あだん 2


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 それは、なんだったのだろう。
 
 日も伸びた三月半ばの夕暮れ、仕事帰りにふと寄ったとある風俗街。

 メインストリートからつい四、五十メートル先に見える看板は、僕の足を勝手に誘導させるものだった。

 「いらっしゃいませ」

 フロントの絨毯の上で、お辞儀をするのは、一目で、小柄な若い女だった。

 エレベーターで個室に案内される際に見た女の後ろ姿は、その小柄な体躯には似あわぬ突き出たお尻だった。

 ピンときたのは、勘ではなく、股間の一物だった。

 「お客さんのアレの大きさ、ちょうどいい」

 正常位で励む僕にそんな励ましの声が。

 ピピピッ。

 断続的に発射されるたまっていたもの。

 リピートは確定的だった。

 
 帰りは、電車だった。

 ついうとうとした僕は、降りる駅を大幅に乗り越した。

 
 

 

 

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