「古今東西エロネタ大辞典」
そんな名前の本を得意げに僕に見せてくれたのは、春先の日曜の午後、何気に訪れた先の日頃薄~い友情と濃くて熱い劣情で繋がった友人だった。
その内容はいわゆる洋物で、登場する女の名前もあちらの方の名前だった。
純粋で透明な少年の感情に魔を差してやむことないこれらの本に何の意味があるのだろう。
しかし何事勉強をして損なことはない。
思い直してその扇情的な挿絵のついたエロ小説のダイジェストを読んでいく。
アメリカ中西部の小さな町にやってきたのは新卒の女教師。
主人公は気の弱い少年でいつもいじめにあっている。
それは、自分の私事だが、似たような境遇は自分にもあった。