗刻じゃん」
「待ってれば役満つもっていたかも、だよね」
「どーします」
「リーチ一発で一万二千点」
点棒を受け取っていると手首をみどりさんにつかまれました。
そして、みどりさんの股間に誘導されました。
一方上家の夏絵ちゃんも私の股間に手を伸ばしていました。
聞くとお二人ともここ数年のご無沙汰だそうで。
幹事の関山が対面でほくそ笑んでいたのが気持ち悪かった。
「お客さん、これ」
帰り際、フロントのボーイに手渡された手鏡を見ると、鼻の下が異様に長い自分がいた。