「たか君、これって、3丁目の時計台の事かな?」
妻の香澄が、謎解きの問題文を読みながら真剣な顔で聞いてきた。今日は、テーマパークで謎解きイベントをしている。僕も妻も謎解きとか脱出ゲーム的なイベントが好きで、このテーマパークにも良く来る。
明治時代の建物が保管されているこのテーマパークは、ほぼ通年で謎解きイベントを開催していて、香澄とのデートで結構頻繁に訪れる。
香澄は、直感力が強いタイプだ。そして僕は、読解力が強いタイプなので、良いコンビだと思っている。そして、香澄の直感に従って時計台に移動すると、まさに正解だった。この正解に至るには、あと2つほど小問題を解かなければいけないはずだが、香澄はすっ飛ばして正解に到達した。
謎解きの楽しみ方としてはどうなの? と思う気持ちもあるが、相変わらず冴えているなと感心する。そして、楽しく謎解きを続けた。香澄は、無邪気に楽しそうに謎解きを続けている。香澄とは、大学の時に知り合った。謎解きがメインではないが、色々なイベントを楽しむサークルで知り合った。
香澄は、150センチそこそこの身長で小柄だ。顔も、童顔なので26歳になったいまも、学生に間違われる事が多い。パッチリした二重まぶたと、小柄なわりに大きな胸、僕にとっては最高の女性だ。
「これって、どういう意味? あれ? 以下って、それも含むんだっけ?」
香澄は、新しく入手した追加問題を読み、はてなという顔になっている。相変わらず読解力が低いが、そんなところも可愛いと思ってしまう。僕が問題を読み解き、二人で考える。楽しい時間だ。僕は、ついつい香澄の事を見てしまう。今日の彼女は、謎解きガチの時の格好だ。スカートではなくパンツスタイルだし、上もアウトドアのブランドの暖かいジャンパーだ。
いつもは、ミニスカートで可愛らしいブラウスやキャミソール姿が多い。でも、屋外の謎解きの時はこんな格好をする。
「私の苦手なヤツだ……たか君、頑張って!」
香澄は、早々に諦めて僕に振ってきた。漢字の色々な読み方を考えながら、細切れになった文章を結びつけるタイプの謎解きだ。これは得意なので、5分程度で正解にたどり着いた。
「すごいね。たか君、カッコいい」
香澄は、無邪気に褒めてくれる。でも、香澄に褒められると、本当に嬉しい気持ちになる。謎解きは楽しいが、ただテーマパークを歩いているだけでも楽しい。色々な食べ歩きも楽しいし、本当に幸せな時間だ。
そして、比較的時間的な余裕を持って最終問題を解けた。
「お疲れ様。楽しかったね! お腹空いちゃった。カレーパン食べよ」
香澄は、無邪気に笑っている。二人でカレーパンを食べながら、正面入り口を目指して歩き続けると、スッと手を繋いできた。謎解きの時は集中しているのでそんな雰囲気にはならないが、終わるといつもこんな感じで甘えてきてくれる。
「たか君、かっこよかったよ」
少しはにかんだように言う彼女。僕も、香澄の直感力を褒める。
「フフ、ありがとう。また来ようね」
共通の趣味があるというのは、本当に良いものだと思う。そして、バスに乗って移動する。閉園時間前に出たので、バスもしている。一緒に座って今日の謎解きの話をした。ターミナル駅に着き、電車で移動を始める。そして、名古屋駅に着くと、夕ご飯を食べてから帰ろうと言う事になった。
「台湾ラーメン食べたい!」
香澄は、元々名古屋の人間ではない。関東の地方都市出身だ。名古屋名物と言われるグルメが好きで、台湾ラーメンも大好きだ。台湾にはない台湾ラーメン……でも、僕も好きだ。辛いのは苦手なので、辛さを抑えたやつしか食べないが、それでもまだ辛いと感じる。
まだピーク前で、店も空いていた。食事を始めると、
