最近、役職が上がって部下が出来た。30歳で課長になれたので、けっこう順調な方だと思う。俺は、医療系機器の営業をしている。
この会社に務めるまでは知らなかったが、医者の社会常識のなさには驚かされた。でも、それにも慣れて、上手く立ち回っているつもりだ。
休日にドクターに呼び出されて雑用を言いつけられることもあるが、俺は営業成績も良く、会社も代休を渋ったりはしないのであまりストレスは感じていない。
部下は、5歳年下の賢人だ。比較的口が上手い俺とは違って、無口な方だ。でも、イケメンで素直な性格のおかげか、ドクター受けも悪くない。
中には、ゲイなのかな? という感じで彼を見るドクターもいるが、看護婦さん達が賢人のことを気に入っていて、ドクターに勝手にプッシュしてくれているというのが実際のところだ。
そして、彼はたまたま同じ大学の後輩だ。
「先輩、今日はどうするんですか?」
夕方くらいに、彼がにこやかに聞いてきた。今日は金曜日で、明日は休みだ。金曜日は、一緒に飯を食べることが多い。家に呼んで妻も交えて食事をすることも多い。
俺の妻の加奈は、4歳下の26歳だ。サバサバした性格というか、口が少し悪い。顔は可愛らしいのに毒舌なキャラなので、ギャップに驚かれることが多い。
ただ、話も抜群に面白いし、黙っていれば小柄な可愛い女の子だ。でも、胸はFカップあって、そのギャップも評判が良い。
賢人は、多少は性的な目もあるかも知れないが、加奈のことをすごく気に入っている。単純に話が合うということが良いようだ。言い方は悪いが、男友達と話しているみたいだと言っている。
歳も、賢人が1歳下なだけでほぼ同世代だ。賢人が遊びに来ると、本当に話が盛り上がる。確かに、男女という感じではなく、仲の良い友人の会話という感じだ。
それでも、やっぱり少しは心配で考えてしまう。実は、賢人は女としての加奈を気に入っているのではないか? ワンチャン狙っているのではないか? そんな心配をしてしまう……。
そんな心配をしているのにもかかわらず、俺は積極的に彼を家に呼ぶ。自分でも自覚はなかったが、俺はヤキモチ焼きみたいだ。
二人が仲良くしているのを見ると、嫉妬でモヤモヤする。でも、少しだけ興奮もする。寝取られ性癖とまでは行かないと思うが、不思議な感覚だ。
それなのに、今日もウチに来る? と聞いてしまった。賢人は嬉しそうに、行きます! と答えた。この時点で、俺は少し興奮していた……。
そして、その予定をラインで加奈に伝えた。すぐに、
「OK。じゃあ、ミニスカートで待ってるね」
と、ドキッとするようなメッセージが返ってきた。加奈は、実際のところはわからないが、賢人を男としては見ていないと言っている。
確かに、加奈の態度は友人とか弟にするような態度だ。加奈は、賢人がうちに遊びに来て帰った後、俺が嫉妬で興奮して加奈を求めることをわかっている。
どうやら、加奈はそれが嬉しいみたいだ。ミニスカートを穿くと言ったのは、賢人を誘惑すると言うよりは、俺を挑発させて興奮させたいという事みたいだ。
俺は、ドキドキしながら夕方を待った。賢人は、少しソワソワしている感じはあるが、ちゃんと仕事はしている。彼は、真面目だ。そんなところも信頼感がある。そして、イケメンの割にウブなところを、ちょっと面白いと思ってしまう。
加奈は、賢人をからかうことが多い。ミニスカートで挑発的な事を言い、顔を赤くする彼を可愛いと思っているようだ。
そして、仕事を終えて会社を出た。賢人と歩きながら、色々な話をした。女性関係の話を聞くが、やっぱり彼女は出来ていないようだ。会社でも、七不思議と言われている。性格もルックスも問題ない彼に、彼女が出来ない理由はない気がする。
「焦るものでもないですしね。いまは仕事楽しいですし」
賢人はそんなことを言う。俺は、気になる女性とかもいないの? と聞いた。
「それはいますよ。さすがに、気になる女性もいなかったら寂しすぎますもん」
賢人はそんな風に答えた。意外だった。彼が気になる女性なんて、告白すれば絶対に落とせる気がする。
誰なの? と聞くと、
「ナイショですよ。先輩、からかいますもん」
と言われてしまった。確かに、聞いたらからかうと思う。そんな会話をしながら、スーパーでワインなんかを買って帰宅した。
「おかえり~、おつかれ~」
加奈は、宣言通りミニスカートで出迎えた。かなり短くて、太ももがほとんど丸見えだ。サマーニットも、胸の形がはっきり浮き出ていてなまめかしい。
案の定、賢人はドギマギしている。でも、すぐに挨拶をして部屋に上がった。
賢人は、視線はそらし気味だが普通に会話をしている。たわいもない話だが、二人はやっぱり馬が合うみたいだ。
「そんなこと言ってるから、いつまで経っても童貞なんだよ」
加奈がからかうように言うと、
「ど、童貞じゃねーわ!」
と、動揺しながら彼が言う。そのどうようっぷりを見ると、もしかして本当に童貞なのかな? と思ってしまう。このルックスで童貞だとしたら、それはそれでレアだと思う。
「ホントに~? お店とかは、やったうちに入らないよ」
からかい続ける加奈。口は悪いが、やっぱり可愛らしい感じだ。自分の妻ながら、面白くて可愛くて最高だなと思う。
