レストランKまで Ⅱ レストランK


前回:  レストランKまで Ⅰ お食事

20文字数:4928

「子供の学校のことで相談にのって欲しい。この前のことは忘れて欲しい。真面目な話なので研究室を訪ねる」
 と連絡のあったのは、あれは白日夢だったのかと諦めかけた一カ月以上もたってからだった。
 訪ねてきた彼女の雰囲気の違いに驚いた。
 この前はスカートにカーディガンという、デパートへお買いものスタイルだったが、今日はスーツにヒールの靴で、中年のご婦人スタイルに変身していた。
 相談事と云っていたのに、三十分程話したが、たいした用件ではないようであった。
 ちょうどその時、午前中の終了のベルが鳴った。
「どうです。ちょうど昼食時ですから、また、食事にでも行きませんか?」
「あら、よろしいのですか?」
「ええ、どうせ今日はもう予定もありませんから」
 それまではちょっと緊張気味であった表情がなごやかになった。
 コートをひっかけると、インディケーターを一時外出にして部屋を出た。何人かの学生が、見知らぬご婦人と歩いている私に改まった会釈をした。
 郊外のレストランへ車を走らせた。
そこはログハウスの展示場をそのまま買い取って利用している。大きなメインキャ
ビンの外に、小さなキャビンもいくつか有り、小高い丘の上の見晴らしの良い場所にあった。
よく学生の個人的な相談にのったりする時にここを使い、小さなキャビンにティーとケ
ーキを運んでもらったりしていた。
 今日も主人に、
「キャビンで食事させてくれるかい」
 と訪ねると、早速案内してくれた。
「ちょっといいところでしょう」
 主人が窓を開け放ち、ベランダへのドアを開けるのを待って彼女を外へ誘った。
「じゃ、お食事が決まったらおっしゃってください」
「ここは魚がおいしいので、それでよろしいでしょう?」
 彼女がうなずくのを見て、主人に、
「いつものをたのみますよ。それと、グラスでワインを」
 ベランダから遠くの町並みを説明していると、彼女が物思いにふけったような表情に変わっていった。
「どうかしましたか?」
 彼女は、ううん、と首を振りながら、
「ちょっとロマンチックな気持ちになってしまいましたの」
 と言った。この前、
「不倫って、こんな気持ちなのかしら」
 と言った彼女と、
「この歳で恋だの愛だのが絡んだ不倫は関わりたくないが、躰だけの不倫なら付き合いますよ。そんな気持ちになったら電話ください」
 と別れていた。
 そんな後だから、今日は口に出さないまでも不倫願望の気持ちで来ているはずだと、勝手に解釈した。
 県北の山並みを指さしながら説明しつつ、軽く背に手を当てて引き寄せると、素直に身を寄せてきた。
 髪の香りが男の気持ちをそそる。
 指を軽く顎の下に当てて上向かせると、一瞬驚いたような目で見つめていたが、静かに目を閉じた。
 唇を寄せて軽くキスをした。
 唇を閉じたままだが、逃げなかった。
「部屋に入りましょう」
 彼女はうなずくと、私に抱き寄せられたままついてきた。
 後ろ手に扉を閉めると壁際へ彼女を誘った。
 もう一度強く抱きなおして唇を押しっけた。
 それまで抱かれるままになっていた彼女が、急に手で私の
胸を押し少し抗った。
「おやめになって。今日はそんなつもりではないの」
 彼女は小さな声で拒絶したが、その手を少し強く握り、動きを止めて再び唇を合わせた。二、三度唇を避けたが、すぐ素直になった。
 唇を割って舌を入れると、おそるおそる舌を絡ませてきた。
 ねっとりとした舌の絡まりに、だんだん激しく応えてきた。
 手をバストに這わすと、そこには若い女性の張りは無くても量感にあふれた乳房があった。
 掌で静かに揉み、指で乳首を愛撫すると、大きな乳首が堅くなった。私の腕を押さえていた手に力がこもって、バストに這う私の手をそっとはずした。
「ダメ、私おかしくなっちゃうわ」
 上目遣いに私を見つめている彼女を、もう一度強く抱きしめ直した。
