その日、僕はママと一緒に町へ買い物に出かけていました。その頃、僕はママがまだまだ大好きで、いつも甘えていたのです。
僕はママにねだって買ってもらったソフトクリームを舐めながら歩いていました。
ソフトクリームに夢中だった僕は前を見ていなかった為か、僕は突然ドスンと何かにぶつかり、持っていたソフトクリームを飛ばしてしまいました。
「あ~!!!あ~あぁ~おいおいおい~……」
僕の頭の上から、大きな声が聞こえました。
思わず見上げると、その声の主はとても恰幅のいい大きな外国人の男でした。
どうやら僕はその男にぶつかったようで、男が着ていたコートにはベトリと僕が投げ出したソフトクリームがこびりついていました。
「キャァ~!!!」
ママが悲鳴のような声を上げ、慌てた感じで僕の隣に来て「すっすみません!!!!すみませんっ!!!!」と言いながら何度もその男に平身低頭に謝り始めました。
「あぁ~あぁ~ベットリついてやがる…おいおい奥さん、どうしてくれるんだぁ?このコート、特注品で250万円はするんだぞ???」
男は少し訛りのあるがとても流ちょうな日本語でそう言って、ママを逆に睨みました。
僕も金額を聞いてびっくりしましたが、男は僕のことは全く相手にしない様子でした。
この男は中年くらいの年齢で、ガタイがでかく、スキンヘッドで目つきも悪く、下あごに髭が生えていて、耳にピアスをしていて、いかにも外国人ヤクザのような格好をした男でした。
値段を聞いたママが、見る見る内に青ざめていくのが、僕にも分かりました。
「んっ?どうしてくれるんだぁ?これもう汚れ落ちないわぁ…250万円弁償してもらうしかないかなぁ~…」
それを聞いたママの表情はもう泣きそうな顔をしていました。
当時の僕もまた自分がとんでもないことをしてしまったことを感じました。
そんな中、僕はその男のすぐ横に一人の男子がいることに気づきました。
当時の僕と同じか、少し上くらいの年齢にみえました。
身長が男より低いとはいえ、体格はやや太り気味の坊主頭で、なによりも顔がその外国人ヤクザの男そっくりです。
僕は一目でこの男の息子だと分かりました。
そいつですが、どうも先ほどからなにやら赤い顔でポーとした感じでママのほうをずっと見つめています。
その様子からこいつはママに見惚れているようでした。
息子の僕が言うのもなんですが、ママは身長もとても高くスタイル抜群のかなりの美人でした。人によってはママのことをまだ20代後半ではないかと思ったくらい若く見えました。
そいつはしばらくポーとママに見惚れていましたが、急にニヤリを笑い、ペロリと舌舐めずりしたかと思うと、外国語でなにやら父親に話しかけました。
息子の名前はダニというようで、男はダニと呼ばれた息子に、「ダニ、XXXX、ダニ、XXXX」と外国語を話しながら、ニヤリと笑い、おもむろにママのほうを向き、今度は日本語で「なぁ、奥さん。弁償できないのだったら、奥さんが1つ今からある事を聞いてもらえればこの件はチャラにしてやってもいいんだが…」と切り出してきました。
「え…ほっ本当ですか?そっそれはどんな…?」
ママが思わずそう尋ねると、男は傍らにいるダニの頭をポンポンと撫でながら「こいつはオレの息子なんだが、どうもこいつがな…奥さんの事を見て随分気に入ったみたいなんだ。そこでだっ!今からオレの家に来て、ちょっとの間こいつの”相手”をしてやって欲しいんだ。」と切り出しました。
「え…?」
ママはとまどったように、ダニと呼ばれた息子のほうを見つめました。
ダニのほうはというと、ママに直接見つめられて、気恥ずかしいのか、ますます顔を真っ赤にして「えへへへ」と薄ら笑いを浮かべていました。
「この子の”相手”をするというのは…?」
ママが男のほうに向き直りそう尋ねると、男のほうはやや悲しそうな表情を浮かべて
「実はなぁ…オレの女房なんだが、随分前に家を出て行ったきり、ずっと戻ってきてねぇんだ…それからというものこいつが随分寂しがってなぁ…まぁまだ何かと母親を恋しいがってなぁ…そこでだっ!ちょっと奥さんにこいつの母親代わりに甘えさせてやってほしいんだぁ。なぁどうだよ。オレの国の習慣では、母親がいなくなると、別の女が母親代わりになって甘えさせてやるんだよ」
「そっ…そうなんですか。でも…そんな……。わ、私、外国の習慣分かりませんし…。日本語しか話せないので…」
それを聞いたママは困惑しきった様子でした。
まあ無理もありません。今から見知らぬ外国人(それも相当ワルそうな)の家に行き、その息子の母親代わりになれというのです。不安になるのは当然でした。
「ダニは日本で育っているから、日本語は日本人並みで、オレよりうまいくらいなんだよぉ」
「で、でも…」
