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高垣楓と少年(1)


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「最悪だ」

グレーのトレーナーを着た短髪の少年は独りごち、目の前ある温泉を見た。
湯は無色透明で石畳の底を覗かしながらも、うっすらと白い湯気が立ち上がっている。

まだ春先の肌寒い日に入るには丁度良さそう。けれど少年はため息をこぼし、上を見上げた。まだ冬を感じさせる白けた淡い青い空が広がっていた。空には雲ひとつなく、少し傾いた陽の光は柔らかで、日本晴れという言葉を体現したかのよう。

──これがうちの風呂だったらな

少年はもう一度ため息をこぼし、今度は当たりを見渡した。

川が見える。雪解け水が流れ込んでいるためか流れは速く、ざわめきのような川音がしっかりと聞こえる。川と温泉と川を隔てる柵などはなく、石畳のすぐ向こうに、新緑が芽吹いたばかりの河原が温泉のすぐ目の前に広がり、その奥には同じく新緑が芽吹いた山の木々がさざめいている。

少年が川音に耳をとられていると「おーい。はやくしろよー」よく通った声が上からする。少年が声の方を向くと、川にかかった橋の闌干から身を乗り出す、友達三人の姿があった。遠目からでは表情を伺うことはできないが、雰囲気でにまにまと笑っているのが察せられる。

「くそ」

少年は愚痴をこぼし、背後を見る。大人二人分くらいを隠せるかどうかの気持ちばかりのすだれがかかった柵が立てられ、脱衣スペースと脱衣かごがあるだけ。

「何回も罰ゲームで入ったけど、やっぱ慣れない」

少年は脱衣かごを見てから、温泉を見る。温泉は露天で河原にあることから河原温泉と呼ばれている。入浴料はなく、気軽に天然温泉に入れると話題になっているが、橋からは丸見えで地元の年寄、しかも男しか基本入らない。少年が服を脱ぐことに躊躇していると「はやく、はやく」と煽り急かす声が橋から聞こえてくる。

「あー、ちくしょ。あそこで甲羅が飛んでこなかったらな」

少し前まで友達としていた、恒例の河原温泉に入る罰ゲームをかけたゲームを思い出した。ここ半年、少年は最下位にならず罰ゲームを回避していたが、今日ゲームに負けてしまい入ることになった。

ゲームの内容はその都度変わり、単純なかけっこから、パズルゲーム。ガイナ、サッカーチームのスコア予想まで多種多様に。

今日のゲームは友達の家でしていた国民的カートレースゲームだった。ゲームは一進一退で進み、最終レースまで全員が最下位になる可能性を秘めていた。

迎えた最終レース。少年が操作するきのこは一位を一度も譲らず最終ラップを迎えていた。最終ラップも順調に進みあとは吊橋を超えればゴール。勝ったな。と少年が思った時、甲羅が空を飛んできた。飛んできた甲羅を避けることができずに直撃し爆発する。少年の操作するきのこが空を舞う。

「ちょっ」

少年が慌てた声を上げる。きのこが着地した瞬間、今度は赤い甲羅が直撃し、コース外へ落とされる。

「まっ」
きのこが救出されている合間に順位は着実に落ちていく。早く。と少年は焦る。どうにかコースへ戻ったと思った瞬間。

「くらえー」

友達の声と共に、赤い服と帽子を被った光り輝くおっさんが体当たりしてくる。少年のきのこはまた奈落の底へと落ちていく。

「うそだろ」

少年が唖然としながら画面をみていると、みるみると順位が落ち、二桁までいってしまう。ようやくコースに復帰した時にはブービーまで落ち、友達三人は既にゴールし少年の罰ゲームが確定していた。レースに復帰したが、速度が上がらず、最下位のCPUにまで抜かれ最下位で終わった。

「罰ゲームけってーい。いえーい」

友達三人のハモった声が友達の部屋に響いた。少年は恨めしそう三人を見た。

少年はため息をつき、橋の上から見下ろしてくる友達を見た。友達は「はやくしろよー」と再度言ってくる。少年はため息をまた吐き、潔く着ていたトレーナーを脱ぎ、ズボンも脱ぐ。そして長袖の肌着と、この前初めて買ってもらったトランクスを脱いだ。少年は急ぎ手でものを隠した。

──さむっ

鳥肌が立つ。春先の川辺はまだ寒く、雪解け水で水量の多くなった川音が更に寒さを助長させる。震えた身体を手で擦りたいが手を離したらものが見えてしまう。少年は慌てながら石畳に置かれた風呂桶で温泉を掬い、体にかけた。

──あつっ

寒さで冷えた身体に温泉の湯は熱く感じる。少年は何度かかけ湯をしてから温泉に入った。

湯は温かく、心地よい。少年はホッと息をつき川を見た。相変わらず雪解け水が流れ込んでいて流れは速く、ざわめきのような川音をたてている。少年は肩まで湯船に浸かり闌干を見上げた。友達がにやにやと見下ろしてくる。なんだろう、嫌な予感がする。温かい湯に浸かっているのにぶるりと鳥肌が立つ。

すると、カツン。カツン。と、男のコツコツとした靴音とは違い、女のしかもヒール特有の靴音が聞こえてくる。まさか・・・。少年が後ろを振り返ると女性の姿があった。

ふわりと膨らんだ柔らかな鶯色のボブ・ショート。白磁器の様に透き通る白い肌。くりっとした暗色の蒼ががった瞳。左目の下には泣きぼくろがある。鼻筋はすっと通り、ふっくらとした桜色の唇。唇は微かに潤んでいる。服装は柔らかそうなオフホワイトのニットに、手にはクラッチバッグを持っている。ブラックのタイトなパンツを履き、黒いジョッパーブーツを履いている。スラリと伸びた体躯に装いは恐ろしいほど馴染んでいる。

綺麗と言う言葉がこれほど会う人に会ったことない。と少年は思うと同時に、言葉が綺麗以外出てこない事も始めてだった。

少年は女性を前に思わず息を呑み、ただ呆然と女性に魅入ってしまう。

まっすぐ向けられる視線慣れているのか、女性は動じることなく悠然としている。女性は少年に朗らかに笑うと「ゆーかげんはどう?」としゃがみ聞いてきた。

少年はビクリとし、慌てて辺りを見渡す。女性以外誰も居ない。闌干から身を乗り出していた友達の姿もない。恐らく帰ったのだろう。罰ゲーム被害者が河原温泉に入った瞬間、解散がルール。

──誰も居ないってことは、おれ?

話しかけれる相手が自分以外誰もいない。少年は恐る恐る女性を見た。しゃがみこんでいるため、女性が近い。目と鼻の先。くりっとした暗色の蒼ががった瞳がまっすぐと見てくる。吸い込まれてしまうかと思うくらい綺麗で魅入ってしまうが、まっすぐと見られる気恥ずかしさが勝り、少年は思わず目をそらしてしまう。

「あら」

女性は少し残念そうに呟くと、くすりと笑みをこぼし、湯に手をつける。

「あったかい」

ホッと息をついたような柔らかな女性の声。変哲のない些細な声だが、少年が今まで聞いたことない色香を感じ、しゃがんでいるせいか柔らかな声はまるで耳元で囁かれたかの様にも思えてしまう。声だけでもこんなにえろいんだ。少年は思わず喉を鳴らし、驚きを隠せない。目をそらしていたはずが、いつの間にか女性を見つめてしまっている。

少年の視線に気がついた女性は、今度は柔らかな笑みを口元に浮かべながら、指先では湯と戯れている。女性の指はホッソリとしている。

「いい湯ですね」

囁きのような女性の声がまたする。ここには自分と女性しか居ない。少年は意を決して口を開く。

「そう、ですね」

意を決したわりに出てきた言葉は平々凡々。少年は意気込んでいた自分が恥ずかしくなる。けれど女性は気にする様子はない。

「風光明媚で素敵な温泉ですね。川面に近く、緑も感じられ、春なら新緑を。夏なら夏の日差しを。秋なら紅葉を。冬なら雪と季節の移ろいを感じながらゆったりとできそう。ただ、いかんせん開放感はすごいですが」

女性は指先で湯と戯れながら言い、景色を見渡す。少年も女性に釣られ景色を見渡す。女性の言った通り四季の移ろいを感じながら温泉に浸かれるが、やはり遮るものがない。温泉に浸かるには羞恥心を捨てることが重要。それに家の風呂でも同じ様に四季の移ろいを感じることができる。少年はそう思った。

「ところで少年。キミは地元の子ですか?」

女性の問いかけに少年は頷く。

「ならいつでもこの温泉に入ることができる・・・ということは、ゆーはこの湯に入り放題。なんて」

──んっ。いもしかしていま、ダジャレ言った?

