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昔、一度だけ妻を他人に抱かせた


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「パパ、大丈夫? 無理しないで」
 妻の絵理奈の、心配そうな声が響く。俺は、腰の動きを止めてセックスを続けるのを諦めた。最近、いわゆる中折れをしてしまう。でも、中折れするまではちゃんと勃起しているし、朝立ちもあるのでEDというわけではないと思う。
 マンネリのせいかな? と思って、1ヶ月くらい射精せずに溜めてからセックスをしてみたが、それでも途中で中折れしてしまう。年のせい……と言うには、まだ35歳は若いはずだ。
「リラックスしてて」
 そう言って、絵理奈はフェラチオを始めてくれた。舌が絡みつくようにカリ首辺りを舐め回し、くわえ込んで吸ったりもしてくれる。元々、それほど上手ではなかった彼女だが、最近はとても上手になった。俺が中折れするようになって以来、こんな風になんとか勃起させようと頑張ってくれるからだ。

 勃起はしていなくても、舌がカリ首辺りを舐め回すと、本当に気持ちいい。射精感も高まっていくし、実際、そのまま射精する事も多々ある。でも、それでは絵理奈に申し訳ないと思ってしまう。
 絵理奈とは、大学の時からの付き合いだ。若かったので、色々なセックスをしてきた。オモチャを使ったりもしたし、野外でした事もある。コスプレみたいな事もした。どれも楽しかったし、気持ち良かった思い出だ。ただ、ひとつだけ後悔している事がある。それは、絵理奈を他の男に抱かせてしまった事がある事だ。
 俺には、元々寝取られ性癖的なものがあった。たぶん、子供の頃にしたゲームや、読んだ漫画のせいだと思う。実際に、そういうジャンルのものでオナニーをしていたし、今でもそのジャンルが一番興奮する。
 でも、実行に移すべきではなかった……。絵理奈は、当然拒否した。怒っていたと思う。でも、俺の熱心なお願いで、一度だけという約束で受け入れてくれた。そして、相手を探し始めた。でも、今ほどネットもSNSも発達していなかった時代なので、相手探しは苦労した。

 そんな中、相手を見つけたのは絵理奈だった。
「見つけたよ。協力してくれるって」
 絵理奈が見つけたと言った相手は、まさかの知り合いだった。俺たちと同じゼミの、悠人だった。俺とはそれなりに仲が良く、たまに一緒に飯を食べたりするくらいだった。ただ、一緒に遊びに行くほどの関係ではなく、ゼミの仲間という位置づけだった。
 絵理奈とも、ゼミ内では仲が良い方で、楽しそうに話したりはしていた。でも、俺と付き合っていると言う事は公然だったので、悠人も含めて男子は一定の距離を置いていたような感じだった。

 かなり驚いて、どうして彼なのかと聞いた。
「う、うん。だって、知らない人だと怖いし……悠人君なら信用出来るでしょ? 口も堅いし」
 絵理奈は、そんな説明をした。確かに、悠人は真面目で寡黙な男だ。その割に、面白味のない男という事もなく、話をしていた楽しい。
 俺は、どんな風に提案したのか気になった。
「うん。そのままズバリだよ。だって、他に言い様がないでしょ? かず君がヘンタイで、寝取られたいから手伝ってって……」
 絵理奈は、身も蓋もない言い方をする。でも、それが事実だし、それ以上でもそれ以下でもない……。アイツのリアクションが気になって、それを聞いた。きっと、驚いたしドン引きしたはずだ。

「良いよって。質問もなかったよ」
 そのリアクションに、アイツらしいと思った。
「それに、私とエッチ出来るなら協力するに決まってるって言ってくれたよ」
 絵理奈は、恥ずかしそうにいう。褒められて、嬉しかったみたいだ。実際、絵理奈はゼミの中でも一番可愛いと思う。年齢よりもかなり幼く見える童顔に、150センチのFカップとくれば、人気が出ないはずがない。
 そして、あっさりと話はまとまった。3人で食事をしながら、本当に良いのかと聞くと、
「良いもなにも、和幸は良いの? マジで後悔しない?」
 と、逆に聞かれてしまった。そんな風に言われて、言葉に詰まった。後悔するとかしないとか、その時点では考えてもいなかった。和幸は、意外に動揺もなく淡々としている。絵理奈は、ずっと恥ずかしそうに黙ったままだ。
 この時の俺は、正直、異常なほどに興奮していた。この二人が、セックスをする……そう思っただけで、呼吸がおかしくなるくらいだった。そして、日程が決まった。バイトなんかの都合もあり、週末の金曜日の夜にする事になった。

