「でも、出てかないといけないよ。せっかく大家さんがチャンスくれたんだから、助けてもらった方が良いと思うけど……」
妻の絵梨佳が、困ったような顔で言う。僕は、それでもやっぱり決断が出来ないまま、ウジウジと悩んでいた。
妻の絵梨佳は、24歳の可愛らしい女性だ。小柄で童顔なので幼く見られるが、身体は成熟した大人の女性だ。胸は、ブラジャーのサイズで言うとFカップになるらしく、典型的な低身長巨乳キャラだ。
僕は、26歳の社会人で、よく線が細いと言われる。自己主張も苦手だし、あまり積極的に何かするタイプではない。コロナ禍の影響で会社が潰れ、今は無職になってしまった。コピー機やネット環境なんかの保守をするエンジニアだが、なかなか次の仕事が見つからず、追い詰められたような気持ちになっていた。
まだ若い僕らだったが、二人とも結婚願望も強かったので思い切って結婚した。でも、すぐに新型コロナ騒動に巻き込まれ、色々と想定外の状況だ。絵梨佳も飲食の仕事をしていたが、それもコロナ禍の影響で解雇されてしまっている。
もともと少なかった貯金も底をつき、実家に頼るにも、僕は早くに両親を事故で亡くしていたので頼るアテもない。妻の実家に頼るのは最後の手段だと思っているが、それも頼らざるを得ないのかなと思っている状況だった。
そんな中、家賃のことで大家さんに相談をした。少しの間、賃料を下げてもらえないだろうかという交渉だ。このマンションは、大家さんが最上階に住んでいるタイプの民間賃貸マンションだ。比較的築年数も新しく、とても住みやすいと思っていた。もっと家賃が安いところに引っ越すことも考えたが、引っ越し費用などを考えると、なかなか踏み切れずにいた。
大家さんは親切な方で、他との兼ね合いがあるから値下げは出来ないが、多少遅れても良いよと言ってくれた。そして、物件の清掃とかをしてくれるのなら、バイト代を出すとまで言ってくれた。
大家さんは60歳くらいの男性で、温厚そうな見た目の人だ。奥さんを病気で亡くしていて、今は一人で暮らしている。息子さんがいると聞いたが、同居はしていないようだ。
僕らは、その提案に感謝して物件の清掃とか管理を手伝うようになった。でも、なかなか僕の仕事が決まらず、徐々に追い詰められてきた。そんなある日、大家さんが提案をしてきた。月に2回夜のお世話をしてくれたら、家賃を免除するという提案を……。
大家さんは、こんな話はしたくないがと言いづらそうだったが、遠回しな表現でそれを提案してきた。
「それって、月に二回大家さんとエッチすれば良いってことですか?」
絵梨佳は、キョトンとした顔で確認した。大家さんは、ストレートな物言いに動揺しながらも、お二人が納得してくれればの話だけどと言った。大家さんは、奥さんを亡くして以来、風俗店で性欲を処理しているそうだ。なので、申し訳ないのだけどこんな提案をさせて頂いたと言った。
正直、かなり驚いた。大家さんは、本当に親切で紳士な男性だと思っていた。下ネタを言う事もないような、真面目な人だと思っていた。
「そんなことで良いんですか? 私に、そんな価値ないと思いますけど……」
絵梨佳は、まだキョトンとしている。昔から、絵梨佳は純粋というか、ちょっと天然キャラっぽいところがある。今も、こんな提案をしてきた大家さんに、怒りの感情や軽蔑の感情を持っていないみたいだ。そして、自分にその価値がないとまで言っている。確かに、月に2回で家賃免除だと、一回当たり5万という事になる。風俗店でも、そんなにしないのではないか? そんな疑問は感じる。
「いやいや、その価値は充分ですよ。絵梨佳さんみたいな可愛らしい女性、風俗店には絶対にいませんから」
大家さんは、そんな事を言う。でも、いないという事はないと思う。絵梨佳は確かに可愛いが、風俗店の看板には可愛らしい女性の写真が踊っているのを見たことがある。
「それに、私のはちょっと普通と違うので、女性によってはムリと断られることが多いんです。なので、絵梨佳さんがOKしてくれても、もしかしたらダメって事になるかもしれないです。それは、先に言っておきますね」
大家さんは、そんな事を言い始めた。まったく意味が理解出来ない言動だ。普通と違う?