少年は女性の言葉に耳を疑う。

──こんなキレイな人なのに。おれの聞き間違えだよな。

困惑する少年をよそに、女性はあいも変わらず指先で湯と戯れている。

「ほんと良い湯加減。私も入ろうかしら」

「えっ!?」

女性の何気ない一言にまた少年は耳を疑う。

──いまなんて・・・。わたしも、はいる・・・。どこに入るの?まさか・・・。

少年は喉を鳴らす。

「けど残念。タオルの用意してきてないんです。こんなに良い場所なら用意して来るべきでしたね。お酒とおちょこもちょこっと用意して」

少年は女性の言葉に固まる。もしかしてたら、一緒に入れてたの・・・。少年は女性を見ると、口元にからかいの混じった笑みが浮かんでいる。そして、ふふっと柔らかに笑うと「じょーだん」と言った。

「あまり長湯すると湯あたりするからゆーかげんに気をつけて」

女性は立ち上がると、柔らかな笑みを口元に浮かべ少年に手を振り、去っていく。後ろ姿も綺麗で百合の花のように思えた。少年は女性の姿は見えなくなるまで女性の後姿を目で追った。

女性の姿が見えなくなると少年は当たりを見渡した。当たり前だが女性の姿はく、芽吹いたばかりの新緑と雪解け水で水量の多くなった川。そしていつもと変わらない河原温泉。狐の姿ももちろんない。

少年は白日夢か狐に化かされていたのではと思い、頬を抓った。

──いたい

しっかりとした痛覚。夢の世界ではなさそう。少年は女性のさり際に言った「湯あたり」の言葉を思い出し、慌てて湯から出た。

少し長く浸かっていたためか、身体のうちからぽかぽかと暖かく、春先の寒さをそこまで感じないが、頭が少しぼーっとする。やっぱ長く浸かりすぎたかな。少年は持ってきていたタオルで身体を拭き、急いで服を着る。そして河原温泉を後にした。

湯本通りと呼ばれる温泉街のメインストリートを、少年は少し速歩きで通る。連休の翌週ということもあり観光客の姿は少ない。これだけ少なかったら・・・。泡末の期待を抱きなら、少年は女性の姿を探しながら歩いた。

けれど結局女性を見つけることはできず、湯本通りの起点である町営の温泉施設に着いてしまった。少年は振り返り湯本通りを見る。人垣で視界が阻まれることはなく、通りを見渡すことができる。その中に女性の姿を見つけることはできない。少年はため息をつき、湯本通りに背を向け、細路地に入っていく。

細路地を歩く人は誰もいない。しばらく細路地を歩くと、古い造りの古宿が見えた。少年は古宿の従業員用と書かれた通路を通り、古宿の従業員用の裏口を開いた。

「ただいまー」

ため息交じりに声をかける。すると「良いとこに帰ってきた」と少し慌てた母親が声をかけてきた。

「どうしたの」

「コシさんが腰をいわしちゃって」

「えっ、コシさん大丈夫なの?」

「本人は大丈夫って言ってたけど、無理させられないし、今日はそこまで忙しくないから今日はお休みしてもらったんだけど、ちょっとトラブルがあって」

「平気なの?」

「まーどうにかなってる。けど、ちょっとお風呂の点検やタオルの回収まで手回ってないからお願いして良い?あとでお小遣いも渡すから」

「それくらいだったら全然構わないけど」

「助かるわ。じゃあお願いして良い?」

「うん。あっ、夜温泉に入っていい?」

「今日の混雑具合なら構わないけど、あんた河原温泉に入って来たんじゃないの?」
母親は湯で微かに火照り赤らんだ少年の顔を見ながら言った。

「そうだけど、それとこれは別」

「ふーん。そう。わかった。お父さんに伝えとく。じゃあお願いね」

「はーい」

母親は少年の返事を待たず慌ただしく少年の前から去っていった。少年は靴箱に靴をしまい、スリッパに履き替え宿へ入っていく。そして従業員用の法被を着て、清掃道具とタオル入れ代わりとなったナイロン素材のバスケットボール入れを押し、浴場へ向かった。

──まずは男湯から。

少年は男湯と書かれた看板が吊り下げられた戸の横に清掃中の木製の看板を置き、中へと入る。するとスリッパが一足だけある。

──居たか。でも男の人だし。

少年は脱衣場へ移動する。脱衣場には誰も居ない。浴場か。少年はすりガラスの向こうを眺めてから使用済みタオルをカゴへ移し替える。それが終わり、忘れ物がないか確認していると若い男が浴場から戻ってきた。

男は訝しげな目で従業員用の法被を着た少年を見てくる。けれど少年に取って慣れた視線。少年は気にすることなく確認する。

確認が終わり、今度は浴場へ移動する。ボディーソープ等の中身が足りているか確認し、他に不備がないかの確認をする。特に問題はなさそう。少年は露天風呂へ出ていく。

河原温泉と同じく川音は聞こえるが、川は眼下を流れ、眼前には山の芽吹いたばかりの山の新緑が広がる。女性の言葉を借りるのなら風光明媚と言う言葉合う。少年は芽吹いたばかりの緑を少し眺めてから、問題がないか点検した。

問題は特になく、少年は脱衣所へ戻る。すると先程訝しげな目で少年を見ていた男の姿はなくなっていた。少年は忘れ物がないか再度確認してから、女湯へ移動した。

少年は女湯の前で足を止める。少年は深い深呼吸をしてから扉を開き「失礼します」と中に声をかけた。

中からは返事はない。これはいつものこと。と少年は自分に言い聞かせ、スリッパがないか確認する。スリッパは一つもない。少年は安堵のため息をこぼした。そして入り口に清掃中の看板を置き中へ入った。

男湯と同じ様に少年は見て回る。男湯と違い女湯の湯船の種類が異なる。露天風呂も造りが異なる。そのため様々な湯を楽しんでもらおうと、時間毎に男湯と女湯は交換される。あとで入るから今日はこっちか。数時間後の楽しみに少年は心を踊らす。

露天風呂の見回りも終え、戻ろうとした時、脱衣所と浴場を仕切るすりガラス戸がガラガラと音を立て開いた。

うそ。少年は慌てるがどうすることもできない。少年は入ってくる人を見ないよう、顔をそむけた。

扉を締める音が浴場に響き「ふふっ」と微かに弾んだ女性の声がする。そして「あら」と傾げたような声がする。

「すみませんすぐ出ていきますから」

少年は床を見ながらまくしたてるように言う。

すると「キミはさっき河原の温泉に入ってた」とどこか聞き覚えのある柔らかな声がした。

えっ?少年は思わず顔を上げてしまう。

ふわりと膨らんだ柔らかな鶯色のボブ・ショート。白磁器の様に透き通る白い肌。左目下の泣きぼくろ。すっと通った鼻筋。ふっくらとした桜色の唇。そしてくりっとした暗色の蒼い瞳。河原温泉で出会った女性が立っていた。

──うそ、なんで。たしかにもう一目、見たいとは思ったけど・・・。

女性を前に少年は固まる。女性はふっくらとした桜色の唇に柔らかな笑みを浮かべながら、くりっとした暗色の蒼い瞳でまっすぐと少年を見てくる。

──うっ・・・。すっごくキレイ。だけど。
少年は見つめられる恥ずかしさと女性の美しさに気圧され、半歩下がり、視線を泳がせ、顔を伏せた。白いバスタオルが目に留まる。

バスタオルは女性の腕で胸元あたりから抑えられ、女性の身体を隠すように垂れ下がっている。けれど身体全体を隠すことはできず、スラリと四肢が伸びる。

そして胸は隠せているが、膨らみを隠すことはできず、控えめな胸を強調してくる。

──エッッ

少年は思わず生つばを飲み込み、顔を上げた。くりっとした暗色の蒼い瞳。ふわりと膨らんだ柔らかな鶯色のボブ・ショート。白磁器の様に透き通る白い肌。左目下の泣きぼくろ。

すっと通った鼻筋。ふっくらとした桜色の唇。バスタオルから伸びるスラリとした四肢。そして控えめな膨らみ。

少年の視線は女性に釘付けになってしまう。身体がむずむずしてくる。特に下半身がむずむずし、固くなってくるのがわかる。やばい。少年は固くなってくるものに焦りを感じる。

