妻の不倫

妻が不倫しているのに気が付いたのは，ほんのちょっとしたきっかけだった
ある日，妻が「ママ友と出かける」と言って，夕方から出かけて，深夜に帰宅した。だが，妻が一緒に行くと言っていたママ友は，その日私とホテルで一緒だった。この時点で，妻が不倫していることは確定だったが，こちらもそれを追求できる立場ではなかったので，知らん顔をして過ごしていた。
一週間ほどして，妻がまた「明日ママ友と食事に行く」といった。私は，素直に「楽しんでおいで」と答えながら，相手を突き止めてやろうと画策していた。
前日に妻から待ち合わせ場所やどこへ行くのかを聞き出していたので，当日，妻が言う待ち合わせ時間の1時間前から待機して，遠目に見ていたら，待ち合わせ時間の３０分前くらいに妻が現れた。普段，見たこともないミニのワンピースを着て，髪型もふんわりとウェーブをかけた，かわいい感じに見えた。
妻は少しそわそわした感じで待ち合わせ場所の銅像前にたたずんでいたが，声をかけてくるチャラい男が3人もいたのには正直驚いた。確かに見た目はかわいい感じではあるが，すでに40を過ぎたぽっちゃり体系の明らかなおばさんだったからだ。
事前に聞いていた待ち合わせ時間を10分ほど過ぎたころ，一人の男が妻に近づいてきた。妻は男を見つけると，はしゃいだ感じで近寄り，腕を絡めて親しげに話しだした。私の場所からは男の顔は見えなかったが，身長が高く，やせ形で足が長い，今どきの若者という印象があった。
男と妻は腕を組んだまま繁華街へと歩き出した。親しげに会話をしながら，男は時折妻の腰に手を回し，尻をなでつけるようなしぐさを見せ，そのたびに妻は，その手を払いのけるような仕種をしながら，辺りをうかがうようにきょろきょろとしていた。
10分も歩いたころ，男と妻は繁華街を抜け，ホテル街へと進んでいた。時折，キスでもしそうなほど顔を近づけながら，左右のネオンをうかがう様子を見せていたが，やがて，一軒のホテルに腕を組んだまま入っていった。その時妻は，男の腕に顔をうずめるようにして，周りの視線を気にする様子が見えた。
さすがに着いていくわけにはいかないので，そのホテルの入り口が見える喫茶店を見つけ，，コーヒーを飲みながら出てくるのを待った。
たっぷり3時間後に二人が出てきたが，その時初めて男の顔を見ることが来た。その瞬間，私は頭をハンマー＾で殴られたような衝撃を受けた。その男は，大学に入学したばかりの長男だった。確かに，最初に見かけたときから何となく知り合いのような気がしていたが，まさか家族だとは思わなかったので，さすがに気持ちの整理をつけることができなかった。
二人が，ホテルを出て駅に向かうまでの間，ほとんど恋人同士のように密着して，人目も気にしないようにキスをする様子を見ながら，悶々として二人が改札を通るのを見送った。
その日は，最寄り駅の居酒屋でやけ酒気味に酒を飲み，家に帰ったときは，いつもより泥酔していたことを覚えている。それは，日中見たことを忘れようとする気持ちがあったのかもしれない。
次の週，通販でリモートカメラを購入し，妻や長男にわからないように家中（といっても4か所）に仕掛けた。さらに1週間後，カメラの画像を確認したところ，妻と長男が家中でイチャイチャしている様子が録画されていた。しかし，リビングやキッチン，バスルームでは，抱き合ったり，濃厚なキスをしたりしていたが，エッチをするのは必ず長男の部屋だった。誰に気兼ねをすることもないはずなのに，どういうわけか，そのほかの場所でエッチをすることはなかった。
この録画データは，カメラを仕掛けた当初から，ほぼ20年ほど残してあるが，1週間ほど前，妻が突然他界したのでそれが最後になった。
最後の映像には，全裸で抱き合う妻と長男が激しく体をぶつけ合う様子が映っていた（音声は記録されていない）長男が体をのけぞらせた瞬間，妻が長男にしがみつき体を硬直させたと思うと，急に脱力して動かなくなる様子が映っていた。長男が妻の異変に気付いて体をゆすったり，頬を叩いたりしたのち，裸のまま電話をしている様子が記録されていた。