「普通と違うって、どういう意味ですか? おちんちんが二つ付いてるとかですか?」
絵梨佳は、真剣な顔で聞く。僕は、思わず笑いそうになってしまったが、この状況で笑うことも出来ず必死で耐えた。
「いや、そんなんじゃないです。ちょっと、サイズの問題で。絵梨佳さんは小柄だから、ムリかもしれないです」
「サイズ? 大きいってことですか?」
絵梨佳は、完全に好奇心が出てきてしまっている。
「そうです。大きすぎて、ムリとか痛いって言われることが多いです。お恥ずかしい話です」
大家さんは、本当に恥ずかしそうで申し訳なさそうだ。
「そうなんですね。でも、大きいと喜ぶ人もいそうな気がします」
絵梨佳は、そんな事を言う。確かに、僕も同じ感想を持った。巨根信仰というわけではないが、大きいと女性を狂わせることが出来るという、漠然としたイメージを持っていた。
「そんな事ないよ。大きすぎても意味がないって言われるよ」
大家さんは、悲しそうだ。そして、奥さんとは身体の相性がピッタリで、最高だったと話し始めた。奥さんが死んでしまって以来、身体の相性が合う女性を探したが、結局見つけることは出来ずにいたそうだ。
風俗嬢ですら、痛がる巨根? イメージが出来ない。
「すぐに返事はしなくていいです。検討してください。失礼な提案して、申し訳なかったね。でも、そろそろ考えないと、どんどんじり貧になっちゃうからね」
大家さんは、酷い提案をしているのに、優しい顔だ。この提案も、考えてみれば大家さんにあまりメリットはないはずだ。風俗店で色々な女性と遊んだ方が、新鮮で楽しいはずだ。
僕は、暗い気持ちで部屋に戻った。絵梨佳は、最初から笑顔だ。
「良かったね、大家さん、本当に優しいね。私なんか、そんな価値ないのに」
笑顔の絵梨佳に、そんなのはダメだよと告げた。
「どうして?」
本当に意味がわからないという顔をする絵梨佳。僕がイヤだし、そんなのは売春と同じだと告げた。
「でも、出てかないといけないよ。せっかく大家さんがチャンスくれたんだから、助けてもらった方が良いと思うけど……」
と、絵梨佳は困った顔だ。僕は、決断できずにウジウジしている。
「それに、相性が合わなかっただダメな話でしょ? 試すだけ試してみれば良いと思うけど」
絵梨佳は、そんな事まで言う。僕は、イヤじゃないのかと聞いた。
「それはイヤだよ。だって、浮気みたいでしょ? 私も、まこと以外の人とエッチなんてしたくないよ。でも、この話は親切で言ってくれてると思うし、大家さんならそんなにイヤじゃないし……」
絵梨佳は、困った顔のままだ。考えてみれば、絵梨佳の言うとおりだ。大家さんが相手なら、恋愛感情を持つこともないだろうし、あくまで家賃のためだと割り切れるかもしれない。でも、自分の妻が他の男性に抱かれるなんて、男として悔しいし認めることなんて出来ないと思う。
「それに、寝取られってあるでしょ? そういうビデオとか漫画、人気だって聞いたよ。まことは、そういうのはないの?」
絵梨佳は、急に僕の話を始めた。慌ててそんなのはないし、興味もないと応えた。
「そっか……でも、気がついてないだけかもよ。そういう動画、見てみようよ!」
絵梨佳は、グイグイと話を進めようとする。もしかして、絵梨佳自身が大家さんとのセックスを望んでいるのだろうか? そんな事を考えてしまうような態度に見える。
絵梨佳は、ネットで見つけた寝取られものの動画を再生し始めた。借金のカタに、妻を抱かれてしまうと言う話の動画だ。普通のアダルトビデオよりも、導入部分が長い。演技は多少下手だが、それでもかなり熱演だと思う。
そして、借金取りにビデオを回されながら犯される場面になった。嫌がっていたのに、徐々に感じてしまう演技……それはとてもナチュラルで、見ていてドキドキする。そして、それを椅子に縛り付けられて見ている夫。
「あなた……見ないで……イ、イキそうなの」
そんなセリフを言う女性。夫は、目を閉じようとするが、閉じるなと怒られて目を開く。見ないでと言いながら、どんどんとろけていく女性……。僕は、正直興奮している。でも、それは女優さんが綺麗で演技が上手だからだと思う。
「ねぇ、想像してる? 私が大家さんにこんなことされるところ……」
絵梨佳は、耳元でささやく。その声は、うわずっているように聞こえてしまう。もしかして、興奮してる? 僕は、訳がわからなくなってきた。
「してるね……興奮してる。まことの、大きくなってるもん」
絵梨佳は、僕の股間を見て言う。でも、それは女優さんの裸を見ているからだと答えた。絵梨佳は、おもむろに股間を握ってきた。ズボンの上から、強目に握られてしまった。
「固い……凄く固いよ。いつもよりも、固くなってる」
絵梨佳は、やっぱり声がうわずっている。
「ねぇ、大家さんとするとき、まこともいて欲しい。こんな風に、見られながらがいい」
絵梨佳は、やっぱり声がうわずっている。僕は、思わず興奮してる? と聞いた。
「してる。興奮してる。まことが見てる前で、こんなことされたい」
絵梨佳は、画面に目が釘付けだ。画面の中では、女性がバックで犯されながら夫役の男性と手をつないでいる。見ないでとかごめんなさいと言いながら、どんどん高まっている。男遊山に比べて、女優さんの演技が光っている。僕も、かなり興奮しているのは事実だ。でも、寝取られという行為自体には、興奮してないと思う……思いたい。
僕は、絵梨佳の方こそ寝取られ願望があるのではないかと聞いた。
「あるみたい……知らなかったよ。ゴメンね、エッチな女の子で……」
絵梨佳は、恥ずかしそうで申し訳なさそうだ。僕は、本気なのかと聞いた。
「うん。まことは、イヤ?」
絵梨佳に聞かれて、僕はやっぱり良くないよと答える。でも、さっきほどの強い拒否感はない。
「そうだよね……わかった。でも、今からして欲しい……ダメ?」
絵梨佳は、すっかりと興奮した顔だ。僕は、彼女を抱きしめてキスをした。お互いに興奮していて、服を剥ぎ取るように脱がせ合う。そして、愛撫もせずにすぐにコンドームを装着して挿入すると、絵梨佳はいつも以上に感じてくれて、乱れてくれた。
「凄く固い……まことの、いつもと全然違う」