「せっ、清掃終わったので、ごっ、ごゆっくりどうぞ」

まくしたてるように言い、脱兎の如く少年は浴場を後にした。

一人残された女性は「あら」と少し残念そうに呟き、すりガラスを少しの間眺めた。

「まさかうちに泊まってるとは」

急ぎ女湯を後にした少年は、裏手のスペースに置かれた二槽式洗濯機の前に居た。少年は使用済みタオルを洗濯槽に入れていく。

連休翌週とあり量は少ないが、それでも日帰りの入浴客が入りに来るため、量はあり、一度では回しきれない。

少年は一度目の洗濯を回すと折りたたみの丸パイプ椅子に座った。洗濯機の音が響く。少年は天井を眺めた。裸電球が部屋を明るくしている。

「いや、旅館は別でうちの温泉に入りにきてるだけかも」

少年はため息をこぼし、目を閉じる。

すると、くりっとした暗色の蒼い瞳。ふわりと膨らんだ柔らかな鶯色のボブ・ショート。白磁器の様に透き通る白い肌。左目下の泣きぼくろ。すっと通った鼻筋。ふっくらとした桜色の唇。バスタオルから伸びるスラリとした四肢。そして控えめな膨らみ。浴場でみたばかりの女性の姿が瞼裏に浮かぶ。

少年は慌てて目を開き、頭を横に何度もふり女性を頭から消し去ろうとする。けれど女性は頭から消えない。女性は柔らかに笑う。バスタオル姿の女性を見ていると徐々に身体の一部分が固くなってくる。

──まただ。また固くなってきた

なんで固くなるんだろ?少年は固く大きくなっていくが恥ずかしく、固くなっていくものをズボンの上から手で隠した。

固く大きくなったものが収まった事に気づいたのは乾燥機にかけたタオルを畳む作業に追われ、作業に没頭しているとときだった。いつのまにか固く大きくなっていたものは元の大きさに戻っていた。

タオルを所定の位置に置き、母親の元へ行こうとした時「終わった?」と母親がスペースに顔を出してきた。

「今終わったとこ」

少年が言うと「ちょっと早いけど晩ごはんできたら食べちゃって」と母親が言ってきた。

少年が窓の外を見ると既に陽は沈み、夜の帳がおりていた。

「わかった」

少年は頷き旅館と同じ敷地にある家へ向かった。

少年が居間に着くと既に妹が晩ごはんを食べていた。少年は用意された晩御飯に舌鼓をうった。

ご飯を食べ終えると、少年は妹の食器と自分の食器を洗う。洗い終えると少年は時計を見た。ちょうど夕食時だ。宿泊客に夕食が振る舞われ、日帰りの入浴客もおらず、この時間は基本的に入浴客はいない。少年は急いで宿泊客用の同年代が着る浴衣と同じものに着替え、浴場へ向かった。

雪駄を鳴らし、旅館の従業員用の出入り口を開けると、運良く母親と父親に出くわした。二人はなにやら真剣な面持ちで話をしていたが、少年の姿を見るなり少年の知るいつもの優しい朗らかな両親に戻った。

少年の耳に届いた言葉は断片的で要領が全くつかめなかった。ただ「アイドル」と「お酒」と言う言葉だけが耳に残った。

両親に温泉に入っていいか再度聞く。この時間帯なら宿泊客もいないから良いと言われた。そして約束であるお小遣いを貰い浴衣のポケットへしまい、少年は急ぎ温泉へ向かった。

男湯の戸を開け、少年は宿泊客のスリッパがないか確認する。スリッパはない。誰も居ない。誰も温泉に入っていない。少年は上機嫌でスリッパを脱ぎ、脱衣所のカゴに着ていた服を入れると浴場へ向かった。

独り占め。

少年は鼻歌を奏でながら急いで身体を洗うと、室内の湯に目をくれず露天へ出た。
帳が降りた春先の空気はまだ冷たく、白息が夜気にとける。少年は急いで温泉に浸かる。少し熱めの湯が身体を包む。きもちいい。

少年はホッと息をつく。白息は温泉から揺蕩い上る湯気と混ざり合い夜気にとける。

朧月が水面に揺蕩っている。少年は朧月を手で掬う。手のひらで朧月が揺れた。
少年は朧月を水面に返すと身体を伸ばし、帳が降りた空を見上げた。春先の空はまだ冬の名残から澄みわたり、朧月に負けずと無数の星達が瞬いている。

──きもちいい・・・

上機嫌で露天風呂に浸かり、背筋を伸ばしながら少年はもう一度白息を吐き、夜気へ溶かした。すると澄んだ女性の歌声が隣の女湯から聞こえてきた。

──キレイな声。もしかして、あの人かな?

河原温で出会った女性の姿を少年は思い浮かべ、少年は目を閉じ、歌声に耳を傾けた。瞼裏に浮かんだ女性は、河原温泉で出会った服装でも、バスタオル一枚の姿でもなく、新緑を思わせる淡緑の綺羅びやかなドレスを身身に纏い、スポットライトを一身に浴びていた。明かりは女性とドレスを一層綺羅びやかに引き立てる。瞼裏の女性に少年は釘付けになった。

顔が火照り、頭がぼんやりとしてくる。歌声もいつの間にか消え、瞼裏の女性の姿も朧気になり、湯気の様に消えていく。少年はゆっくりと目を開け、白息を夜気へ溶かし、星空を眺めた。

いつもは綺麗と思う星空も、綺羅びやかなドレスを身に纏い、スポットライトに照らされた瞼裏の女性の後だと霞んでしまう。

少年は湯から上がり、火照った身体を冷ましながら「綺麗だったな」瞼裏の女性を思い出し「でもどこかで見たことあるような」とぽつりとこぼした。

少年が身体を冷ましていると女湯が姦しくなる。夕食を食べ終えた宿泊客が温泉に入りに来始めたらしい。もうそんな時間か。少年は少し名残惜しみながらも、温泉を後にした。

着替え終えた少年はお小遣いで瓶のコーヒー牛乳を買うと、中庭へ向かった。中庭は建物の奥まった処にあり、近くの部屋に泊まる客以外気が付きにくく、予約状況によっては人が全く来ない。今日の状況ならと少年は火照った身体を冷まそうと向かった。

少年の予想通り中庭に近づくにつれ、宿泊客とすれ違う頻度が少なくなり、客室からも声が聞こえてこない。これなら。と最後の角を曲がろうとした瞬間、澄んだ歌声が中庭の方から聞こえてくる。少年は思わず足を止め、歌声に耳を澄ます。

──この声どこかで・・・。

聞き覚えのある歌声。それもすごく最近聞いたような。少年は首を傾げ、考える。

──あっ・・・、さっき露天で聞いた

ほんの少し前の女湯の露天風呂から聞こえてきた歌声と同じ事に少年は気がついた。もしかして。少年は瞼裏の綺羅びやかな女性を思いだしながら、角から盗み見るように中庭を見た。

笹の葉が描かれた笹柄の旅館の浴衣を着ている。その出立はすれ違った宿泊客と変わらない。けれどふわりと膨らんだ柔らかな鶯色のボブ・ショートは間違えることはない。河原温泉で出会った女性と同じ髪をしている。

女性は縁側に座り、中庭と朧月夜を肴におちょこを傾けている。

きれい。朧月に微かに照らされた女性に少年は見惚れる。

──やっぱ、あの人かな?

河原温泉で出会った女性と似た雰囲気が漂っている。けれど確証に至るままでの自信がない。顔が見れればな。女性を盗み見ながら顔を向けてくれないか願うと、女性が身体を傾ける。女性は横に置いた瓢箪徳利を手に取り、おちょこに注ぐ。その瞬間、横顔が見える。左目下の泣きぼくろ。あの女性と同じ。

「あっ!」

少年は思わず声を出してしまう。

すると女性が少年の方に振り返る。暗色の蒼い瞳と目が合ってしまう。少年は慌てて身体を隠したが時既に遅し。女性が「みーつけた」と柔らかな声で、まるでかくれんぼの鬼が子を見つけた時の様に言ってきた。

少年はどうしたらいいのかわからない。少年は手に持っていた瓶のコーヒー牛乳を握りしめ、このまま逃げてしまおう。と思った矢先「ふふっ。ほら、出ておいで」とどこか楽しむように声をかけてきた。

──もしかしてお風呂場でこと怒られるのかな。

少年は点検・清掃作業中の出来事を思い出す。

──逃げたいけど逃げれない。それに謝らなきゃ・・・。

少年はおずおすと身体を強張らせながらも、女性の方へ近づいていった。

ふわりと膨らんだ柔らかな鶯色のボブ・ショート。白磁器の様に透き通る白い肌。左目下の泣きぼくろ。すっと通った鼻筋。ふっくらとした桜色の唇。笹柄の浴衣。蘇芳色の無地の羽織。そしてくりっとした暗色の蒼い瞳。河原温泉で出会った女性がまた目の前にいる。

朧月に照らされた女性の顔はどこか儚く美しい。

少年が女性に見惚れていると、ちょいちょい。と手招きしてくる。少年はなんだろうと首をかしげると、縁側を軽く叩き、縁側に座るよう促してくる。少年は促されるまま、女性の横に座った。

少年は縁側に座ると、借りてきた猫の様に身体を縮こませ、猫額だが綺麗に整えられた中庭を見た。新緑をつけたばかりの楓が夜風に揺れている。
隣に座る女性は徳利からおちょこにお酒を注ぐと、身体を縮こませた少年をじっと見つめてくる。少年は更に身体を強張らせる。

「安心してください。取って食べたりしませんから」

身体を強張らせている少年に、女性はくすりと笑いながら言う。

──取って食べる!?