 そして、悠人と別れたあと、絵理奈はウチに来た。
「ねぇ、本当にするの? やっぱり、止めた方が良いと思う……」
 絵理奈は、かなり戸惑っている。俺は、絵理奈が不安そうになっているのをわかっていながら、予定通りにして欲しいとお願いした。
「う、うん。かず君がそこまで言うなら……でも、嫌いになったりしないでよ。あと、これは浮気じゃないからね。かず君は、浮気しちゃダメだよ」
 絵理奈は、そんな風に言う。こんなにも可愛い彼女だが、不思議なほどに俺にベタ惚れだ。俺が望む事は、全てと言って良いくらいにしてくれる。でも、さすがに今回は、そんな彼女の性格を悪用してしまっている気がして申し訳ない。

 俺は、本当にイヤなら止めても良いと伝えた。やっぱり、事が事だけに、無理強いは良くないと思っていた。
「……大丈夫。イヤではないよ。でも、本当に大丈夫かなって思ってる。その……人間関係とか。変な風にならないかな? それだけが心配」
 絵理奈は、不安そうに言う。なんというか、セックスをする事自体はイヤではないと思っているようだ。それが意外で、ドキドキしてしまった。絵理奈は、他の男とセックスするなんて、とんでもない! と思っているような子だと思っていた。もちろん、俺がけしかけた事なのでなにも言う事はないが、そんな事を思ってしまった。

 俺は、絵理奈と悠人のセックスを想像して、驚くくらいに興奮していた。絵理奈を抱きしめてキスをし、胸を揉みしだいた。
「ダメ。なんか、ダメだよ。明後日、悠人君とするでしょ? それまでは待って。今はそんな気持ちになれないよ」
 絵理奈は、そんな風に拒否した。俺からセックスを誘って、断られた事は一回もなかった。断られた事に激しく動揺してしまったが、それ以上にドキドキしていた。絵理奈が帰ったあと、すぐにオナニーをした。絵理奈が悠人とセックスをする場面を想像しながら、狂ったようにオナニーをした。
 普段はそんな事はないが、この時は信じられないくらいにあっけなく射精した。自分が早漏になった気持ちになって、ちょっと恥ずかしいと思ったくらいだった。

 金曜日になると、朝からずっとソワソワしてしまった。昼に絵理奈と一緒に飯を食べたが、絵理奈は意外なほどに普通だった。もしかして、日付を間違えたかな? と思うくらいに、絵理奈はいつも通りだった。そう言えば、どこでするの? と聞くと、
「え? 夜の話? ホテルだよ。ラブホテル。3人で入れるところ探してもらったの」
 絵理奈は、顔が一気に赤くなった。耳までほんのり赤くなっていて、恥ずかしがっている事が伝わってくる。ラブホテルに、3人で入る……想像しただけで、胃の辺りが重くなる。自分で頼んだ事なのに、イヤだと思う気持ちもある。当然かもしれない……。

 そして、大学が終わると、悠人と合流した。悠人は、いつも通りの落ち着いた感じだったが、絵理奈の方を見ない。かなり意識しているようで、内心の動揺が見えるようだ。
「ゴメンね、変なお願いしちゃって……」
 絵理奈が、申し訳なさそうに謝る。
「ぜんぜん! むしろ嬉しいし。絵理奈ちゃんとそういう事出来るなら、誰でも喜ぶと思うよ。でも、本当に良いの?」
 悠人は珍しく動揺していて早口だ。こんな悠人を初めて見た。さすがに止めた方が良いのかな? という気持ちになったが、興奮は高まるばかりだ。ずっと勃起してしまっているような状態だ。
「ありがとう。でも、なんか変な感じだね。悠人君とホテルに行くなんて、想像もしたことなかったよ」
 絵理奈は、気恥ずかしそうに言う。
「う、うん。そうだね」
 悠人は、いつも以上に口数が少ない。
「和幸は、いつから自覚してたの? 寝取られ性癖を」
 今度は、俺に話が向けられた。説明すると、
「なるほどね、昔って、そういう漫画とかゲームが流行った時あったもんね」
 悠人は納得の顔だ。悠人は、影響を受けなかったの? と聞くと、
「う~ん、あんまりないかな。そもそも、俺は恋人もいないし」
 と、笑う彼。そう言えば、悠人に恋人がいるとか、デートしたという話を聞いた事がない。不思議に思っていた事だ。

