「十三と十六ただの年でなし」水揚げが済んで一人前、だったらしい


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女の「水揚げ」
ムラの若衆たちが夜這いにくるムラもあるが、娘仲間が管理しているムラであると
      
「十三と十六 ただの年でなし」
「十六の 春からひえを 蒔いたよう」
      
というわけで初潮だけでは一人前と見ない。
ひえを蒔いた状況、つまり陰毛の生育状況を検査して合、不合を決めるという合理的なムラもあった。
こうしたムラでは若衆頭が娘の希望を聞いて好きな者や熟練者に水揚げさせる。
      
しかし断っておくがこんなムラばかりではなく、若衆たちがクジビキその他で決めたり、早い者勝ちというのもある。
      
したがって結婚生活というものを固定的なものとは考えず、男か女かどちらかが別れるといえば、多少のいざこざがあったとしてもあまり騒がないでわかれる。
      
同棲したからといっても必ずしも双方が、相手を性的に独占したわけでも、できたわけでもなかった。
      
また別れるのも簡単で、離婚のなんのと騒ぐことではなかったから、古い記録を見ても三婚、四婚は珍しくない。
めんどうな記録でもそれほどたくさんあるのだから、記録にならない別れや出会いは更にたくさんあったのだ。
コドモが生まれたとしても、必ずしも現に同棲している男のタネとは断言できない。
しかし同棲している期間中に生まれたコドモは、その男の子として育てられる。
      
大正の初めには東播あたりのムラでも、膝にコドモをのせたオヤジが「この子の顔、俺に似とらんだろう」と笑わせるのもおった。
夜這いや雑魚寝、オコモリの自由なムラでは当たり前のことで、だからといって深刻に考えるバカはいない。
      
      
http://www.asyura2.com/10/idletalk39/msg/611.html

 

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