「風俗なんて、興味ないから」
「どうして? 差別してるの? 風俗嬢も立派な仕事でしょ」
「い、いや、そう言うんじゃなくて、その、普通にほら」
しどろもどろになっている賢人。賢人も、可愛いなと思ってしまう。
「そうなんだ。恋人とかいたことあるんだ。てっきり、男の方が好きなんだと思ってたよ」
加奈は、とことんからかう。でも、愛情というか、好意を感じるいじり方だ。
「違うって。でも、メチャクチャそっちの人からは言い寄られるけど」
賢人が言う。無理もないと思う。たぶん、ゲイとかの人から見たら賢人はたまらないんだと思う。
「試してみたら? 意外に良いかもよ」
加奈は、興味津々だ。経験の薄い賢人と違い、加奈はけっこう経験豊富だ。夫としてはあまり嬉しくはないが、それでも沢山の男の中で俺を選んだと言うことに、ちょっと自信が湧く。
「いや、あんまり良くなかった」
賢人は、ビックリする返事をした。
「エッ!? やったの!?」
加奈は、ちょっと口調が下品だ。でも、いつものことと言えばいつものことだ。俺はあまり気にならないが、気にする人もいるかもしれない。
「するわけないじゃん。加菜ちゃん、興味あるんだ。腐女子?」
逆にからかう彼。加奈は、なんだよ~とか言いながら笑っている。本当に楽しそうで、見ていてこっちも楽しくなる。
「さっきから、おっぱいばっかり見てるでしょ。ニット好きなの?」
加奈は、そんなことまで言う。
「べ、別に見てないし。でも、そんなに大きかったっけ? 太ったの?」
顔赤くしながら言い返す賢人。これだけイケメンでも、女性慣れしていないことが不思議で仕方ない。
「太ってないし。そんなこと言うから、モテないんだって」
加奈は少し怒った顔だ。そして、いきなりニットをまくり上げてお腹の辺りを見せた。勢い余ってブラも少し見えている。
「太ってないでしょ?」
加奈は、自信たっぷりの顔で言う。確かに、このウェストを見て太っているとは言わないはずだ。
「へぇ、良いスタイルじゃん。見直したよ。太もも太いから、ポチャッとしてるかと思った」
賢人は、さらに煽るようなことを言う。すると、加奈は立ち上がってスカートを持ち上げた。ショーツが見えるかどうかのギリギリ。さすがにやり過ぎだ。
「別に、太くないし」
加奈は、かなりムキになってる。でも、太ももに関しては、正直太目だ。バレーボール部だった影響か、意外に筋肉もある。脚に関しては、おそらく筋肉の上に脂肪が乗ってるので必要以上に太く見えるのだと思う。
「いやいや、太いって。でも、俺は好きだけど」
賢人はそんなことを言う。好きという言葉に、ドキッとしてしまった。
「へぇ、好きなんだ。私に惚れてたんだ。いい女は罪だねぇ」
加奈は、やっぱり楽しそうに言う。二人の掛け合いは、見ていて子供みたいで面白い。
加奈は、ニットもスカートも元に戻した。そして、3人でリビングで飲み始めた。と言っても、3人ともそれほど強くはない。
ほろ酔い加減で、会話もさらに盛り上がっていく。
「加菜ちゃん、パンツ見えてるって」
賢人が、目のやり場に困ったように言う。確かに、さっきから加奈のパンツはチラチラ見えてしまっている。スカートが短すぎる。
「え? 見せてるんだよ。童貞がオドオドするの、楽しんでるんだよ~」
加奈は、ちょっと悪酔いだ。でも、可愛い顔なのでイジワルという感じは薄い。
「先輩、いいんですか? 他の男にパンツ見られちゃってますよ」
賢人は、困ったように助けを求めてくる。でも、俺も別に減るもんじゃないしと答えた。加奈のパンツが見られていることに、不思議なほど興奮してしまう。
加奈が他の男に性的な目で見られるというのは、夫としてはやめてくれと思う状況のはずだ。でも、俺はさっきから勃起したペニスを見られないように脚を組んだりしている。
「フフ、ホントは見たいくせに」
加奈はそう言って、脚を大きく開いた。スカートはまったく無意味なものになり、ショーツが丸見えだ。薄いピンクの可愛らしい下着。でも、真新しい。もしかして、このために買った? 俺は、また嫉妬心が膨らむのを感じる。
「まぁ、見たいか見たくないかって言われたら、そりゃ見たいよ」
賢人は、正直だ。
「良いよ、もっと見なよ。童貞君へのプレゼント」
加奈は、どう見ても悪酔いだ。弱いくせに、飲みすぎたんだと思う。脚を拡げきっているので、ショーツははっきり見えている。
そして、よく見ると大事な部分にシミが出来ているのを見てしまった。興奮して濡れている? ドキッとしてしまう。
「もう、充分だって。隠しなよ」
賢人は、しどろもどろになっている。確かに、どう考えてもやり過ぎだ。
「興奮しちゃった? もっこりしてるけど」
加奈は、ひたすらからかい続ける。でも、賢人の股間は確かにもっこりと盛り上がっている。俺と同じで、勃起しているようだ。
「そ、そりゃそうなるって。逆に、パンツ見られて勃起してなかったら、それはそれでイヤでしょ?」
賢人はもっともなことを言う。
「それもそうだね。じゃあ、そろそろ隠すね。襲われそうだから」
加奈はそう言って脚を閉じた。
「襲うか!」
賢人は、慌てて否定する。
「そうだよね、そんな度胸ないもんね」
煽り続ける加奈。これも、才能だなと思ってしまった。