15少年漂流記....残虐な食人種との死闘...④


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救出の戦闘隊の少年たちに緊張が走ります。
やがて小屋からアンリ少年とマリン少年が後ろ手に縛られ引き立てられて来たのです。
「大変だ、2人とも殺されてしまう」
「よし、何としても助け出そう、作戦はこうしよう」
少年たちは作戦を確認し、こっそりと所定の位置に移動します。
広場では生け捕りのもう1人の少年の料理が始まっています。
素っ裸にされ、両手を上に縛られて吊し上げられ、大きな鍋の真上に移動された他部族の少年は身体中で暴れ、抵抗しますが、ゆっくりと鍋の中に入れられてしまいます。
まだ中のスープは熱くなく、首までどろどろのスープに浸けられた少年はしばらくするとゆっくり引き上げられ、また降ろされます。
両足をバタバタさせ抵抗しますが再び鍋の中に浸けられてしまいます。
アンリ少年とマリン少年は鍋の前の杭に繋がれ、他部族の少年が茹で殺されるのを見せつけられています。
何度も鍋に全身を浸けられた少年は身体が赤くなり、抵抗も弱まりました。
すると縛られた手まで鍋に入れ、かなりの時間煮えたスープに浸けていきます。
ワーワーとあがる歓声の中にゆっくりスープから引き上げられた少年は息耐えて茹でられた肉のかたまりになりました。
数人のたくましい男たちが長い山刀で少年を吊し切りします。
その時、広場に緊張が走ります。
かなり離れた部落のはずれの生け捕りの捕虜たちを閉じ込めた檻から出火し、生け捕りの他部族の少年少女たちが逃げ出したのです。
食人種にとっては食料が無くなる一大事です。
部族全員が叫び、走り出し、広場には誰も居なくなりました。
「今だ、すぐに助けよう」
救出隊は大急ぎで広場に駆け込み、縛られたアンリ少年とマリン少年を助けだしました。
途中捕虜の檻を放火した2人の隊員とも合流し、全員無事にみんなの待つ洞窟に帰り付きました。
「緊急に戦闘準備」
「やつら必ず襲ってくる」
「洞窟周辺にワナを仕掛け、遮蔽物は取り払い、入り口近くには落とし穴を掘るんだ」
15少年は手分けして戦闘準備を進めます。
水や食料も運び込み、籠城戦を覚悟します。 
しかし、事態は思いもよらない展開になるのです。

 

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