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秘密⑦


4文字数:1329

私が15歳の時に突然家庭が崩壊してしまいました。

ヤクザの父は刑務所に収監されていたのですが、母が父の舎弟分と家を出てしまったのです。

姉と兄がいましたがどちらも家を出て同棲中、まったく家には寄り付きませんでした。

まあもとから崩壊していたような家庭でしたね・・・

中学三年生だった私に現実が降りかかります。

それは生活費でした。

母は家を出るときに幾ばくかのお金を置いていましたが、みるみる無くなっていきます。

その頃は携帯電話などないし、姉や兄とは連絡を取る方法もないし住んでる所も知りません。

困った私は父が利用していた喫茶店のママに相談して、年齢を誤魔化し夜お酒を出す時間帯にアルバイトをさせて貰うようになりました。

なし崩し的に高校進学は諦めました。
そのままそのお店で働くことに。
16歳になってからお店に来ていた3歳年上の男性と付き合うようになります。

ある日のこと男性のアパートに行くと数人の友人が来ており車座になってコソコソしゃべっています。
中心に置いてあってのは小さなビニール袋に入った白い粉、注射器、小さな小皿でした。

『何してるの?』と聞くと『ああ丁度いいところに来た、S子もキメろよ!』と彼がいいます。

思い出しました。
箪笥の引き出しの中に同じようなものが入っていたような・・・

『何?』と聞くと『ぶっ飛ぶぞ~!用意してやるからS子もキメな!』

彼はギラギラした目でそう言います。
一緒にいる友人たちも同じような目つきでした。

多分覚せい剤だ!
そう思いましたが、母たちが使っていたのを知っていましたし興味の方が勝ってしまいました。

『じゃあお邪魔だろ?俺たちは帰るよ!』

彼の友人たちはニヤニヤしながら出ていきました。

その日私は初めてのキメセクを経験することになります。
夕方から始めて途中追い打ちをして・・・泥のように疲れて眠りについたのは翌朝でした。

それからはSEXするたびに使うようになってしまいます。
使わないSEXなんて考えられなくなっていました。

量も回数も次第に増えていき、2年ほど経ったある日の午後幻覚に襲われました。

アパートの部屋に一人で居たのですが、外にいる知らないおばさん二人が私を見ながらヒソヒソ話をしているのです。
しかもそのヒソヒソ話がはっきりと聞こえました。

『あの子シャブやってるね・・・警察に言わないとイケんね~』
そうハッキリ聞こえたのです。

私は怖くなり頭を抱えこんでしゃがみ込みました。

暫くして我に返ると私はアパートの部屋で一人です。

『もうやめよう!』

固く決意して、彼にもやめるように言いました。

普段の生活ではどうも無いのですが、彼とSEXする時だけはしたくなります。
彼も私と同じで『少しだけキメようか?』と言い出すのです。

全て処分したはずなのに私が『うん、する!』と言うと隣の部屋に行きもって来ました。

『もうしないって言ったやん!すぐ捨てて!』

本当は私もしたくてしたくて堪らないのですが、ここで誘惑に負けたら廃人一直線です。

何とか彼にもやめさせ、2年後私たちは結婚しました。

 

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