姉ちゃんと二人乗り


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大学に入ってから猛烈にバイトして、バイクの中型免許を取り、秋に250㏄の中古バイクを買った。レーサータイプじゃなくて、少し時代もののデザインのおとなしいタイプ。
毎週日曜日は遠出するようになったら、出ていくときとか帰ってきたときに、姉ちゃんがちょっと興味を示してきて言う。
「こんどあたしも乗せてよ」
ちょっと迷惑という気持ちがあった。姉ちゃんは大学3年。うるさい姉貴だった。
「遠くまで走るんだよ」
「いいよ。どっかきれいな景色のとこまで連れてって。ランチごちそうするから」
「免許取ったばっかりだから、高速の二人乗りはできないよ。下道を通るから、遠くには行けない」
「一時間ぐらいの範囲でも、いいとこはあるでしょ」
「メットなしじゃ乗せられないよ」
「誰かの借りるから。それとも、彼女を乗せるの?」
「いないよ」
「じゃあいいでしょ」
しかたなく、次の日曜日に乗せてやることにした。
二人乗りするときの注意なんかを事前に話しておいて。腰にしがみつかれるのはいやだったから、必ずリアシートの脇のタンデムバーをつかんでいるように念を押した。
そして出発。一時間半ぐらいで海沿いの道まで出られるので、海に向かった。
一応の目的地の漁港に着いたときは、姉ちゃんはけっこう感激していた。面白かったと言ってから、すぐ市場のトイレに行ってしまった。
港をちょっと歩いたあと、姉ちゃんが調べていた喫茶店の駐車場に着けて、ランチにした。
ガラス窓ごしに、おれたちが着いたのを客たちが見ていたらしく、店に入っていったらちょっと視線を感じた。かっこよく見えていたらいいなと、その日初めておれは姉ちゃんを乗っけたことをうれしく思った。
帰り道、国道に入ってから姉ちゃんはおれのベルトをつかんできた。走っているから、離せよ、とも言えない。そのあとは姉ちゃんはずっとおれのベルトをつかんでいた。当然胸もあたっていた。
街に入る手前、国道沿いにラブホテルの看板がいくつもある場所があって、なんとなくおれは姉ちゃんがそこで緊張したような気がした。
家に着いてから、姉ちゃんは言った。
「ベルトにつかまったこと、いやだった?」
「そんなことないけど、密着しすぎじゃないか」
「だって、安心するんだもの。また乗せて」
「いつ?」
「次の次の日曜日」
「バイクに乗るような格好しなよ」
「ヘルメット買う」
その日は、最初から姉ちゃんはおれのベルトにつかまってきた。この日は山の上の展望台まで行った。展望台まではワインディングロードだから、かなり気持ちよく走れる。姉ちゃんはきゃあきゃあ喜んでいた。
展望台から少し下の喫茶店に入ったとき、姉ちゃんの顔はなんとなく興奮したような顔だった。ライブが終わったあとみたいな感じ。いや、遊園地でジェットコースターに乗ったあとみたいな顔かな。
その店のウエイトレスは少し年配の女性で、注文したランチセットを持ってきて言った。
「オートバイでデイトっていいですね」
おれと姉ちゃんは顔を見合わせた。彼氏彼女と間違われているんだ。
姉ちゃんたら、違うって言わずにウエイトレスに言った。
「なかなか乗せてくれなかったんですよ」
「あら、意地悪されたの?」
「あたしより、バイクのほうが好きだったみたいで」
おれはどういう会話をしたらいいかわからなくて、変な反応をしてしまった。
「いや、姉ちゃん、好きだよ」
ウエイトレスが言った。
「失礼、ご姉弟だったのね」
「ううん」姉ちゃんは大嘘をついた。「あたしが一個だけ年上だから、そういうふうに呼ぶんです」
ウエイトレスはおれを見て微笑した。
「二人乗り、お似合いですよ」
ウエイトレスが行ってしまってから、姉ちゃんはおれを見つめた。
本気?と聞いているような目だった。姉ちゃん好きだと言ったことを、確かめているんだ。おれはうなずいた。
喫茶店を出てバイクに乗る前、姉ちゃんが言った。
「うちに帰る前に、ちょっと寄って休んで行こう。疲れたでしょ」
「どこに?」
「姉ちゃんが合図する」
「どの辺のどこ?」