少年はおっかなびっくりりながら女性を見た。するとお酒の入ったおちょこを差し出してくる。なんだろう?差し出されたおちょこの意味がわからず、少年が首を傾げると。

「乾杯しましょう」

朗らかに女性が言ってきた。

──乾杯?なんのこと。

思わず手に力をいれる。手の中に固いものがある。

あっ・・・。少年は中庭で飲もうとしていたコーヒー牛乳の存在を思い出した。
少年は慌ててコーヒー牛乳のキャップを外し、女性の方へ差し出した。

すると女性は口元に楽しそうな笑みを浮かべ「かんぱーい」と楽しそうに言う。少年も女性にならい「か、かんぱーい」と凝り固まった声色で言った。

女性は楽しそうにおちょこに口をつける。女性にとって何気ない仕草なんだろう。けれど朧月に照らされたその姿はまるでテレビのCMを見ているようで、少年には非現実の光景にしか見えない。少年は女性の姿に見惚れてしまう。

おちょこのお酒を飲み干した女性は、徳利からおちょこにまたお酒を注ぐ。その姿さえも映画のワンシーンを彷彿させる。

「飲まないのですか?」

おちょこにお酒を注ぎ終えた女性が声をかけてきた。その一言でコーヒー牛乳を飲んでいないことに気がついた。少年は慌ててコーヒー牛乳を飲もうとすると。
「あっ、待ってください」

女性がたんまをかけ、もう一度おちょこを差し出してきた。少年はコーヒー牛乳をもう一度差し出す。

「かんぱーい」

「か、かんぱい」

朗らかな女性の声とまだ強張っている少年の声と共に、二人が打ち鳴らしたグラス音が夜気へと溶けていく。少年は朧月を見上げながらコーヒー牛乳で喉を鳴らした。

コーヒー牛乳を飲み、ひとまず落ち着いた少年は女性を見た。朧月に照らされた女性はより一層綺麗で美しい。少年は思わず見惚れてしまう。

「そんなに見つめられると、恥ずかしい」

女性は恥ずかしがる言葉を並べたが、言葉とは裏腹に口元には微かに笑みが浮かび、少年を見る視線は余裕にも似たものがある。けれど少年は女性の言葉をそのまま受け取り、恥ずかしがりながら視線をそらした。

慌て恥ずかしがる少年の姿は年相応で可愛らしく、女性は口元に笑みを浮かべた。

かわいい。
女性がぽつりとこぼしたその言葉は少年の耳には届くことなく、夜気へ消えていった。

コーヒー牛乳が少年の緊張をだいぶ解す。少年は息をほっと吐き、新緑が芽吹いたばかりの楓を眺めた。なにか忘れているような。あっ・・・。少年は浴場での出来事を思い出した。

「あっ、あの」

「はい、なんでしょうか」

少年の強張った声に女性は優しく返答した。

「その、さっきなんですけど・・・。えっと、裸見てしまいすみませんでした」

少年のまくし立てた言葉に女性は首を傾げ「はだか、はだか・・・。あっ・・・」
と言葉にしてようやく浴場での出来事を思い出し言う。

「気にしなくても」

「でも」

「いえ。こちらが清掃中の看板を無視したことが原因ですので。河原の温泉につかるキミを見てたら気持ちよさそうで、気持ちがはやってしまい、つい」

「それでも」

「ふふっ、構いません。それに見られるのには慣れてますし、タオルで隠してたので」
少年は女性の言葉に耳を疑う。見られるのに慣れてるって、この人なんの仕事してるんだろう。と少しどぎまぎしてしまう。

「ところで、あの時キミはお手伝いで清掃を?」

「はっ、はい。そのコシさん。従業員さんが腰をいわしちゃって・・・」

「コシさんが腰を」

「あっ、はい。そうです。だからぼくにできることを」

「ふふっ。そうだったの。偉いですね」

女性が優しく微笑み、頭を撫でてくる。少年は唐突なことに驚く。気恥ずかしいけれど、母親のとはぜんぜん違い、嫌ではなかった。

「あっ、ところで温泉。特に露天風呂はどうでしたか」

少年は撫でられながら自慢の露天風呂の評価が気になり聞く。

「えぇ、とても素敵でしたよ。露天風呂からの景色は本当に綺麗でしたし、お風呂の種類も豊富で思わず両方の温泉に入ってしまいました」

「そうですか」

少年はホッと胸をなでおろした。両方・・・。んっ?もしかして。少年は露天風呂で聴いた歌声を思い出した。

「あの、すみません。もしかしてさっき露天風呂で歌ってたりしましたか?」

「もしかして男湯にまで聞こえて・・・」

少年は頷いた。

「恥ずかしことを、ごめんなさいね」

「いえとってもキレイな歌声でした」

「ふふっ、ありがと」

女性は柔らかな笑みを少年に向けると、中庭に視線を移す。少年も釣られるように中庭に視線を移す。

芽吹いたばかりの楓の葉が夜風に揺れている。

「りっぱな楓」

「はい。秋になると赤く色づき、もっとキレイですのでぜひまた来てください」

「あら、商売上手。でも季節ごとに来たいかも」

「是非」

少年は食い入るように言葉をかぶせた。
女性はくすっ。と笑みをこぼした。

「くしゅん」

少年はくしゃみをし、身体を震わす。火照った身体を少し冷ます予定だったのがすっかり湯冷めしてしまっている。それだけの時間を女性と過ごしたんだと少年は少しうれしく思う。

「だいじょうぶ?」

女性が心配そうに覗き込んできた。

「はっ、はい。お姉さんは?」

「少し肌寒く」

「ならお部屋の方で休んでください」

「そうね。そうしようかしら」

少年は先に立ち上がり、女性が立ち上がるのを待った。女性が手に持っていたおちょこを縁側に置き、立ち上がろうとした瞬間、女性はふらめく。

「だっ、大丈夫ですか!」

「平気。ちょっと立ちくらみしたみたいで」

「でも・・・」

少年は心配そうに女性を見た。寒い中、オレと話してたせいかも。責任感を感じる。

「あっ、あの失礼ですが。お部屋はどちらで」

「お部屋・・・部屋は」

女性をは上を見上げ上を差した。

「この上?」

「えぇ。お部屋から見えた中庭がキレイで、ついお風呂上がりに縁側でおちょこでちょこっとやりたくて」

「そうですか」

少年は少し先にある階段を見た。この先の階段は急で、足場も少し狭くて危ない。勝手知ったる自分の家の宿だから構造は頭に入っている。

「この先の階段知ってると思いますが、急で危ないのでこれぼくが持ちます」
少年は縁側に置かれた徳利とおちょこを手に持った。

女性は思わぬ申し出に目を丸くしてから「そうね、お願いしようかしら」と口元に笑みを浮かべた。

女性が先に急な階段を上がっていく。少年はその数歩後を追う。階段に踊り場などはなく、まっすぐと上へ伸びる。始めは女性がまたよろめき階段を踏み外さないか少年はハラハラと後ろから追っていたが、女性は手すりを掴み、足取りはしっかりとしている。

杞憂だったかな。とホッと少年は息をつき、上を女性を見上げた。笹が葉音をたてずに揺れる。

えっ・・・。少年は思わず足を止め、笹を見た。

笹はそよ風に煽られたかのように微かに揺れ続ける。けれど風で揺れているのではない。そして本物笹でもない。けれど、まるで風に吹かれたかのように笹は揺れ続けながら、遠ざかっていく。

笹は女性が纏っている浴衣の柄だった。

笹柄の浴衣地は這うように女性の身体に纏わりつき、女性の身体のラインを強調する。華奢な肩。スッとした背中のライン。くびれた腰回り。そしてキュッと引き締まったお尻。浴衣越しでもスタイルの良さがわかる。

少年はもう一度笹を見る。笹は揺れながら少しずつ遠ざかる。揺れる笹は女性のお尻だった。

女性の身体。お尻だと一度意識してしまうと、もうどうしようもない。いけないことだと思っても視線は笹に行ってしまう。視線の少し先で笹、女性のお尻が揺れる。少年は視線をそらした。

──見ちゃだめだ。でも・・・見たい。

少年は喉を鳴らし、視線の先で揺れるお尻を、女性の後姿を見てしまう。くびれたほっそりとした腰。そしてキュッと引き締まったお尻。お尻に浴衣地が纏わりつき、形がありありと分かってしまう。