「なあ、どうだよ奥さん、別に大した事じゃないだろぉ?少しの間、母親としてこのガキの世話をしてもらうだけだ。簡単なことだろ?」
「でっでも……」
ママがそうためらうように言うと、男は少し怒ったような表情を浮かべ「そうかい…嫌かい…やっぱり日本人は冷たいんだなぁ。オレのコートをお前ら親子でこんなに汚しておいて、なんにもしないというのかい…じゃぁ仕方ないけどきっちり250万弁償してもらうしかないかな……とりあえずこの坊主や奥さんじゃ話にならなそうだから、旦那さんの勤め先を教えてもらおうかな。」と言って、スマホを取り出しました。
それを聞いたママはまた青い顔になり「そっそれは…ダメです……わっ分かりました。私でよければ……」と切り出しました。
それを聞いた男は急に明るい表情を浮かべ「おおっ!そうかそうかこいつの相手をしてくれるか!!ふふふ…良かったなぁ、ダニ…」と傍らのダニの頭を撫で回しました。
「うんっ!!!へへっ!へへへへへ」
ダニのほうもますます顔を真っ赤にして嬉しそうしています。
ただその表情は、ママの全身をジロジロ嘗め回すように見て、なんとなくいやらしい笑みを浮かべているようでした。
「よ~しっ!じゃぁ奥さん、早速今からオレの家に来てもらおうか。な~に。こっから歩いて数分の所だ、すぐに着く。」
男は急かすようにそう言いました。
「まっ待ってください!!一度ウチに帰ってからではダメでしょうか?息子もいますし…」
「あぁ~?ダメだダメだっ!!オレは今からと言ったんだ!どうもダニの奴が待ちきれんようでな。な~に心配しなくても奥さんがダニの相手をしてる間は、オレがその坊主の面倒を見ててやる。ほれっ行くぞっ!!」
ママがそう切り出しても、男に即座にそう言って断られました。
外国人ヤクザの自己主張の強さにまったく拒否することも出来ないママと当時の僕は黙ってその男の後をついていく事しか出来ませんでした。
男の部屋は、本当にそこから数分歩いた所にありました。
かなりの高級マンションだったと思います。
そして部屋の中は完全に外国の雰囲気でした。
「えへへへへ。姉ちゃんっ!今からオレの”相手”してくれるんだろぉ!?ほらっオレの部屋はこっちだよっ!さあ早く来いよぉ~!!!」
マンションの玄関に入るや否や、ダニはそう言い、突然ママの腕をがっとつかみました。
そしてママが「ちょっ!ちょっと待って!!」と制止しているにも関わらず、グイグイとママの腕を引っ張り、強引に自分の部屋連れて行こうとしました。
「マっママ~!!!」
ダニの強引な態度に僕は、そいつにママを取られてしまうような気がして思わずママに抱きつきました。
「なっ何だよぉ~お前ぇ~!!!離れろよぉ~!!!!」
ダニは怒ったように言ってきましたが、僕のほうも「やっやめろよぉ~ママを連れて行くなぁ~!!!!」と言い返し、必死でママにしがみついて離れようとしませんでした。
「こらこら、坊主っ!お前の母ちゃんは今からオレのせがれと大事な用があるんだっ!邪魔をしちゃいかんっ!ほれっこっちに来い!!!オレがアイスでもご馳走してやるから」
僕は後ろから、男に肩を掴まれママから引き剥がされとようとしましたが必死で抵抗していました。
「大丈夫だから…ケンちゃん(※僕の名前です。)おとなしく待ってて…」というママの言葉に従い、「うぅ~」と言いながらママから離れました。
「へへへへ…ば~か!!!」
そいつは僕に勝ち誇るように言って、まるで見せ付けるように、ぎゅっとママに抱きつきました。
そして「じゃぁ!姉ちゃん、オレの部屋はこっちだよ。さあはやく来なよ。」と馴れ馴れしくママの腰辺りに手を回して、ちょうどマンションの廊下の奥にある部屋にママを連れて行きました。
「うぅ~ママ……」
僕は、そいつの部屋の中に入っていくママを、なんとなく不安な気持ちで見届けていました。
僕のほうはというと、そいつの父親にリビングルームに連れられました。
リビングルームに入ると、僕に男から「ほれっ!アイスだっ!これでも食っておとなしくしてろよっ!」と何個かアイスを渡されました。
男のほうは、特に何するわけでもなく、ソファーにどっかと座って外国風のタバコをふかし、外国風の音楽を流しながら、外国語で書かれた新聞みたいなものを読み始めました。
僕のほうも仕方がないので出されたアイスをパクパク食べ始めました。日本では食べたことのないようなとても甘いアイスでした。
「ねぇおじちゃん…僕のママとあの兄ちゃん。一体あの部屋で何してるんだよ~?」
少し男に対する恐怖心が和らいだ僕は、そう男に尋ねました。
「あぁ~??だからさっき言っただろぉ~最近ウチのせがれが寂しがってるから、ちょっとお前の母ちゃんに一緒に遊んでもらってるんだって!」