「最近、別れたんだよね」
 そんな事を言う彼。彼女がいたと言う事に驚いていると、絵理奈も同じだったようで、
「え? 悠人君、彼女いたの? 全然知らなかった。ゼミの子? 同じ大学の子?」
 と、絵理奈は興味を惹かれたようだ。
「違うよ。コンパで知り合った子」
「コンパなんて行くんだね。意外」
 絵理奈は、やっぱり驚いている。彼のキャラクターと一致しないみたいだ。
「たまにね」
 やっぱり言葉数は少ない彼。
「どうして別れたの?」
 絵理奈は、聞きづらいような事をあっさりと聞いた。
「えっと、その……セックスの不一致ってヤツかな」
 悠人は言いよどむ。
「え? それって、どういうヤツ? 悠人君がやりたがり過ぎちゃったとか?」
 絵理奈は、かなり興味を持ってしまっている。普段、こんな下ネタっぽい会話はしない彼女だけど、これからセックスをすると言う事で感覚が変わっているみたいだ。

「いや、なんて言うか、その逆というか……」
 悠人は、言いよどむ。
「そうなの!? エッチな子だったの?」
 絵理奈は、意外だったみたいで驚いた顔になっている。
「まぁ、そうだね。そういう事になるかな」
 悠人は、やっぱりまだ言いづらそうな感じだ。
「悠人君は、エッチは嫌いなの?」
「そんな事ないよ。普通に好きだよ。でも、ちょっと多過ぎというか、そればっかりになっちゃって……」
 悠人は、別にモテ自慢をしたい感じではない。本当に、言いづらそうで申し訳なさそうな感じだ。
「そんな事もあるんだね。それって、よっぽど悠人君の事が好きだったんだね」
絵理奈は、そんな風に話をまとめた。そして、このタイミングでホテルに到着した。一気に無口になった絵理奈と悠人。フロントのパネルで部屋を選んだ。

 パーティールームという名目で、5部屋ほどが複数人で入れる設定になっている。その中の、一番小っちゃい部屋を選んでエレベーターに乗り込んだ。エレベーターの中では、3人とも無言だった。でも、俺も悠人も股間がもっこり盛り上がっている。異常な状況になってしまった。自分で言い出した事ながら、妄想だけで留めるべきだったのではないか? そんな気持ちになっていた。

 部屋に入ると、意外なほど広かった。ソファに大画面のテレビ、カラオケのマイクなんかが見える。特徴的なのは、部屋の一角がガラス張りでお風呂が見える事だ。ラブホテル特有の造りになっている。
「広いね。なんか歌う?」
 絵理奈は、少し楽しそうだ。ラブホテルには入った事はあるが、こんな部屋は初めてだ。俺も、キョロキョロしてしまう。
「良いね、せっかくだから歌おうよ」
 悠人は、股間をもっこりさせているのにそんな風に答えた。そして、本当に歌い始めた。二人とも、定番の昔のデュエット曲を歌い始めた。照れ臭そうに歌う二人。でも、徐々に気持ちも乗ってきたのか、見つめ合ったりしている。
 自分でも、驚くくらいに嫉妬してしまった。これからもっと過激な事をさせようとしているのに、見つめ合って歌う二人に身もだえしそうなほどの嫉妬を感じてしまう。そして、気のせいだと思いたいが、絵理奈の悠人を見る目がいつもと違う気がする。友人を見る目ではなく、恋人を見るような雰囲気……イヤな予感でいっぱいになってきた。

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