少年は生つばを飲み込みながらも、違和感を抱く。なんか他の人と違うような・・・。少年はまじまじと女性のお尻を見る。けれど違和感の正体がわからない。いつの間にか階段を登り終えていた。

女性は部屋の鍵を開け、中へ入っていく。客室へ無断で入ってはいけない。と思い少年は入り口で止まり、女性に声をかけようとした瞬間「おいで」と女性が手招きをしてくる。

手招きされても少年は入って良いのか戸惑う。すると女性がゆっくりと近づいてくる。そして、ほっそりと女性の指が少年の手首を掴む。

「えっ!?」

少年が困惑した瞬間、女性は少年を踏込。部屋へと引きずり込む。そして部屋の鍵を締めた。少年は思わず女性を見た。暗色の蒼い瞳がまっすぐと見てくる。薄っすらとした笑みを浮かべた桜色の唇が近づいてくる。

「もう少し、お話しましょう」

柔らかで甘く、とろけてしまいそうな声で女性が囁く。ぞわりと少年の身体は粟立ち、下腹部の辺りがぼんやりと熱くなってくる。

──えっ、なんで。

主室。客間には既に布団が敷かれている。布団は一つだけで他にはない。お一人様。最近増えはじめている。以外・・・。少年はてっきり友達や恋人と来ているものだと思ったが、誰かと来ているのなら縁側でゆっくりとしてるはずない事に気がついた。

手を離した女性は敷かれた布団を避け、広縁へと向かう。

障子が開けられた広縁に朧月の明かりが微かに差し込み、障子の向こうには新緑をつけたばかりの楓の姿がある。

女性は広縁に置かれた、厚みのあるクッション以外が木で作られた椅子に腰をおろすと「ふふっ、おいで」と少年を手招きしてくる。

少年は手に持っていた徳利とおちょこ、コーヒー牛乳瓶を床の間に置き、女性が待つ広縁に向かった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

微かな朧月の明かりが女性を照らす。

朧月に照らされる女性は得も言えぬ美しさと儚さが混在し、ただただ綺麗としか言葉しか出てこず、少年は対面にある椅子に腰を掛けるのを忘れ、女性に魅入ってしまう。
ふわりと膨らんだ柔らかな鶯色のボブ・ショートが淡く輝き、白い肌に陰影が生まれ、肌の白さがより際立つ。桜色の唇は蕾の様に固く閉ざされ、暗色の蒼い瞳が心内を除くようにまっすぐと見てくる。

少年はまっすぐと見られる気恥ずかしさから、視線を泳がし俯くように下を見た。すると、浴衣の笹柄がふっくらとなだらかに盛り上がっている。なんだろう?少年は疑問を抱きながらなだらかな盛り上がりを見る。

──あっ・・・

少年はなだらかな盛り上がりの正体にすぐに気がつく。

──おっぱいだ

なだらかな盛り上がりは女性の胸だった。視線をそらさなきゃ。と少年は思ったが膨らみを前に視線をそらすことが出来ない。そして膨らみ見ているとぼうっと熱がともったように下腹部が熱くなってくる。

──やばい、どうしよう

少年は慌てるが、ともった熱は徐々に固くなり浴衣の中で存在感を増し、どうすることもできない。

──気づかれたらどうしよう

うつむいたまま、少年は視線だけ上げ、女性を盗み見る。暗色の蒼い瞳と目が合った。桜色の唇の端は微かに上がり、薄っすらとした笑みが浮かんでいる。少年は慌てて視線を更に下へ落とす。すると女性の足が目に入る。足は浴衣に隠れて足首より下しか見えていなかったが、次の瞬間。女性は足を組む。浴衣がはだけ、隠されていた膝より下の足が露わになる。

女性の足も他に漏れず白く美しい。少年の視線は釘付けになる。

「ねぇ、どこ見ているのかしら」
どこかからかうような笑みが混じった声で女性が問いかけてきた。

少年は何も答えられず、浴衣を握りしめ、自分の足元をただ見つめた。顔が以上に熱くなり、浴衣の中の熱は固く大きくなった。

「からかいすぎたでしょうか」

女性の声はからかうような笑み混じりではなく、平坦で抑揚がなかった。
少年はどうしたら良いのかわからず、ただ足元を見つめ続けた。

「ねぇ顔、あげて」

諭し、促すように女性が言ってくる。少年は女性の声に身体をビクつかせてから、おずおずと言われるがまま顔上げた。

暗色の蒼い瞳と目が合う。すると暗色の蒼い瞳はニコリと笑いかけてくる。

「ふふっ、男の人は気がついてないと思ってるかもしれないけど、女の人は男の人の視線に意外と気がついてるの。ついさっきの視線や。河原の温泉に縁側でも。それに階段での視線も」

言い終えると女性はニコリと笑った。その笑みを少年はどう受け止めていいかわからなかった。ただ、女性に見ていたことがバレバレだったということの方が衝撃的だった。

「ごぅ、ごめんなさい」

勢いよく少年は頭をさげた。
少年が白を着るものだと思っていた女性は、頭を下げる少年が意外だったのか「あら」と驚きが混じった声を出した。

「怒られると思いましたか?」

少年は女性の問いかけに頷いた。

「そうでしたか。別に怒るきはなく、ただ見てることはバレバレだと伝えたかっただけで」

「ほんとに怒ってないんですか?」

「えぇ、特には。さっきも言いましたが、私の仕事は人に見られること。キミのようなかわいい視線以上の視線で見られてますので」
まただ。女性からでは見られる仕事と言う言葉が少年には不思議でならない。一体どんな仕事してるんだろう?と疑問に思う。

「あの一つ質問いいですか?」

「はい、どうぞ」

「お姉さんはどんなお仕事ってしてるんですか?」
少年の問いかけに女性を少しの間をわざとつくってから「私のことを見て、見覚えあったりしませんか」と桜色の唇に薄っすらとした笑みを浮かべた。
──見覚え?どっかで会ったことあったけな?こんなに綺麗な人会ったことない。それに忘れることも・・・。けど、どっかで見たこともあるようなないような・・・

少年は首を傾げてから、首を横に降った。

「そうですか」

普通なら残念がる言葉。けれど女性の言葉はどこか嬉しそう。女性は唇に笑みを浮かべた言う。

「なら私からもキミに質問して良いでしょうか?」

「はっ、はい」

声を上ずらせながら少年は頷いた。

「キミの好きなアイドルって誰?」

「アイドル・・・ってテレビで歌って踊ったりする?」

「はい。そのアイドルです」

少年は首を傾げ、妹に付き合って見させられる音楽番組を思い浮かべる。綺羅びやかな衣装を身に纏い、綺羅びやかなライトに照らされる男女が脳裏で踊る。けれどその男女に顔はない。

──おれ全然くわしくないんだよな

「ごめんなさい。ぼくアイドルに興味なくて」

「あら」

珍しいモノを見るように女性は暗色の蒼い瞳を大きく開いた。

「くわしくなくてごめんなさい」

「ふふっ、謝らなくてよくて」

女性はどこか楽しそうに言った。

「あの、もしかしてお姉さん・・・アイドルだったりするんですか?」

「さぁ、どうでしょう。なんでキミは私がアイドルだと思ったんですか?」

「えっと、それは・・・お姉さんがその、きれ・・・い、だから、です」

少年は恥ずかしそうに視線を泳がせながら言った。

「ふふっ、ありがとうございます。ただ少し前まではモデルというお仕事をしてましたので」

「モデル?」

「はい。よく雑誌などで服を着る。わかります?」

少年は素直に首を横にふった。

「そうですか。アイドルとは違いますが、モデルもたくさんの人に見られるのが仕事ですので」

「だから視線に」

「はい」

「でもその、もでる。辞めたんですよね」

「えぇ」

「じゃ~、いまはなんのお仕事を」

女性は桜色の唇に薄っすらとした笑みを浮かべると「秘密です」と人差し指を桜色の唇に添え、ウィンクをした。

大人の表情の中に微かに子供っぽいどこかあどけない笑みが浮かぶ。そのギャップは大人の色香をより引き立て、少年はドキリとする。

女性は唇に微かな子供っぽい笑みを浮かべたまま、身体を微かに前へ倒す。すると浴衣の首元が緩み、白い肌が浴衣の隙間から覗かせる。

少年は恥じらいから思わず顔を逸したが、視線は胸元をみてしまう。

白い透き通った肌に鎖骨が見える。後もう少し、緩ければ膨らみまで見えそう。見たい。けど・・・。少年は葛藤する。けれど浴衣の中の熱がじんしんとして固く、大きくなっていく。

