スケベな想像をしていたわけでは断じてない。 ただ、栞さんのそう遠くはない未来に思いをはせていただけだ。 だが、それでも、彼女に真っ直ぐ見つめられると 僕は居たたまれなくなって、すぐに下を向いてしまった。 下を向いた視線のその先に、、、長テーブルの古びた汚れが目についた。 年季の入ったこのテーブル、ちょうど、人が1人、横になるのに良い大きさなのではないか、 ふと、そんな思いが頭に浮かんだ。 こ...
僕には長い間ずっと憧れ続けている人が居た。 18の時、初めて彼女を見たときの衝撃は今でも忘れられない。 僕は群馬の片田舎で生まれ育ち、県内ではそこそこ名の通った桐生高校へ進学した。 しかし、やってもいないカンニングの疑いを掛けらたことが発端で 教師と揉めて高校を中退してしまった。 それからは絵に描いた様な転落人生だった。 彼女と出会った18の頃は、 ちょうど東京の田町駅近くにある金融屋で働き...
ワニマガジン社
GOT
文苑堂
序章 私と夫との出会いは、運命的なものでもロマンチックなものでもなく ごくありふれたお見合いのようなものだった。 高校を卒業後、私はテ●●スタッフという派遣会社に登録し 秘書検定にチャレンジしたり、様々な研修なども積極的に受講して ある企業の総合受付スタッフとして勤務していた。 受付、、会社の顔とも言うべきこの仕事に私は誇りと責任を持って取り組んでいた。 そんなある日、昼食休憩から戻ってきた...
どうしてこうなってしまったのか? 私は子供の頃から異常にプライドが高くて、例え相手が教師であっても 他人に屈することが我慢できなかった。 そのような面倒な性格になったのは、恐らく幼少時の環境に原因があると思われる。 物心ついた時には既に父が居なくて、私は母の女手ひとつで育てられた。 余裕のない暮らしではあったが、綺麗で優しい母のことが大好きだったため 母との二人暮らしは決して悪いものではなか...
昨年1月にリストラされて転職活動をしてきたが 箸にも棒にもかからず 経験してきたOA機器のルートセールスはどうにも潰しがきかない 他業種の営業にもチャレンジしてみたがやはり畑違いとのことで ”お祈り”されるだけ 家族は妻と4歳の娘の三人暮らし 妻には失業してることも転職活動してることも内緒だった 今夜は妻の得意料理「ロールキャベツのボルシチ」が夕食 家族みんなで箸をつつきながらいつもの団らん...
蝉時雨の中、君が撒いた打ち水。 「あっ!ごめんなさい…」 思いかけない君との出会い そして恋に落ちた。 青い空が眩しく、白い雲が流れてた。 薫風の中、君と歩き、涼風の中、君を抱いた。 開け放たれた窓々はまるで夏座敷、明かりを落とし君を愛撫した。 君の肌が色めき立つのが暗闇にも分かった。 君の茂みは湿り気を絶やさず、花弁を割れば蜜が溢れた。 花芯を撫でれば、君の吐息が艶かしかった...
俺は東海地方にある某国立大学を卒業後、自動車業界に就職した。 いわゆる自動車本体を作る完成品メーカーだ。 一括りに自動車業界と言っても、完成品メーカー、完成品メーカーから資本金が投入されている直接の子会社、 そして、それ以外のいわゆる完全下請けの会社が存在する。 もちろんピラミッドのトップに君臨するのは完成品メーカーで、最下層に位置付けされるのは資本提携のない完全下請けの会社になる。 そんな...
社員食堂の喧騒の中、同僚たちが僕の携帯を覗き込んでいた。 ウェディングドレス姿の妻の写真を皆が食い入るように見る様は 普段、あまり目立つことのない僕にとっては、何とも言えない優越感が半端なかった。 しかし、それが今では・・・・ 「完堕ちしたよ」 そう聞かされたのは、それから僅か1ヶ月後だった。 かつて社員食堂で見せた妻の画像はウェディングドレス姿で きりっとした涼しげな美貌に優しい表情を浮か...
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