レストランKまで Ⅲ お指さんまで


前回:  レストランKまで Ⅱ レストランK

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 それからまた二月ほどして、彼女からまた電話があった。
「ところで、ご決心はついたのでしょうね」
「それが…・・・」
 言葉を濁している。
「レストランKまで、ではいけないかしら」
 おもしろい表現だった。
 二人の間では、それだけで十分意味は通じた。
「私はレストランKまででも結構ですよ。でも、彼が我慢できるか心配でね」
「彼にもお願いして。レストランKまでよ、って」
 彼女と落ち合ってシティホテルのレストランで遅い昼食をとった。
 部屋を取ったことを知らせると、小声で拒絶した。
「約束したでしょう。レストランKまでって。帰ります」
「約束は守りますよ。レストランKまででしょう」
 と前の時に膣の中に潜り込んだ中指を立てて見せた。
「アラ、いやなお指」
 その指を絡めて、指きりげんまんをして彼女も席を立った。
エレベーターの前までは親しげな態度は見せなかったが、ドアが閉まると腕を組んで躰を寄せてきた。
「ほんとに約束してくださるのね。男の方ってレストランKでは満足できないんでしょう」
「レストランKまでで満足させる方法を知っているくせに」
「バァッカー」
 ドアの鍵をかけると、私がよろけるほど激しく躰をぶつけて抱きついてきた。
「会いたかったの」
 ベッドに抱き合ったまま崩れた。
 熱い、こねるようなキスで唇を覆った。私を引き寄せるように激しくキスを続けているうちに熱がこもってきた。
 服が邪魔になった。起き上がって、コートとYシャツとスラックスをとり、彼女のヒールをとって、ベッドカバーを取り除いた。
「さあ、服が皺になるから取りましょう」
 横になったままで動かない彼女のコートを取り、ブラウスのボタンをはずそうとすると、
「だってレストランKまでっていうお約束でしょう」
「私は約束ですから守りますよ」
 本当かしら、と疑いの目で見ていたが、私がブリーフ一枚になったのを見て、あわてて起き上がり、主婦らしく私の脱ぎ捨てた服を手際よく片付けてくれた。
 壁の陰に隠れると、シュミーズだけになって戻ってきた。
「一緒にシャワーを浴びない?」
「私は家を出る前に使ってきたから」
 シャワーから戻ると、ベッドに横になっていた。
 ブリーフを脱いで裸になると、ちょっと驚いた様子だが、黙って自分の右側を空けてくれた。
 プラも付けたままでいたのをキスをしながら脱がせた。
 シュミーズの肩紐をはずしてバストにキスしながら、だんだん下半身に躰をずらし、シュミーズを引き下ろした。
 はじめは脱がされまいとして押さえていたが、キスがショーツに達したときには諦めて、最後は尻を持ち上げて自分でシュミーズをとった。
 だが、ショーツだけは押さえてどうしてもとらせなかった。
 裸の胸を合わせてキスを繰り返し、手をショーツの中に這わせた。
丹念に、だが、前に知っている指はクリトリスをむき出しにした。
 膣の中に指を迎え、子宮が届くところまで下り、太腿を大きく開いて腰がふるえている。
 ショーツが太腿の中程まで下がったのを期に、はずそうとしても、しっかりと押さえてはずさせない。
「片方だけ。全部とらないから」
 もう夢中になって呻き声をあげているのに、私がこう云ったとたんに、
「片方だけヨ」
 としっかりとした声でひざを曲げて脱ぎ、残った片方だけを片手でしっかりと握っている。
(これが最後の自分に対する言い訳か)
 と思いつつ、自由になった両足を大きく聞かせた。両手で陰唇を開き、クリトリスを舌で攻める。
 唾液と愛液が混ざって、指の動きにクチャクチャと淫靡な音をたてる。
「チョット、この音……」
 静かにさせて膣をこねまわして音を聞かせると、
「イヤ。ハズカシイ」
 とピローで顔を覆って、ピローの下からこもった声で、
「それ、お指だけなんでしょう」
 と聞かれて、自分のうかつさを悟った。
「ええ、勿論ですよ。約束は守るから安心して、イキなさい」
 彼女の両足を大きく開き、肩にかつぎ上げて指で膣内をかき回しながら腰を進めて近づけた。
 半立ちのペニスを掴んで指の代わりに陰部を撫でる。
 頭だけ膣に入れてみるが、なかなか固くならなかった。
「今度はお願いするよ」
 ピローの下から顔を上げ、目の前に半立ちの私のペニスがあるのを見ると、ベッドに座りなおした。