「さっきも言いましたが、視線、気がつくものですよ。それに」

笑うように女性は言うと、浴衣の重なりに片方の手でふれ、たわます。白い肌に鎖骨。そして微かな膨らみが見える。けれど浴衣の中は暗くてよくわからない。少年は恥じらいと女性の言葉を忘れ、浴衣の中を凝視する。浴衣の中が近づいてくる。

「ふふっ。ここ、すごい元気ですね」

蠱惑的な笑いをこぼし、しっとりとした甘い声で耳打ちしながら、浴衣越しに、固く大きくなったものを優しく撫でてくる。二つの気持ちいい感覚にっ少年の身体はぞわりと粟立つ。

「お姉さんそこ、だめっ・・・」

「どうしてダメなの?」

「だって・・・そこは」

「そこは?」

「きっ、汚いから」

「でもさっきお風呂に入ったばかりでは?もしかして身体隅々までしっかりと洗わなかったの?それはマナー違反でいけませんね」

「洗った!洗いました!」

「ならここも洗ったんですよね」

少年は恥ずかしがりながらも頷く。

「じゃー、汚くないです」

女性はそう言うと少年の浴衣裾の隙間から手を忍び込ませてくる。パンツ越しに女性の指が固く大きくなったもの先に触れる。

「素敵なかわいいステッキ」

女性が爪を立てるように指先で、かりかりと擦るように固く大きくなった先を刺激してくる。びりびりと小さい電気のような気持ちよさが身体を駆け巡り、一気に肌が粟立つ。

「お姉さんやめて」

「もしかして、痛かったりして、気持ちよくない?」

「違う。その逆、気持ちよすぎて・・・」

少年の言葉は呂律が上手く回らなず少し舌っ足らずに聞こえる。

「良かった。じゃぁ、もっと気持ちよくなりません?」

「えっ」

少年が一瞬固まった瞬間、女性がパンツを下ろす。浴衣の裾の隙間から大きくなったものが露わになり、パンツは床へと落ちた。

「待って」

少年の言葉は遅く、ほっそりとした女性の指が、固く大きくなったものに直接触れてくる。指先は楽しむように固く大きくなったものを這う。ぞわっとするもどかしく、でも気持ちいい感覚が身体を駆け巡る。女性は楽しそうに少年の反応を見ながら、固く大きくなった先に触れてくる。

「やっぱりまだ皮被ったまま・・・かわいい」

女性はそう云うと、固く大きくなった先を隠す皮を剥く。

「あっ」

女の子のような高い、かわいい声を少年は上げ、おもいっきり腰を引く。抜身になった先は敏感で空気が触れ、ぴりぴりと刺されるような細かな刺激が走り、スースーして痛い。

「ごめんなさい、痛かった?」

女性が心配そうな声をかけてくる。けれど指は剥けたばかりの先に触れ、優しく先を撫でてくる。

そわっとする。どこかむず痒く、もどかしいながらもどこか気持ちいい不思議な感覚。少年は初めての感覚に戸惑う。

「どうですか?気持ちよくなってきましたか?」

先の膨らみの溝に女性は指先を這わしてくる。

「あっ、だめ。お姉さん、そこ、きもちいい」

腰を思いっきり引きながら情けない声を少年はあげた。

「逃げたら、だ~めっ。これからもっと気持ちよくなるんですから」

とろけてしまいそうな甘い、纏わりつくような声が耳元で囁かれ、ほっそりとした女性の指先が固く大きくなったものを握ってくる。そして優しく指先が上下する。身体の力が抜けていく気がする。

少年はだらしなくぽかんと口を開きながら「お姉さん、だめ。ちんこ。ちんこがおかしい」と舌っ足らずの情けない声を上げる。

「どうおかしいの?」

「どうって・・・むずむずしてぞわぞわして、もどかしくって、でもめちゃくちゃきもちよすぎて、わけわかんない」

「ふふっ、そうですか。ならもっときもちよくなっちゃいましょう」

とろけてしまいそうな甘い、纏わりつくような声で笑うと、女性の指の動きは激しくなり、ときどき指先が先を撫でる。すると女性の指先がまるで濡れたようにかすかな湿り気を帯び、くちゅっ。くちゅっ。と微かな水音が、指が上下するたびに聞こえてくる。

そしておしっこを我慢している時に似た、切迫感が襲ってくる。

「お姉さん、やめて。おしっこもれちゃう」

少年は慌て、まくしたてるように言う。けれど女性の指先は動きを止めない。それどころか更に激しくなり、ぐちゅっ。ぐちゅっ。と女性の指が膨らみの溝を擦るたびに水音が大きくなる。

──お姉さんの手、ヌルヌルしてきてきもちいい。でも・・・

圧迫してくる尿意に似た感覚に焦りを感じる。

「お姉さんだめ、やめて。おしっこもれる」

「だ~めっ」

とろけてしまいそうな甘い、纏わりつくような声で笑う。その声は蠱惑的で頭の中でリフレインし、ぞわりと身体を震わせ、圧迫してくる尿意に似た感覚を更に圧迫してくる。少年は身体に力を入れ必死にこらえる。

「あっ、だめ。ほんとだめ。お姉さん。ほんとうにおしっこ出る」

少年は必死に堪えるが女性の指は止まらない。

「だめ出る」

少年は腰を引き、女性の手に出さないよう逃げようとした。けれど女性の手は固く大きくなったものの先を包むように握ってくる。女性の手のひらはあったかかった。

どくん。どくん。まるで脈打つように、固く大きくなったものが女性の手の中で暴れている。我慢をしていたおしっこをした時に似た、けれどそれよりも気持ちの良い、とろけ出る感覚が固く大きくなったものを伝い外へ放たれていく。

──出ちゃった。おもらししちゃった・・・

「お姉さんごめんなさい」

「なにがですか?」

お漏らしをしてしまったと思い肩を落とす少年とは対象的に、女性はどこか楽しそうな笑みを桜色の唇に浮かべる。

「その・・・お姉さんの手の中で・・・えっと、おしっこ・・・もらしちゃって・・・」

「そうですか。おもらししちゃったと思ったんですね」

女性はふふっと笑い、かわいい。とこぼした。けれど少年の耳には届かない。

「安心してください。これはおしっこじゃなくて、キミが大人になった証。ほら見てください」

握っていた固く大きくなったものから手を離すと、女性は手を見せてくる。女性の手のひら。特に指先がどろりとゲル状の白濁したもので汚れていた。

「えっ、これって・・・やっぱ俺」

少年は白濁したものを見て、顔をひきつらせる。

「ふふっ、安心してください」

なだめるような優しい女性の声。優しい声はどこか安心する。

「さっきも言いましたが、これは精液と言って、キミが大人になった証。特に病気でもなんでもないですから安心してください。その証拠に」

女性は白濁したものがついた人指を舌で舐めた。

「きっ、汚いですよ」

少年は慌てながら言う、けれど女性は少年の声に耳を傾けず、人指を舐める。その仕草はまるでアイスを舐めているかのよう。女性は丁寧に人指を舐めると、中指を桜色の唇で咥え、ちゅっ。ちゅぱっ。と桜色の唇が艶めかしいリップ音を立てる。

その仕草はいやらしく、ぼんやりと下腹部が熱くなってくる。少年は女性の仕草に目を奪われた。

白濁したもので汚れていた女性の手はキレイになった。

「別に汚くもないですよ。ところで、一人でしたこと・・・オナニーしたことあります?」
女性は白濁したものを舐め終えると、ニコリと笑いながら言う。

オナニー。桜色の唇から聞こえた言葉に少年は身体をビクッとさせる。

──オナニー・・・ってあの、オナニー・・・

言葉は知っているが言葉がなにを示す言葉か少年は知らない。少年は首を横にふり言う。

「オナニーって言葉は知ってるけどなにかは知らない」

「あら!」

少年の言葉を聞き、女性はどこか愉しそうな声を上げ、暗色の蒼い瞳を大きく開き、桜色の唇の端を上げる。

「そうでしたか。オナニーって言うのはさっきしたように、手でおちんちんを上下にシュッ、シュッ。ってするの。わかりましたか?」

少年は女性が言ったように固く大きくなったものを手で握り、動かす。女性の手でしてもらった時のようにきもちいい。でも、女性の手のほうが温かく、柔らかくて気持ちが良かった。

「ふふっ。やり方覚えてしまいましたか。けど、今はそれ以上したら、だめ」

女性が手を握ってっくる。女性の手はあったくてやわらかい。

「もっと、きもちいこと・・・したくないですか?」

暗色の蒼い瞳がまっすぐと見てくる。暗色の蒼い瞳は吸い込まれてしまうと思うくらい綺麗で魅力的で、涙ボクロがより一層の蠱惑的にさせる。少年は手を動かすのを忘れる。

──もっと気持ちいいことってなんだろう。さっきのオナニーなんかより気持ちいいの?

