男の娘メイド


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エロい話ではない事を最初に明らかにしておく。高2の時に女装してメイドのバイトをした。大1の姉の先輩(女)が秋葉原のメイド喫茶の店長をしていた。調理スタッフの主力が家庭の事情で急遽退職してしまい営業の危機だという。その店は接客から厨房まで全員がメイド姿という設定なのでなかなか次が見つからない。その店長がうちに来た。白羽の矢が立った僕を品定めに来た訳だ。店側の条件は①調理経験豊富である事、②メイド衣装に抵抗が無い事、③ルックスが良い事。僕は喫茶レストランでバイトしていたし、文化祭等で時々女装していたし、何よりも女顔で細身で声が高めで女装したら誰も男子とは気付かない。姉曰く「骨格からして殆ど女子」だとの事だ。店長はOKし姉の説得に渋々従った僕はメイド姿でバイトする事になった。事前研修で衣装合わせをして、源氏名の「サクラ」を貰った。厨房からは出ずに接客もしないという約束で仕事がスタートした。最初は順調だった。しかし、ゴールデンウィークに入り店は大忙し。接客が間に合わず僕がカウンターに出てドリンクをお客様に出す回数が増えていった。その結果お客様の間で「キッチンのサクラちゃんという子が可愛い!」と評判になってしまった。店長から相談されお客様からご指名されたら接客する事になってしまった。そしてお客様人気投票でキッチンのサクラちゃんは1位になった。年に4回開催されるお客様感謝デーでは特賞が当たったお客様とアニソンをデュエットした。身長170cmの僕より低身長の社会人と二人で歌い記念撮影、彼は泣いて喜んでいた。約1年のバイトが終わって後任も見つかり、僕は店を去った。今、秋葉原では長身のメイドサクラちゃん、幻の美形メイドサクラちゃんを捜す人が複数いるらしく僕は誇らしい気分だ。

 

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