「ゴ、ゴメン、柔らかくなっちゃった……」
夫の優一は、申し訳なさそうに謝った。妻の恭子の上で必死に腰を振っていたが、また中折れしてペニスが抜けてしまった。
「仕方ないなぁ。どうする? またアレ見る? 見たい?」
恭子は、怒っている感じではなく、少しあきれているような口ぶりだ。優一は、申し訳なさそうに、
「うん。見たい。お願いします」
と、返事をした。
優一と恭子は、結婚して2年経つ。恭子が3つ年上で29歳だ。出会ったのは、ビリヤード場だ。二人とも学生の頃から趣味で突いている。たまに草大会にも出たりするくらいにはハマっている。
草食系の優一に恭子が一目惚れして積極的に話しかけ、トントン拍子に交際に進み、結婚まで行き着いた。優一とは違い、アクティブで何事にも積極的な恭子。
まったく逆のタイプの優一に一目惚れしたのは、彼のルックスのせいだった。優一は、子供の頃はしょっちゅう女の子に間違えられていた。イケメンと言うよりも、美少女顔だ。
そんな優一を一目見て、恭子は心を奪われた。そして、優一も、自分とはまるで逆のタイプの恭子にすぐに心を奪われ、相思相愛になった。
ただ、最近はセックスの最中に中折れしてしまうことが多くなっていた。別に、優一が恭子に飽きたわけではない。優一には、学生の頃からの寝取られ性癖があった。
元々は、付き合っていた女性に浮気をされたことがきっかけだ。そして、寝取られ性癖に目覚めて以来、優一は寝取られジャンルの物でオナニーを繰り返していた。そのせいで、セックスの時に中折れしてしまうようになってしまったようだ。
「なんでそうなるの? ちゃんと、オナニーせずに溜めてる?」
最初の頃は、恭子も機嫌を悪くしていた。でも、一週間溜めても、二週間溜めても中折れはしてしまう。なかなか根深い物があるようだった。
そんなある日、優一は勇気を振り絞って寝取られて欲しいと告げた。恭子は、それを聞いて怒った。当然のリアクションだ。でも、彼女はすぐに気持ちを切り替えた。
「性癖だもんね。仕方ないか……わかったよ。でも、一回だけだからね」
恭子は、意外にあっさりとそれを受け入れた。もともと、それなりに男性経験が多かったことも抵抗感が薄い理由だったのかもしれない。優一には話していないが、コンパやナンパで、一夜限りのセックスをしたこともある。
優一は、一回だけなら、それを動画に残してほしいと伝えた。恭子は、あきれながらも承諾した……。
恭子は、優一のことを本当に愛している。ベタ惚れと言っても良いくらいに惚れている。
草食系で頼りないところも母性本能をくすぐるようで、ある意味守ってやらないといけないなと思っている部分もあるようだ。
そんなこともあり、優一のとんでもないお願いも聞いてしまったのだと思う。
そして、どんな相手とセックスをするかというところで、なかなか良いアイデアが出なかった。ネットで募集するとか、プロに頼むとか、アイデア自体は色々出た。
ただ、優一は見ず知らずの男性に寝取られるよりも、恭子の知り合いに寝取られることを望んだ。
「別に、誰でも同じじゃないの?」
あきれたように言う彼女に、優一は、
「見ず知らずの人に抱かれるのはオナニーみたいなものだけど、知ってる人だったら本当に恭子を奪われちゃうかもしれない危機感があるから……」
と、異常に思える願望を口にした。
「まったくもう……ヘンタイ」
恭子は完全にあきれた顔になりながらも、やっぱり承諾してしまった。この頃には、すでに恭子も他の男性とのセックスに興味を持っていたようだ。
恭子は、それなりの男性経験をしてきたので、セックスに対しては舌が肥えている部分がある。正直、草食系の優一のセックスに、物足りなさは感じていた。なおかつ、中折れまでするようになっているので、欲求不満は感じている。
そんなこともあってか、何年ぶりかの違う男性とのセックスに、それなりの期待を感じていたようだ。
そして、相手は決まった。恭子の大学の時の友人で、一度だけ酔って肉体関係を結んでしまったことがある男だ。
「うん。一回だけだよ。お互いかなり酔ってたから、あんまり覚えてないんだ。でも、こんな変な話なら、適任かなって」
恭子はそんな説明をした。実際にその男、東野とは一度きりのセックスだった。ただ、覚えていないというのはウソだった。
東野とのセックスのことは、恭子は鮮明に覚えている。仲の良い友人だった彼とのセックスは、酔った勢いで始まった物だったが、恭子の中では一番気持ちいいセックスだった。
普段、本当に男としては意識していない相手だった。仲の良い友人……ビリヤードをよく一緒にする相手だった。そんな相手とのセックスは、不思議なほど燃えた。
なおかつ、恭子の経験した中で一番の巨根だったので、彼に膣奥の快感を植え付けられた。ただ、そんなにも強烈な経験だったのに一度きりになったのは、その直後にお互いに恋人が出来たからだ。
恭子は、男性経験はそれなりにあるが、浮気は一度もしたことがない。性格的に、そういうことは出来ないタイプだった。ただ、東野とのセックスのことは、いまだにたまに思い出すような経験だったようだ。
「本当に、良いの? 後悔しない?」
当日、恭子は何度もしつこく確認をした。恭子にしてみれば、優一に嫌われることは絶対に避けたいという気持ちが強い。
優一の希望でしたことでも、それがきっかけで嫌われたら最悪だと思っている。でも、何度確認を取っても、優一は、