さっき知ったばかりのきもちいいよりも、更にきもちいい未知のきもちいいがあることに少年は喉を鳴らし、頷いた。

「なら一緒にきもちよくなりましょう」

とろけてしまいそうな甘い、纏わりつく誘惑的な女性の声が耳元で囁かれた。

目の前で女性が立っている。改めて女性の立ち姿はスラリと背が高く、浴衣に隠されているが手足も長く、美しい。少年は足元から徐々に視線を上げ、女性の身体を見ていく。その途中、ふっくらとなだらかに盛り上がった膨らみで目が止まる。

──おっぱい・・・

少年は喉を鳴らす。

「ふふっ、忘れちゃいましたか?女の人は男の人の視線に気がつくんですよ」
笑うように女性が言ってきた。

少年は慌てて、視線を膨らみから顔をそらした。けれど視線の端で膨らみを盗み見てしまう。

かわいい。女性は口元に笑みを浮かべながら言う。その言葉を小さく少年の耳へは届かなかった。

「そんなに、ここ、見たいんですか?」

女性は胸元の浴衣に指を引っ掛け、わざと緩める。少し着崩れた浴衣から白い胸元が露わになり、谷間が見える。

少年は喉を鳴らす。

「見たい」

少年は無意識に言い、頷いていた。

「ふふっ、正直。そんなに、ここ、見たいのならキミが脱がしてください」

更に浴衣の胸元を緩めさせながら女性は言う。

少年は「えっ」と言い思わず女性を見た。

女性は桜色の唇に薄っすらとした笑みを浮かべていた。

「良いの?」

「キミが見たいのなら。もし見たくないのなら構わないですけど」

「見たい。みたいです」

「なら、浴衣の帯の外し方わかりますよね」

少年は頷いた。そして浴衣の帯に手を伸ばした。自分の帯びだったら簡単に外せるのに、手が震えて上手く外せない。

「あれ、あれ」と四苦八苦しながらどうにか帯を外すことが出来た。

音もたてず、浴衣が着崩れていく。

外した帯を少年は握りしめ、女性を見た。帯がなくなりった浴衣は女性の肩からだらりと垂れ下がり、白い肌が露わになる。そして、なだらかな膨らみをと下腹部をわずかに隠す、藤の花を思わせる紫色のセットアップの下着が姿を見せた。

「上手に帯、外せましたね」

そう言うと女性は開けた女性は脱ぎ始めた。少年は喉を鳴らし、その様子を眺めた。
浴衣がするりと音も立てず女性から離れていく。女性の脱ぐ動作は美しくもいやらしく思えた。

浴衣を脱ぐと女性は背後にある広縁の椅子へ振り返り、椅子に浴衣をかけた。女性の背中やお尻が見える。少年は女性のお尻を見て目を驚いた。

──えっ・・・

お尻の白い肌を隠す布地はほぼなく、白い肌がさらけ出されている。そして僅かな布地も白いお尻の割れ目に食い込んでいる。

──もしかしてTバックっていうやつ?

少年は初めて見るTバックに衝撃を受け、階段で見た女性の後姿・・・お尻を思い返した。そしてあの時に感じた違和感の正体に気がついた。

違和感の正体は下着のラインが見えなかったこと。人によっては下着のラインがくっきりと見えてしまっている。けれど女性のお尻にはその下着のラインがなかった。そしてなぜ下着のラインがなかったのかがわかった。

下腹部がぼんやりとまた熱がともったように熱くなってくる。少年はお尻。特に割れ目に目が釘付けになる。すると、女性の手がお尻の割れ目を隠してしまう。

「ふふっ、とっても熱い視線。けど、そこはまだ」

女性はゆっくりと少年の方に振り返る。

浴衣を纏わぬ女性。身体を隠すのは紫のランジェリーだけ。少年はまずブラジャーを見る。膨らみを隠すようにブラジャーには刺繍の花達が咲き誇っている。そして微かにだが花の隙間から白い肌が透けて見える気がする。

──もしかして、透けてる・・・?

少年は生つばを飲み込み、視線を落としショーツを見る。
ショーツはブラジャー同様、紫の刺繍の花達が咲き誇り、細い紐がショーツを腰のあたりで支えている。そしてショーツも薄っすらと白い肌が透けて見え、それとは別に黒いものが見える。

少年はなんだろう?と首を傾げながらもショーツを凝視する。けれど黒い正体はなにかわからない。

少年はショーツからまたブラジャー。なだらかな膨らみに視線を戻した。
なだらかながらも谷間はしっかりとあり、白い肌はすべすべとしてさわり心地が良さそう。

──「触ってみたい」

少年はつばを飲み込む。

「なら、触ってみますか?」

とろけてしまいそうな甘い、纏わりつくような声が耳元で囁いた。

「えっ!?」

少年は驚き、女性を見る。暗色の蒼い瞳がまっすぐと見つめてくる。

「もっ、もしかして、声、出てました」

「えぇ」

ニコリと女性は笑い、楽しそうに言った。

──バレてた・・・でも。いま触って良いって・・・

少年は覚悟を決め、口を開く。

「ほんとに触って良いの?」

「良いですよ」

女性のほっそりとした指が手首を掴んできたかと思うと、力強く自分の方へ引き寄せた。

ふにっとした、柔らかな感触に両手の指先が沈む。なんだ。と少年が指先を見ると、指先は紫の刺繍の花を摘もうとしていた。

「えっ」

少年は思わず指先に力を入れる。ふにっとした柔らかな感触。それにするりと肌触りの良い布地の感触。少年はさらに力を入れる。柔らかなふにっとする柔らかな感触は力を入れただけ指先が沈み、微かに反発する。今度は指先の力を抜く。もちっとした弾力が指先を弾き返そうとしてくる。もう一度力を入れ、柔らかな感触を確かめる。柔らかな感触は力を入れただけでも指先が沈み込みながらも反発する。少年は指先を見た。指先は紫の刺繍の花を潰すように、女性のなだらかな膨らみを揉んでいた。

少年は何度も指先に力を入れては抜き、柔らかな感触を楽しむ。

──すっげぇ、柔らかい。でも・・・

するりと肌触りの良い布地の感触が指先の感触を鈍らせる。

「どうですか?さわり心地」

桜色の唇に笑みを浮かべた女性が内心を見透かすように聞いてきた。

「柔らかくってすっごくきもちいい。けど」

「けど?」

「・・・おっぱい、直接触りたい」

恥ずかしがりながらも少年は素直に口にする。

「構いませんよ」

「良いの!」

「えぇ。ですから一度手を離してもらっていいですか?」

「やった!わかった」

少年は声を弾ませ、指先を柔らかな膨らみから離した。

「少し、待っててくださいね」

女性はそう言うと手を背中に回し、もぞもぞとしている。少年は何してるんだろう?と眺めていると、いつの間にかブラジャーの肩紐が緩んでいる。女性は片方の肩紐を肩から外し、そのまま腕を通す。

そしてもう片方も同じ様にする。なだらかな膨らみを隠していた紫の刺繍の花が消え、白い肌が露わになる。慎ましいながらも、小さいお椀の様にふっくらと丸みがあり形は綺麗。そして桃の花を思わせる淡い赤い色の丸い輪郭に、ツンとした突起。

──おっぱいだ

少年は生つばを飲み込む。

「ほっ、ほんとに触って」

「えぇ、かまいませんよ。ふふっ」

先程と同じ様に少年の手首を、女性のほっそりとした指が掴む。そして柔らかな膨らみへ導く。

しっとりもっちりとした吸い付くような感触。それでいて、すべすべして滑らかで指ざわりが良いあたたかな感触が両方の指先にある。少年は喉を鳴らし、指先に力を少しいれる。

ふにっと指先が力を入れただけ柔らかな感触に沈んでいく。そして微かに反発する。今度は力を抜く。するともちっとした弾力が指先を弾き返そうとしてくる。少年はまた力を入れ、柔らかな感触を確かめる。

力を入れただけ、むにっと指先が沈み、しっとりとして、すべすべな感触が指の中にある。布地がないだけで指ざわりが全く違う。

「すげぇ、なにこれ。おっぱいすげぇ」

少年は何度も指先に力を入れては、抜き、指先で膨らみの柔らかな感触を楽しむ。

「ふふっ」

女性は桜色の唇に笑みを浮かべながら少年を優しく見守る。

しばらく女性の膨らみを堪能していると、手のひらに固いぷっくりとしたものが当たる。それも両方の手のひらに。

なんだろう?少年は後ろ髪を引かれる思いながら右手を膨らみから離した。するとぷっくりとした桃色の突起があった。左手を柔らかな感触に触れたまま、指先を下へ滑らす。指の隙間からぷっくりとした桃色の突起が姿を現した。

