週末土曜日。
この日は朝からオフで、二人で市内観光、故宮博物館を訪ねた後、谷口夫妻が宿泊するGホテルのレストランで合流した。3日ぶりの谷口さんは日灼けしているようだ。聞けば今日軽くペアでハーフを回ってきたそうだ。ゴルフ場が近いのも台湾の魅力のひとつだ。隣席の谷口夫人は『日焼け止めとメイクで顔と二の腕は守れたけど、膝とか腿の裏は真っ赤よ』と笑い飛ばしていました。テーブルクロスの下からちらりと見える夫人のロングドレス、スリットから覗く脚が艶めかしい。この日の香菜は、ブラックのオフショルのミニドレスの上にレースのボレロ、相応のドレスアップでした。谷口夫人からさかんにカクテルを勧められ、いい色になっている。
夫人 『それじゃ私達はお先に。お部屋で香菜さんにカトラリーをお見せしていますわ。殿方達はまだまだ飲みたりないんでしょ。ごゆっくりね』といいながら、テーブルを離れていった。谷口氏と僕はカバランという現地のシングルモルトをちびちびと楽しんでいた。高粱酒が有名だが、度数が高いので間違えるとえらいことになる。
その時です。谷口氏のスマホに着信サインが。バッグからタブレットを出してきて手元で操作。
谷口 「始まった様ですね…」と含み笑い。何のことか分からす首を傾げる僕にタブレットの画面を見せてきた。そこにあったのは…
画面中央、ロッキングチェアーに腰かけているのは…香菜の姿だ。どうやら谷口夫妻の部屋の様だ。薄暗い間接照明の中、香菜のところには上手く光源が当たっている。香菜の背中越しから谷口夫人の指先が香菜の上半身をまさぐっている。
夫人「かわいいわ、食べたいくらい」
香菜『だめ…』
夫人「許さない、分かっているんでしょ?」
夫人は唇を香菜に寄せてきて
チュ
女達の唇が重なる音がタブレットの小さなスピーカーから漏れてくる。
谷口 「どうですかな?ウチの奴のテクニックに奥さん耐え凌げますかな?」
僕 『え?』
谷口 「うちのはね。両方いけるんですよ。男も女もね」
チュ、チュ
どうしたことだ。夫人が唇を寄せると、香菜はみずからキスに応じている。はかりか、口腔は緩く開いていて夫人の差し込む舌の侵入を受け入れている。両の脚は閉じられているもののスカート丈が短いから、既にスカートの裾から白いものが見えている。谷口に嫁のパンチラを見られる事は腹立たしいが、それ以上に画面中の展開に動揺する自分がいて、口の中はカラカラだ。グラスのウィスキーをがぶり。咳き込む自分がいた。
夫人に口腔を犯されている香菜、背中のファスナーが下ろされていて、レースに縁取られたブラと、香菜の双丘が夫人の掌中で揉みしだかれている。どうしたのか香菜、こんな同性の、しかも中年の年増女にいいようにされて。淫らだ。淫ら過ぎる。
『あーっ!』ひときわ大きい嬌声が。夫人の後頭部が香菜の胸元に。間違いなく乳首を夫人の唇で責められているのだろう。香菜の性感帯は左の乳首だ。同性の身体を知り尽くしたレズビアンから責めを受けたら、陥落目前なのに違いない。
それからは…女達はベッドに移動したので、レンズ角から外れたせいで、二人のレズ行為はほとんど見えなくなっていた。おそらく最初からWEBカメラはチェアーの前にセットされていて、そこで夫人は僕の妻を誘惑したのだろう。ベッド周囲は間接照明だけだから、カメラに鮮明に映ることは少なかった。ただ、僕の脳天がもっとも打ちのめされたのは、裸身のふくよかな女が開いた脚の付け根に、もう一人の痩身の女が唇を寄せていったシーンだ。ふくよかな肢体は夫人で、婦人のラビアを口に含みにいったのは香菜だ。画角の関係で一瞬だったが、自分の妻の同性愛行為が目に焼きつくに十分だった。
その夜。
僕と谷口氏がそれぞれの自室に戻ったのは深夜だった。部屋に戻ると香菜はすでにベッドで眠りについていた。タンガを穿いただけのナイトウェア姿だったが、乳房や陰部に婦人の刻印が刻まれている気がして怖くなった。同時に香菜に潜む性愛、肉欲のおぞましさに戦慄していた。