男は僕のほうを見ず、めんどくさそうにそう言いました。
「遊ぶんだったら…何なら僕が一緒に遊んであげるけど…何でママなの?」
僕はそう素朴な疑問を男に投げかけました。
普通にゲーム等で遊ぶだけなら、何故近い年齢の僕ではなく、なぜずっと年上のママを選ぶのか。正直意味が分かりませんでした。
「あぁ…あいつは少~し変わっていてなぁ~。お前のような同年代のガキと一緒に遊ぶより、お前の母ちゃんみたいな年上のキレイな女と一緒に遊ぶのが大好きなんだぁ~。それになぁ、日本人の女は若く見えるからなぁ」
男はなんとなくニヤニヤしながらそう返答しました。
「ふ~ん。変なの…。」
僕は、疑問に思いながらも、結局それ以上その男に何も聞くことなくパクパクとアイスを食べていました。
するとしばらく経った時です。
ママとダニがいる部屋から、なにやら声が聞こえてきました。
「えっ…えっ何…?」
よく聞くと、それはママとダニが何やら大声で言い争ってるような声でした。
僕のいるリビングとママ達がいる部屋とはやや離れている為、ハッキリとは聞こえませんが…
それは「何をするのっ!!!やめなさいっ!!!」というママの怒っているような声と、「ぎゃはははっ!!何だよぉ~いいじゃん~!!!」とダニがゲラゲラとふざけて笑っている声でした。
そのようなママの怒鳴り声とダニの笑い声はしばらく続きました。
そして何やらバタンバタンという物音まで聞こえてきているようでした。
「ふふふふ。あいつもう我慢できずに始めやがったのか。まぁあの奥さんかなりイイ女だからなぁ。無理もないか。」
男はそう言ってなにやらニヤニヤと笑っていました。
「ねっねえおじちゃんっ!!!ママ達、さっきから何しているの??」
僕は男にそう尋ねました。
「あぁ!?だからお前の母ちゃんに一緒に遊んでもらってるんだろ。…ほらぁ~オレのせがれ嬉しそうにゲラゲラ笑ってるじゃんかよ。」
男はまた面倒くさそうに僕のほうを見て、そう言いました。
「…ママのほうは何か凄く怒ってるみたいなんだけど…」
その声はしばらく続きました。
何を言い合っているのかは断片的にしか分かりません。
ただダニのほうのセリフを聞くと「そんな事オレに言っていいのぉ~??弁償させちゃうぞぉ~」とか「ほらほらぁ~どうしたのさぁ姉ちゃんっ!!」とか言って怒っているママを逆にからかっているような感じでした。
しかし終いには「ほらぁ。姉ちゃん。ぬっっ脱がすぞぉ~。でへっでへへへへへ。おっオレが、ぬっ脱がせちゃうぞぉ~!!!」とダニが何やらとても興奮しているような大きな声が聞こえました。
『脱がす??何言ってるんだあいつ……』
当時、僕には、少し不安を覚えながらも、ダニがママと何をしているのかはっきりとはイメージできませんでした。
それから少したって、先ほどまであれほど言い争っていたママとダニの声もバタンバタンいっていた物音もピタッと止みました。
僕が疑問に思っていると、男はまたニヤニヤ笑いながら「ふふふ。あの奥さん、とうとう観念しちまったみたいだなぁ~」と呟きました。
なんとなく嫌な予感がした僕は、「ねぇ…ママたちの様子を見に行ってもいい?」と男に尋ねました。
「あぁ~?駄目だっ!駄目だ。邪魔するなって言ってるだろ!」
男は僕のほうを見て、即座に却下してきましたが、僕は「でも僕…トイレ行きたい。トイレは行ってもいいでしょ?もらしちゃうよぉ~」と食い下がりました。
事実トイレに行きたかったのは本当ですが……
男は「ちっ。」と舌打ちして「分かったっ!分かった!坊主、トイレは奥の部屋だっ!行ってこいっ!」と言いました。
僕が急いでリビングを出ようとした時です。男は僕のほうを向きました。
「言っとくがな。坊主…あいつの部屋の前通った時、おそらく部屋の中からお前の母ちゃんの”変な声”が聞こえて来ると思うが覗こうとするなよ…これはお前の為に言ってんだからな…」
「変な声…?何っそれ…?」
僕がそう尋ねましたが、男は何も言わず「ほれっ行って来い。」と言いました。
僕は廊下に出て、奥にあるトイレに向かいました。
ちょうど途中にママ達がいる部屋もあります。
先ほどまではママとダニの激しく言い争う大声とバタンバタンと激しい物音がしていましたが、今は特に聞こえてきません。
しかし、部屋に近づくにつれ、かすかにまた何かの物音とママとダニの声が聞こえてくるのが分かりました。
ジュル…ジュルジュチュ……
「あっ…ンっ…んぅっ…ンっ…ンっ…あっ…あァっ…あァはぁっ…」
「はぁはぁはぁはぁ…でへっでへへへへ……」
ズチュっ!…ジュルッジュルルルル……
…それは何かを吸い付く音と、ダニの激しく興奮しているような息遣い、そして僕がこれまで聞いた事もないようなママの声でした……