それは、なんだったのだろう。
日も伸びた三月半ばの夕暮れ、仕事帰りにふと寄ったとある風俗街。
メインストリートからつい四、五十メートル先に見える看板は、僕の足を勝手に誘導させるものだった。
「いらっしゃいませ」
フロントの絨毯の上で、お辞儀をするのは、一目で、小柄な若い女だった。
エレベーターで個室に案内される際に見た女の後ろ姿は、その小柄な体躯には似あわぬ突き出たお尻だった。
ピンときたのは、勘ではなく、股間の一物だった。
「お客さんのアレの大きさ、ちょうどいい」
正常位で励む僕にそんな励ましの声が。
ピピピッ。
断続的に発射されるたまっていたもの。
リピートは確定的だった。
帰りは、電車だった。
ついうとうとした僕は、降りる駅を大幅に乗り越した。