「除去牛って」
先生の部屋に入るなりすぐに目に付いたパソコンの画面。
何気にクリックしていくと、とんでもない画像が。
コメントがついていた。
「マー君。私のこんな姿想像できる?」
きちんと片付いた部屋だ。というよりはどこか殺風景。
「こっちへ来て」
隣の部屋から先生の声がした。
『着替え中のはずだが』
先生の部屋に入るとそこは寝室でベッドには赤い毛布が。
その上で下着はつけてはいるもののあられもない姿で、
下半身を開く先生の姿が目に飛び込んだ。
それは今しがたパソコンで見た秘密の自撮り画像そのままだった。
実は一年前先生のあられもない姿を目撃してしまった。
4月1日のことで、うそのような話だが。
その日フラワーポット作りを任されていた私は、春休みを返上して登校。
プール脇の目立たぬ場所で作業していた。
すると、更衣室の中から女の人の切迫した声がした。
「だ、だめです。人がきます」
『えっ?』
そっと更衣室の半開きの扉の奥を覗くと。
その日、初めて写生といううものを知った私は、今日のこんな日を
待ち望んでいたのかもしれなかった。