(Ⅰより 承前)風呂場に近寄って行くと 何だかその男の挙動が変です。いつもは昼間 堂々と女のことを語って飽きないその男が、チロチロ風呂場の入り口を気にして 落ち着きません。こちらも正直云って 彼の裸体が見たくてそこへ行ったのですが、彼には声を掛けて事務所へ戻るつもりでした。好奇心と視覚的バイ・セクシュアルに満ちた私ですから 取り敢えずそっと風呂場の窓に近付きます。もちろん彼が気が付いたら声を掛けるつもりです。彼はこちらには気付かず 盛んに風呂場の入り口の方を気にしながら身体を洗い始めます。
彼はタオルを泡立て あの見惚れるような胸板から両腕を、キュッキュッと 洗って行きます。タオルを伸ばして背中を洗い 両腿から足先まで洗った彼は、当然に順序で左手でペニスと睾丸を掴み 右手で会陰部をグイグイ洗います。そのときまた彼は入り口の方をチラと見 誰も来ないとみるや自分の陰部を覗き込みながらマスを掻き始めました。左手のペニスと睾丸を離し 右手のタオルで前の陰毛で充分に泡立てた泡をペニスになすり付け、普段の豪快さに似合わず 右手の指先でチョコチョコとペニスを刺激しています。アレ …勃ち始めたペニスは 包茎みたいです。全身の筋肉美と包茎と そのチョコチョコしたマスの掻きぶりは、いかにもミスマッチな眺めで 却って刺激的です。
彼のマスなら 豪快にペニスをシゴクと思いのほか、やたらに入り口を気にしながら 相変わらず チョコチョコとやっています。ペニスは包茎ながら屹立して 膨張率としては立派なモノです。しかし 疑問も起きます。あんなに普段多くの女を征服したと云いながら この包茎で女性を満足させられるのだろうか?と云うことです。私は当時まだ未経験で 耳年増の知識だけですが、包茎ではグランス(亀頭)がヴァギナの奥に当たらず 女性に快感を与えられないと聞いていました。彼は恐らく 「ペニスを 女性器に突っ込んだ」と思うだけで昂奮し、独りよがりで自爆するだけじゃないのか と思ったのです。
そのとき彼の手先の動きが 一段と速くなり、彼は眼をつむり 上を向いて半分口を開けています。そのとき 悪戯心を起こした私は、彼の眼の前の窓ガラスを 指先でトントンと叩いてやりました。始めは気が付かなかった彼も 何回か叩くうちに気が付き、「アッ…」と云って立ち上がりましたが その彼は思わず射精していました。それを見ると私もオカシナ気持ちになり ペニスが勃ち掛けます。彼のペニスは屹立して反り 白い精液をダクダク出しながら脈打ってピクンピクンしています。ただミットモナイのは包茎で グランスが頬被り情態ですから精液がピュッとは飛ばず、半剥けの皮の縁から 滴り落ちているだけです。
あんまり苛めても可哀相なので 「じゃ」と片手を上げて合図し、私は先に事務所へ帰りました。暫くして帰って来た彼は 照れくさそうでしたが何も云わず、こちらもそれには触れずで その日は済ませました。可笑しかったのはその日以降の 彼の昼間の女自慢がピッタリ止んだことです。やはり流石に 応えたのでしょう。まあ聞き苦しい女自慢が納まったのは 良いことでした。その後暫らくして また彼の当直と私の勤務が一緒になったとき 彼は包茎を手術したことを告白しました。あんまり冷たくあしらっても如何なものかと 「やっぱり 具合良いィ?」と聞いてみたら早速始まって、グランスの当たりが良くなったこと 女がよく泣くようになったことと大威張りでした。
どうやら彼にとってショックだったのは 「射精を 見られたこと」で無く、「包茎を 見られたこと」だったようです。どちらにしても 私には良い「オカズ」で、家で催したとき 暫らくはあの素晴らしい肉体とチグハグなSex行動を思い浮かべると奇妙な刺激があって、そそり立って頬被りしたペニスの先から白い精液が滴り落ちるイメージで 何回もイカさせて貰ったものでした。工場ではこんな風呂場でのマスを 何回か目撃しました。近所に赤線はあっても 月に1回行ければ良い方で、多くのチョンガー(独身者)はそうやって紛らせていたのでしょう。(終わり)(ブログ「茫々録・走馬灯」より)