「台湾の人って、すごいね。こんな辛いの食べるんだよね?」
と、辛さに汗をかきながら言う彼女。台湾ラーメンは台湾にないし、台湾にここまで辛い料理は少ないと伝えると、
「そうなんだ! たか君、なんでも知ってるね。カッコいいよ」
香澄は、本当にうっとりしたような顔になっている。僕なんて、ルックス的にはごくごく平凡な男で、カッコいいとは縁遠い。それでも香澄はカッコいいと言ってくれるので、本当に嬉しい。
食事が終わると、香澄は腕を絡ませるようにして密着してくる。大きな胸が腕に当たり、ドキドキだ。結婚してもう2年経つが、いまだにドキドキしてしまう。
「ねぇ、寄り道しない?」
香澄は、恥ずかしそうに誘ってきた。不思議と、謎解きイベントの後、香澄はこんな風に発情したようになる。今日もそうなるかな? と思っていたが、思っていた通りそうなった。そして、駅西の方のホテルに向かう。
香澄は、部屋に入るとすぐに抱きついてキスをしてきた。やっぱり、かなり興奮している。いつもは恥ずかしがりで受け身に回る事が多いのに、積極的に舌を絡ませてくる。
もつれ合うようにキスをしながらベッドに転がり込むと、香澄は恥ずかしそうに服を脱がせてきた。そのままむしゃぶりつくように乳首を舐めてくれる。これも、普段のセックスではない事だ。
いつもは、僕の方が香澄を脱がせて責める感じになる。でも、いまは香澄に身を任せる。興奮した息遣いで乳首を舐めながら、すでにガチガチになった僕のものをしごいてくれる。
「固い……カチカチだよ」
嬉しそうな香澄。そして、恥ずかしそうにフェラチオも始めてくれる。いきなりくわえる事もなく、舌でカリ首を舐め回す。相変わらず、ぎこちない感じだ。それでも一気に快感が増していき、軽く射精感も湧いてきた。
僕は、香澄を脱がせていく。恥ずかしそうに脱がされる彼女。羞恥心が強いので、顔も赤くなっている。下着姿になると、本当に可愛らしい。ガチの防寒着という感じから、可愛らしい女の子になった。
ブラジャーを外すと、小柄な身体のわりに大きな胸があらわになる。すでに乳首は勃起しているのがわかる。舌を這わせると、
「うっ、んっ、あっ、気持ちいい。たか君、大好き」
はにかみながら声を漏らす彼女。ますます顔は赤くなっていて、本当に恥ずかしがっているのが伝わってくる。でも、恥ずかしがりながらも脚を拡げていて、我慢できなくなっているみたいだ。
「たか君……もう……」
恥ずかしがりながらおねだりする彼女。僕は、すぐにコンドームをつけて挿入した。
「あぁ、固い……たか君、気持ちいいよ」
幸せそうにあえぐ彼女。僕は、すぐにキスをしながら腰を振った。絡みついてくる舌、僕の身体に巻き付いてくる腕、多幸感が湧き上がる。
「たか君、愛してる。気持ちいいよ、好き、大好きっ」
あえぎ声混じりに愛の言葉をささやく彼女。僕も、何度も愛してると言いながら腰を振り続けた。小柄な香澄は、膣もキツい。まるで、手で握られているような感覚だ。そして、いつも通り、早くも限界が来てしまう。慌てて動きをセーブすると、
「ダメ……イジワルしないで」
と、恥ずかしそうに言う彼女。でも、いったん射精感を逃がさないと、あっけなく射精してしまう。腰の動きを止めながら、キスをしたり乳首を舐めると、切なげにあえぐ彼女……でも、堪えきれなくなったように腰を動かしてきた。こすりつけるように腰を動かす彼女……正常位の下側なので、すごく動かしづらそうだ。それでもじれたように腰を動かす香澄は、とても卑猥に見える。
香澄は、恥ずかしがりだがエッチは好きだ。身体も、敏感だと思う。僕は、香澄の卑猥な腰の動きにあらがえず、もう限界だ。そして、射精感を逃がすのを諦め、スパートをかけた。