「後悔しない。ゴメンね、変なお願いして。一度だけだから……」
と、気持ちは揺るがなかった……。
「じゃあ、行ってくるね。そんなに時間かからないと思うから、夕ご飯食べに行こっか。なに食べに行くか考えておいて」
恭子は、そんな言葉を残して出かけていった。
恭子が帰ってきたのは、22:00過ぎだった……。優一は、ヤキモチしながら待ち続けていた。18:00を過ぎると、不安で押し潰されそうになった。
それでも恭子に連絡を取ることなく待ち続け、20:00になり、22:00になった。さすがに心配で連絡を取ろうとしたとき、恭子は帰ってきた。
「ゴメンね、遅くなっちゃった!」
恭子は、慌てた感じで部屋に入ってきた。ホッとした顔で出迎えた優一に、
「寝ちゃったの。ゴメン。スマホも、カメラで撮りっぱなしだったからバッテリー切れちゃって……ホントゴメン」
と、謝った。実際に、恭子が寝てしまったのは事実だが、それは失神だった……。
「大丈夫だった?」
優一は、なにを言えば良いのか迷ったあげくに、そんな言葉をかけた。恭子は、その言葉を聞いて吹き出すように笑った。
「自分の嫁を他人に抱かせに出しといて、大丈夫だったって言うんだね。変なの」
恭子は、妙に楽しそうだ。
「ご、ごめん。でも、心配してたよ」
優一は、本当に申し訳なさそうだ。無理もないと思う。
「ありがとう。でも、大丈夫だよ。ちゃんとしてきたから。動画、さっそく見てみる? それとも、先にご飯食べる?」
恭子は、明るい口調だ。浮気をしてきた罪悪感のようなものはまったくないように見える。
「見たい……すぐ見たい」
優一は、喉がカラカラに渇くのを感じながら答えた。
「そう言うと思った。じゃあ、スマホ充電切れてるから、SDカード取り出すね。ちょっと待って」
そう言って、恭子はスマホのシムトレイを引きだし始めた。SDカードを取り出すと、アダプターをつけてノートパソコンに挿した。
「どうする? 一人で見る? それとも、一緒に見る?」
恭子は、顔が赤い。真っ赤と言っても良いくらいに赤い。恥ずかしそうにモジモジしている。
「一緒に見たい。恭子ちゃんは、イヤ?」
優一は、すでに画面に目が釘付けだ。まだなにも映っていない画面を見つめる優一は、目が血走っているようだ。
「イヤじゃないよ。でも、嫌いにならないでね。約束だからね」
恭子は、少し不安そうだ。そんな不安そうな態度を見て、優一はドキドキしていた。
動画が始まると、恭子が映った。カメラは動いている感じで、手持ちで撮っているようだ。
「始めたよ。でも、本当に撮るの? 冗談じゃなかったんだ」
東野の声が響く。優しそうな声で、若干戸惑いを感じているようだ。その声を聞いて、優一は生唾を飲み込んだ。かなりの緊張をしているようだ。
「うん。だって、見せられないと意味ないじゃん」
恭子は、少し緊張気味に答えた。
「そんなの見たいんだ。不思議だな。理解出来ないよ」
東野は、戸惑った声で言う。
「私もだよ。全然理解出来ない」
おどけたように答える恭子。そして、服を脱ぎ始めた。思い切りよく服を脱いでいく恭子。やっぱり顔は赤いままだ。それでもあっさりと下着になってしまった。
薄いピンク色のブラジャーとショーツ、胸の谷間はかなり大きい。着痩せするタイプなので、脱ぐとギャップを感じる。東野とセックスをしたときよりも、肉付きはよくなっている。
と言っても、ウェストのくびれも残っているし、弛んでいる印象はない。
「あれ? おっぱい大きくなった?」
東野が興奮気味に聞く。
「うん。5キロくらい太っちゃった」
「へぇ、そんな風には見えないけど。セクシーだと思うよ」
「ありがとう。でも、なんか変な感じ。東野くんとこんなことするなんて、二度とないと思ってたよ
恭子は、モジモジと恥ずかしそうだ。
「俺もだよ。でも、嬉しいよ。恭子とのセックス、いまでも思い出す。一番興奮したセックスだった」
東野が懐かしそうに言う。恭子は、思わず私もと言いかけて口をつぐむ。優一にほとんど覚えていないと言った手前、迂闊なことも言えない。
「じゃあ、どうしたら良いかな?」
東野は、戸惑った声で聞く。
「……そのまま撮ってて。恥ずかしいけど、オナニーするね」
耳まで赤くしながら言う恭子。
「えっ? オナニー? 何でそんなことするの?」
東野は、キョトンとした顔で聞く。意味が理解出来ないという顔だ。
「私の恥ずかしい姿を他の人見られると、彼が興奮すると思うから」
「なるほど……なんか、凄いんだね。わかったよ」
そんな会話を続ける二人。優一は、驚いた顔で画面を見つめながらも、興奮しきっているようだ。
画面の中で、恭子がベッドに腰掛けた。そして、恥ずかしそうにブラジャーを外していく。優一は、ベッドのヘッドボードの操作パネルを見て、そこがラブホテルだと気がついた。
自分の妻が、他の男とラブホテルにいる……そう思っただけで、優一は射精しそうなほどの興奮を感じてしまった。
「綺麗なおっぱいだね。やっぱり、かなり大きくなった」
東野は、興奮を隠せない口調だ。Eカップある胸は、多少は垂れた感じもある。でも、張りを感じるし、乳輪も乳首も小ぶりで薄いピンク色だ。
グラビアアイドルのような、美しい胸……東野は、興奮を覚醒ない口調で褒め続けている。恭子は、恥ずかしそうに乳首をまさぐり始めた。