 彼女の手を、もうとっくに勃起したそこに導いて耳元で囁いた。
「おかしくなっちゃいないさい。ネェ、強く握って」
 唇を再び合わせながら押しっけていた腰を少し離した。
 スラックスの上からだが、そこを確かめるように撫でる手の動きは、人妻のそれであった。
 私の手が体の線に沿って太腿までおり、内股の方に延びると、その手を押さえて、彼女は体を離してしまった。
「いけない方。もうお食事が来るんじゃありませんか」
 といいつつ、自分の服装を整えるとハンカチを取り出し、私の唇についた紅を拭いてくれた。
 ノックの音とともに食事が運ばれてきた。
 ここの主人の自慢の料理の説明に女性らしい反応を見せて、感心していた。
 主人がメインキャビンと何度も往復しながらの給仕で、おいしい食事が済んだ。
 コーヒーを置くと主人は、
「ゆっくりしていってください。今日は多分、もう客もディナーまでありませんから」
 と出ていった。
「また、ベランダに出てよろしいですか。あんまり眺めが素晴らしいんですもの」
 遠くの景色に目をはしらせる彼女の後ろから胴に腕を回して抱き寄せた。
 厚く肉感的なヒップが、疼いている股間を圧迫した。
私も腰を突き出してヒップに擦りつけた。
 片手で尻の割れ目を、後ろから撫で下ろした。薄いスカート地を通して彼女の体が熱くなるのが分かった。 ブラをずらして汗ばんだバストに直接触れた。乳首はすぐに硬直し、指先で跳ね返っていた。
 息を荒くしながらも、それでも彼女はスーツの前を両手でしっかりと押さえていた。
 着衣の下で起こっていることには全く関知しないといった
素振りで遠方のビルを話題にしてしゃべり続けている。
 耳たぶをあま噛みしながら、
「そろそろ行きましょう。今日はそのつもりでいらっしゃったのでしょう」
 と誘ったが、かぶりを振って、
「今日は許して。まだ主人を裏切る決心がつかなかったの」
 固い決意を表すように、はっきりとした言葉を口にした。
 部屋へまた戻った。
 今度は私の体に腕を回すと、自分から唇を求めて顔を上げてきた。積極的になると、キスの上手な女性で、ご主人の仕込みのうまいのが判った。
 片方の乳房をはみ出させたまま、スカートの前を思いっきりまくりあげ、パンストとショーツの下に一気に手を差し入れた。ふっくらと盛り上がった恥丘の薄い恥毛に触れ、指が下の唇を分けた。
 彼女のそこは、彼女の意志とは全く別に溢れていた。
 私に強く抱かれて、頭を私の胸に押しっけて、指が動きやすいようにだんだんヒールを浮かして片足を上げてくれた。
(若い頃にガールフレンドと公園でこんなことをしたなぁ)
 などと思い出しながら、成熟した女のぬるぬるした愛液の潤いを味わった。
指先の動きがそのまま彼女の表情に表れた。
 微妙なところに触れると、ピクンと躰が震える。
そこに集中すると膝が崩れそうになる。
「さあ、別な所へいこう」
「いや。今日はダメ」
「こんなになっているんだよ」
 指先でクリトリスをはじき、膣内をかき廻しながら囁くと、右手の握り拳で口を押さえ声を殺して腰をガクガクさせている。
指を中に入れたまま動きを止めると、浮かした足を私に絡めて腰を擦りつけるように自分から動かしている。
(躰がこれだけ欲しがっているんだから、このまま挿入してしまえば簡単に落ちるな)
 などと考えながら続けていると、
「アーツ、ダメッ」
 と、小さく坤いて股を固く閉じてしまった。
 二人とも不安定な姿勢でいたのでよろけた。
 それをしおに手を陰部から引き抜き、
「はら、見てごらん」
 と言いつつ、その濡れた指をベロリと舐めて見せた。
「あら、汚い」
 と自分の服の乱れも直さずハンカチで指をごしごし拭き取った。
 それから、彼女はあわてて後ろ向きになって服を直した。
 キャビンを出る前に、広げた腕の中に飛び込んできた彼女を抱きしめ、静かに唇を合わせた。
 唇を離すと、彼女が私を見上げながら手をスラックスの前にまわし、まだ固いままのペニスを撫でながら、