 髪を掻き上げ、両手で支えると素直にフェラを始めた。
 舌を絡めたり、亀頭の裏側を刺激したり、なかなか上手なフェラだ。
「オオゥ、いいよ」
「出すときは言って。いきなりだとむせるから」
「上手だね。でもまだ大丈夫だよ。こっちに出したら危ない日なの」
 片方の太腿にショーツを相変わらず残したままだ。私の目
の前に崩している彼女の膝を割って、陰部に手を差し込みながら聞いた。
「ううん、今日は安全日だと思うわ」
 それを聞いて、私の愛撫の手に力がこもった。
 彼女を夢中にさせて、
『入れて欲しい』と言わせれば、面倒な手続きはすべて解消である。
 シックスナインのスタイルでクリトリスを集中的に攻める 後ろの菊座を舌先でつつく。ビクンと躰全体で反応する。
 初めての経験らしく、二、三度、驚いたような仕草を見せたが、慣れると新しい刺激で呻き声が一段と大きくなった。
「ウゥーツ」
 もう訳が分からなくなって声を出している。
 すでに、口に入れていられなくなったペニスをしっかりと握りながら、腰は独りでに私の顔面に擦り付けるような動きをしていた。
「さあ、これを入れようね」
 夢中になっている彼女にペニスをしごかせながら聞くが、やはり首を振っている。
 完全に私の負けである。女性の感覚は計り知れないものがある。
躰は全くメスと野獣化しているのに、頭の中は理性ある良妻のつもりなのだから。
 二人とも長いこと狂っていたので、一休みをした。
 改めて、もう一度始める前に、まず、彼女のフェラでペニスを固くしてもらった。
 そして正常位に彼女を抱き込み、膝で股間を刺激しながら、上半身を攻めた。
 腰を私の腿に擦り付けるような動きになった。
「お指を入れるネ」
 わざわざ断ってから、三指をまとめて彼女の口に差し込んだ。
 乾いたペニスの頭を唾液で濡らすように指を舐め廻した。
 その指を下に回すと一気に膣の中に入れた。三回、四回と
ペニスを動かすように抽挿した。
 すぐに中まで濡れてきたのを確かめて、指をスッと抜き、ペニスを挿入した。
「ウッ、ウーツ」
 やはり指とは違って、途中で引っかかるようにして奥まで届いた。
 その時彼女は、女性が挿入されたときの反応を示した。
 私に強く抱きつき、骨盤を上向きにしてペニスをもう一つ深くくわえ込んだ。
恥骨と恥骨が擦れ合った。固くつぶっていた目を薄く開けて、私の顔をまじまじと見た。
「安心して。お指だよ」
 その一言でまた目を閉じて、眉間にしわをよせると快感だけを追い始めた。
 それからは全く普通のセックスだった。
「アーツ、イクワ、イク」
 私の腰に絡めた両膝を締め付けながらイッてしまった。
 恥骨を支点として受け腰の使い方は、ご主人との性生活を感じさせる。
どういう動きか、濡れた陰部が袋の部分を舐めるようにする。
ペトリとした感覚に、危うく私も引き込まれそうになった。
 これだけご主人と豊かなセックスをしていて、半年以上も放って置かれては、不倫をしたくなるのも仕方がないかもしれない。
彼女は本当に良妻なのかもしれない。
その原因は性的な欲求不満なのに、頭の中はプラトニックな恋をしたいのだと無理に考えている。
指によるペッティングだけなら夫を裏切ったことにならないと云うのも奇妙な論理だが、彼女としては筋が通っているのだろう。
 それから何度体位を変えてイカせたことか。
その度に『お指さんごっこ』しながら。
 女性上位になるときなど、
「腰をもう少し上げて。ホラネ、お指さんだろう」
 と、立てた指を抽挿するのをわざわざ覗かせてから、ペニスを掴んで挿入した。
そうすれば、彼女の素晴らしい腰使いを味わわせてくれた。
 最後は正常位に戻った。
「イクよ。中に出していいんだね」
 と確認し、腰を密着させると、領いてから猛烈なスピードで受け腰を使い、
「イッショよ。イクゥーツ」
 とイッてしまった。
 ティッシュを丸めて自分の股間に挟むと、正座して私を清めにかかった。
「ワルイお指さんなんだから。お約束を守らないなんて」
「今度の電話では『お指さんまで』って云うのですか。それともこれも『レストランK』までなの」
「意地悪言うと、つねるわよ」
 肌着を丸めて躰を隠すと、バスルームへ行ってしまった。
 豊かな尻に満足げな表情を漂わせて……。

 

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