「あっ、アンッ、アンッ、気持ちいいっ、うぅっ、イ、イッちゃうっ、たか君もっ! 一緒にイキたいっ!」
香澄は、泣いているような顔で叫ぶ。僕は、キスをしながら思いきり腰を振った。ギュッとしがみつくようになってくる彼女。そして、僕も夢中で舌を絡ませながら腰を振り続けた。
腰を押し込みながら射精を始めると、香澄は身体を硬直させる。腰のあたりが微妙に震えていて、オルガズムに達したんだなとわかる。幸せな時間だ。ひとつになった感覚がある。
「愛してる……たか君、気持ち良かったよ……」
うっとりとした顔の香澄。発情した牝のような顔だ。まだ足りないという表情だが、僕の方が無理だ。射精してしまうと、簡単には回復できない。香澄は、甘えたように身体を密着させてくるなどもキスをしながら、甘い時間を過ごした……。
香澄とのデートは、本当に楽しい。このまま、幸せに過ごしていけるんだろうなと思う。そんなある日、昼に友人の真也と食事をした。高校の頃からの友人で、香澄との出会いのきっかけを作ってくれた恩人だ。
香澄とは、同じサークルには所属していたが、人数も多いサークルだったので接点はほぼなかった。偶然、真也は香澄と知り合いだった。真也はサークルには入っていなかったが、よく一緒に昼を食べていた。そんな中、香澄と知り合いだと知り、3人で昼を食べる事が増えた。そして、いまでは香澄は僕の妻だ。
香澄と真也は、中学が一緒だったそうだ。そんな偶然のおかげで、香澄と仲良くなれて結婚まで出来た。真也には、感謝しても仕切れないと思っている。
「まだ子供作らないの? もう、2年だろ?」
デリケートな話題でも、真也は気にせずに聞いてくる。僕は、もう少し二人の生活を楽しみたいと伝えた。
「そうだよな、ホント、仲いいよな。オマエ達ってさ。羨ましいよ」
そんなことを言う彼は、まだ結婚していない。いまは、恋人もいないそうだ。気ままに独身を楽しんでいるような感じに見えるが、彼なりに多少の焦りはあるのだろうか? でも、まだ26歳なので、焦る時間ではないような気もする。恋人もいなくて、セックスはしてないの? と聞くと、
「いや、してるよ。コンパとか良く行くし」
と、涼しい顔で言う彼。楽しそうに暮らしているなと感じる。でも、コンパ自体は羨ましいとは思わない。僕は、数回しか経験がないが、向いていないと感じている。
「そんな事ないって、楽しいよ。一生のうちに出会える人数なんてたかが知れてるんだから、チャンスは増やさないと」
そんなことを言う彼。でも、コンパで知り合った子と交際まではしないだろ? と聞くと、
「まぁ、それはそうかも。コンパ来る子なんて、尻軽ばっかりだしな。あっ、香澄ちゃんみたいな子もたまには来るか」
と、言った。そして、慌てて、
「まぁ、香澄ちゃんみたいな子はそもそも来ないしな」
と、補足する彼。明らかに動揺していて、不審な態度だ。香澄って、コンパに行ったりしてたの? と聞くと、
「い、いや、そ、そういう意味じゃなくて」
と、メチャクチャ慌てている。香澄と彼は中学の時の同級生だから、そもそもコンパなんてしていないと思う。慌てる彼を、不思議な気持ちで見ていると、やっぱり動揺が激しい。しつこく聞くと、
「うん……たまにしてた。大学入って香澄ちゃんと再会してしゃべるようになって、コンパも何回かしたよ。お互いに声かけて」
と、答える彼。まさかの話に慌ててしまう。
「いや、あれだぞ、オマエと交際する前の話だから」
そんな説明をした。僕は、思わず聞いてしまった。香澄は、お持ち帰りされていたのかどうかと……。