姉ちゃんは、ラブホテルのある場所の名前を言った。何を意味しているかわかったけど、おれは困って何も言わなかった。
バイクがそこに近づいて、いくつかラブホの前を通り過ぎた。次の信号のところで停まったとき、姉ちゃんが左手でおれの腹を突ついてきた。
交差点の先、左側にラブホがある。
信号が青になってので、発進した。考えたり、姉ちゃんとやりとりしている暇はなかった。入り口のところで左折して駐車場に入った。
ラブホに入るのは初めてだけど、バイクに乗っている友達から使い方を聞いたことがある。おれは空いている車庫の中にバイクを入れた。
バイクから下りた姉ちゃんが、先に二階に上がっていく。慣れているのかなと思ったけど、おれと顔を合わせて、ここは何だとかどうするとか、話をするのが照れくさいのかもしれないとも思った。
部屋に入ってヘルメットをテーブルの上に置くと、姉ちゃんはまた少し酔ったような顔でおれにくっついてきてた。こんどは正面からだ。おれも姉ちゃんの背中に手をまわした。
姉ちゃんは言った。
「すごくよかった。まだ身体に余韻が残ってる」
姉ちゃんはギュッギュッとおれにハグして、見上げてきた。
「キス」
そうして目をつぶった。
どきまぎしたけど、おれは姉ちゃんの唇に自分の唇をつけた。おれのファートキス。姉ちゃんはすぐに自分の舌をおれの口に入れてきた。いきなり濃厚なキスになった。
次のことを考えたけど、姉ちゃんのキスは本気の本気だった。
勢いにまかせたほうがいいなと思った。
姉ちゃんはおれから身体を離すと、ベッドにほうに目を向けて言った。
「行こう」
シャワーなんか浴びていたら、冷静になってしまうような気がした。そんなことしないほうがいい。
姉ちゃんはおれに背中を見せてGジャンを脱ぎ、パっとTシャツも脱いだ。
姉ちゃんの身体は、どちらかと言うとアスリートタイプというか、ぽっちゃりしていない。
姉ちゃんはジーパンも脱いでからおれのほうに向き直った。
「あたしだけ、こんなことさせるの?」
おれはあわてて姉ちゃん姉ちゃんから目をそらして、ジャケットとTシャツを脱いだ。
トランクスだけになって振り返ると、姉ちゃんはもうベッドの上にいた。裸だった。胸を手で、大事なところは足を立てて隠していた。
姉ちゃんが見ている前で、トランクスを脱ぐのは恥ずかしかった。
「照れることないでしょ。姉ちゃん、きょうはずっとあんたにくっついてたんだよ」
あれがむくっとしてきたので、おれはあわててトランクスを脱いで、姉ちゃんの脇で横になった。姉ちゃんはまたキスをしてきた。右手はおれのものを握った。
おれのものが完全に勃起したところで、姉ちゃんはキスをやめた。
おれは姉ちゃんの割れ目に手を伸ばした。姉ちゃんの中はぬるぬるだった。
「すごいでしょ」と姉ちゃんは恥ずかしそうに言った。「バイクの振動のせいだからね」
「バイクで仕事をしてる女のひと、いっぱいいるぞ」
「大きいバイクだからじゃない?」
「単気筒だからかな」
「あんたの後ろだからかも」
「そう?」
「うれしくない?」
「最高だな」
姉ちゃんはベッド後ろの棚のほうに目をやって言った。
「コンドームつけて」
おれは身体を起こし、ラブホのコンドームをつけると、前戯のことなんて考えないで、姉ちゃんに挿入した。おれの初エッチ。最初だし、そこまでに十分興奮していたから、あまり長くは続かなかった。
いったんシャワーを浴びてから、もう一回した。
キスしてお互いを触りあっているうちに、三回目をすることになった。
姉ちゃんが言った。
「あたしが乗りたい」
 騎乗位で始めた。
三回目が終わったあと、姉ちゃんが言った。
「二人乗り、どう?」
「どうって?」
「呼吸ぴったりじゃなかった?」
「そうだね」
「相性もよかったと思う」
「うん」
「来週も乗せて」
「いいけど、天気悪かったら?」
姉ちゃんは、それを言わせるのかという顔になった。
「近場でもいい。バイク省略でもいい」
次の日曜日は天気は悪くなかったけど、近場のラブホに直行した。
それから、おれたちはときどき夕方からも、タンデムで出かけるようになってる。

 

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