昔の日本の女性は処女の純潔を少しも重んじなかった


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売買春問題でよく出てくる処女性についても、有名なルイス・フロイスが言ったことと、それに網野善彦が応えているものがある。
     
     
ルイス・フロイス『ヨーロッパ文化と日本文化』岡田章雄訳注、岩波文庫
     
第二章 女性のその風貌、風習について
     
1 ヨーロッパでは未婚の女性の最高の栄誉と貴さは、貞操であり、またその純潔が犯されない貞潔さである。
日本の女性は処女の純潔を少しも重んじない。
それを欠いても、名誉も失わなければ、結婚もできる。
     
     
網野善彦『日本の歴史をよみなおす(全)』(ちくま学芸文庫)の145頁には、このフロイスの記述について
「そこで詳しくフロイスの指摘を検討しているうちに、私は、どうもこれはみな本当のことなのではないか、と思うようになってきました」
と書いてある。
     
     
そして、検討した記述の後に以下のことを書いている。
     
網野善彦『日本の歴史をよみなおす(全)』ちくま学芸文庫、154-155頁
     
『そしてこのように考えてきますと、フロイスが
「日本の女性は処女の純潔を少しも重んじない。それを欠いても名誉も失わなければ結婚もできる」
といったことも、決して不自然なでまかせとはいえませんし、
「日本では娘たちが両親に断りもしないでどこでも出掛ける。妻は夫に知らせないで出掛ける」
というのも十分あり得ることだといえそうです。
ですから、フロイスの記述は、この点でも決して不正確ではないと思います。
ただこういうふうにずばっと書かれると、私たちはびっくりしてしまうのですけれども、むしろこれを事実とした上で、当時の女性の問題を考える必要がある、と私は考えます。』

 

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