「あなたは大丈夫なの?」
 微笑みながら首を横に振ると、彼女はジッパーを下ろしてペニスを掴みだした。
 私を椅子にかけさせると、膝の間にしゃがみ、怒張したそれを両手で自分の顔の前に支えて、
「してあげる」
 と口一杯に唾えて、指でそれの腹をしごさながら、裏側を
舌で刺激しはじめた。
「さあ、別なところへ行きましょう」
 と催促したが、首を横に振りながら、
「出して」
 短く言うとまた続けていた。
 陰嚢を片手で操みながら鈴口を舌先でつつかれ、舌で包み込むように裏側を撫でられると、張り裂けんばかりに勃起した。
 彼女の髪を撫で、襟首を撫でていると、今にもイキそうになるが、出そうもない。
 自分ですることにしてハンカチを出して膝に置いた。
「出すとき言って。飲んであげる」
 彼女の乳房をスーツの襟から逆手に握らせてもらって、彼女の顔の寸前で自分で感覚を追いはじめた。
 太腿を掴んでくれている彼女の手に力が入り、妙に熱く感じられ、
「いくよ」
 と知らせると、激しく動かしている指ごと口に再びくわえた。
 舌の熱さを感じつつ迸った。
 ペニスが小さくなるまでチュウチュウと舌で搾り取るように舐めていた。彼女の頬を両手で押さえて、
「ありがとう。もういいよ」
 と伝えると、ハンドバックからガーゼのハンカチを出して、小さくなったそれを包帯をしたように包んでブリーフの中にしまってくれた。
初めての経験だったので、
「いつもご主人のをこうするの?」
「あら、奥様しないの。いつも主人が下着とパジャマを汚してしまうのよ。あら、いやだ。変なことしゃべらせて」
 思わず主婦の顔が覗いてしまい、おかしかった。
 メインキャビンで支払いを済ます間に、トイレにかけ込んで、長い時間出てこなかった。
「学生さんのご父兄ですか」
 主人がいつもの笑顔でたずねてきた。
「不倫の相手ですよ。どこか近くにいいホテルはないかい」
「またまた、先生はご冗談を」
 彼女がようやく出てきて二人の話を訝しがった。
「どうもごちそうさまでした。とてもおいしかったわ。それに景色も素晴らしいですね」
「マスターが二人の関係に興味を持っているよ。ちゃんと不倫の関係だって、貴女からも説明してあげて」
「ええっ、そんなことありません。今日、子供のことで先生に相談にのって頂いたのですわ」
「はら、ご覧なさい。先生に不倫なんてできるはずも無いじゃありませんか」
 主人の大笑いの声に送られて、車を出した。
 相当、拒絶の姿勢は強いとは思ったが、知らぬ振りしてホテルのガレージに入れた。
「少し休んでいきましょう」
 車を先に降りて、ドアの所で待ったが、やはりついて来なかった。
「どうしても今日はダメなんです」
 車の中でシートベルトをしたまま頭を下げていた。無理は禁物と再び車を走らせてバスの始発駅に向かうこととした。
「今日は決心していらっしゃったのではなかったの?」
「ええ、そのつもりでしたのよ。でも、やっぱり私ってダメね。いざとなったらやっぱり主人を裏切れないもの」
「貴女は理知的な人ですね。貴女のおっしゃることの方が正しくて、私の言うことが間違ってはいるのですが、でも、あんまり真剣に考えて不倫の相手を勤めるのも恐いなぁ。この歳になって愁嘆場はゴメンですよ」
「貴方のおっしゃることは分かりますわ。もっと素直にならなければいけないのね」
「そうですよ。ご主人を裏切るとか何とかおっしゃるけれど、この指が知っていることはどう説明するのですか」
 と、さっき彼女の膣の中を探索した人差し指を立てて見せた。
「ヒドイ。あんまりいじめないで」
 私の膝を打つまねをした彼女の手を取って、もう平常になってしまってはいたがズボンの股間に押しっけた。
「あれだけ濡れていたのに入れさせてくれないなんて、ひどいね。おまえ、あれで我慢できるかい」
「もういじめないで。我慢してネ」

 

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