──これって・・・

少年は顔を上げ、女性を見た。暗色の青い瞳が涼やかな笑みを浮かべる。

「吸ってみます?」

「良いの」

「えぇ、かまいませんよ」

女性の言葉を待たずに少年は桃色の突起にしゃぶりついた。どこか懐かしく優しいほんのりとした甘さがふわりと口の中に広がる。突起はグミのような弾力があり、少年は無意識に桃色の突起をついばむように甘噛む。ちゅぱちゅぱと少年が甘噛むたびにリップ音が部屋に響く。

「かわいい」

必死な少年の頭を女性は優しく撫でた。

父親や母親に撫でられる時とは全然違い、頭を撫でられてるのに不愉快感がなく、どこか不思議な安心感を抱く。

──お姉さん

少年はこれでもかというくらい強く、桃色の突起に吸い付く。どこか懐かしく優しいほんのりとした甘さがぶわっと口中に広がる。

「んんっ。あっ・・・。そんなに吸い付いてもおっぱいは出ませんよ」

とろけてしまいそうな甘い、纏わりつくような声がこぼれ落ちてくる。

おっぱいが出ようが出まいが関係ない。少年は桃色の突起になんども必死に吸い付く。ちゅぱ。ちゅぷ。ちゅぱっ。といやらしいリップ音が部屋に響き、「あっ」「んんっ」「はぁんっ」「ンあっ」「ふくっ」「んッ」「ッッ」艶めかしい女性の吐息がこぼれ落ちてくる。

──やらしい声

女性の吐息を聞いていると、ぼんやりとした熱が身体の内側から込み上がってくる。痛いくらいに更に固く、大きくなっていくのがわかる。そして柔らかなものに剥けたばかりの敏感な先が触れる。微かに腰を動かすと、すべすべして柔らかく弾力のあるものに擦れ、きもちいい。

少年は腰を動かし、敏感な先を柔らかなものに擦り付ける。柔らかな感触は女性のふとももだった。

──これきもちいい

ぞくぞくと少年の背筋は粟立つ。

──やばい。腰とまんない

きもちよさから少年は腰を必死に動かし、柔らかなものに敏感な先を擦り付ける。ぞわぞわとした熱が下腹部に集まってくる。

──まただ。さっきお姉さんに手でしてもらったみたいに、ちんこが

おしっこを我慢している時に似た切迫感。けれどもおしっことは違う。少年は女性の手を汚した白濁したものを思い出した。

──アレだ。アレが出る感覚

固く大きくなったものから放たれる気持ちよさを思い出し、少年は腰を必死にふる。すると。

「だーめっ。これ以上は」

とろけてしまいそうな甘い、纏わりつくような声がしたかと思うと、固く大きくなったものがほっそりと女性の指に握られ、動けなくなる。行き場を失った熱が身体の中で暴れ、身体の中がぼんやりと焦らし、焦がすように固く大きくなったものに集まっていく。

「お姉さん」

瞳を潤ませ少年は懇願するように女性を見上げた。

懇願する少年を前に女性は、桜色の唇に恍惚に似た笑みをうっすらと浮かべ少年を見てくる。

「これからもっときもちいいことするのに、出しては勿体ないですよ」
とろけてしまいそうな甘い、纏わりつくような声で囁いてくる。

「でも・・・」

「がまん、できません?」

「うん」

「そうですか。なら、お布団に移動して、もっと。も~~っと。きもち良いことしましょう」

「これよりももっときもちいいこと?」

「えぇ、とってもきもちの良いこと。キミはしたくないですか?」

「したい」

「ならお布団へ」

女性は固く大きくなったものから手を離すと、少年に背を向け、離れていく。浴衣を脱ぎ、ブラ外した女性が身に纏っているのは紫のTバックのみ。そしてTバックはお尻の割れ目に食い込み、紐しか見ることができない。

少年は揺れる白いお尻を見ながら、喉を鳴らす。

先に布団へ着いた女性が振り替えてくる。鶯色の短い髪が微かにふわりと舞い、白いお尻は見えなくなる。その代わりにふっくらとなだらかな膨らみと桃色の突起に、紫のショーツが見える。

桜色の唇にやわらかな笑みを女性は浮かべ、手を広げ差し出してくる。

少年は差し出された手に向かって駆け出す。そして女性の元にたどり着くと、包み込むようなぬくもりと、ふっくらと柔らかな心地よい感触が少年を包み込んでくる。

「きもち良いことしましょう」

とろけてしまいそうな甘い、纏わりつくような声。少年は包み込むようなぬくもりと、ふっくらと柔らかい心地よい感触に顔を埋め「うん」と頷いた。

「ねぇ・・・これ、キミが解いてくれますか」

女性は少年の頭を優しく撫でてから、ゆっくりと離れていき、ショーツの腰紐をほっそりとした指先で摘んだ。

「えっ」

少年は女性の摘む紐を見る。紐は両方の腰横で結ばれている。

「それ飾りじゃ・・・」

「飾りのもありますけど、これは正真正銘ココで結ばれています。ですので、靴紐のようにこの紐を引っ張ると解けるんです。キミが紐を解いてくれませんか?」

「いいの?」

「えぇ、構いません。ダメならまずお願いなんてしませんから」

女性は桜色の唇に薄らとした笑みを浮かべながら言った。

少年は喉を大きく動かし、手を震わしながら紐に指をかける。そしてゆっくりと紐を引いた。

靴紐を解く時と同じ様に、するりと簡単に紐は解けてしまう。少年は紐を手放し、紐の行方を目で追う。紐は自重から下へ落ちていく。けれど解いたのは片方だけ。

紐は布団へ落ち着ことなく、中途半端なところで止まる。少年はゆっくりと紐伝いに視線を上げていく。紐は布地へと変わり、紐の重さからめくれる。裏から見てもショーツは透けている。

──やっぱ透けてたんだ!

少年は妙な感動を覚える。

そして透き通る白い肌とも、ふわりと膨らんだ柔らかな鶯色のボブ・ショート違う、毛が姿を現した。少年はショーツに隠されていた毛に目が奪われてしまう。

「もう片方も残ってますよ」

笑うように女性は囁いてくる。

少年はもう片方の紐を指で掴むと、生つばを飲み込み、よし。と心の中で掛け声を出し、紐を引っ張った。

するっと紐は簡単に解ける。少年は掴んでいた紐を手放した。支えるものがなくなった紫のショーツは、雫が落ちるように静かに布団へと落ちていく。そしてぼとり音をたて布団へ落ちた。

少年は女性を見た。一糸まとわぬ姿。着ていた笹柄浴衣も、紫のランジェリーも身に纏っていない。少年は女性の身体をまじまじと見る。

ふわりと膨らんだ柔らかな鶯色のボブ・ショート。白磁器の様に透き通る白い肌。くりっとした暗色の蒼い瞳に泣きぼくろ。すっと通った鼻筋。ふっくらとした桜色の唇。キレイな鎖骨。慎ましいながらも、小さいお椀の様にふっくらと丸みがあり、形がとても綺麗な二つの膨らみ。そして桃の花を思わせる淡い赤い色の丸い輪郭に、ツンとした突起。細く、華奢に見えるくびれたお腹周り。縦にすっと伸びたおへそ。スラリと伸びた脚。そしてふわりと膨らんだ柔らかそうな髪とは違う、癖の強いけれど柔らかそうな茂み。

スタイルの良い女性はただただ美しく、一種の芸術作品に思えてしまう。

──きれい

初めて見る家族以外の女性の裸に、少年は目を奪われてしまう。けれど、痛いほど固く大きくなったものが自己を主張してくる。身体の奥底がくすぶった様に熱い。少年は暗色の青い瞳を見た。女性は桜色の唇に柔らかな笑みを浮かべる。そして着崩れた少年の浴衣を脱がしてくる。

浴衣を脱がされ、少年は女性と同じ一糸まとわぬ姿に。固く大きくなったものがそそり立っている。少年は気恥ずかしさから手で隠した。

「隠さなくていいですよ」女性は少年の腕を掴むと無理やりどかし「とても元気ですね」女性はほっそりとした指先で、少年の固く大きくなったものの先に触れてきた。

ぞわりと身体が粟立ち、くすぶっていた熱が先からあふれ出る。

「ふふっ、がまんできませんよね」

とろけてしまいそうな甘い、纏わりつくような声を少年の耳元で女性は囁いた。囁きを聞いただけなのに、固く大きくなったものが痛いくらいさらに大きくなる。

少年は頷き「できない」と言った。

「なら、一緒にきもちいいことしましょう」

「うん。でもきもちいいことって、また手でするの?」

「違いますよ」

「違うの?」

「えぇ。きもちいいことは、えっち。セックスのことです。聞いたことありませんか?」

「ある・・・。けど、俺よくわかんない」

「そうでしたか。セックスって言うのは・・・立ったままではアレですね」

女性は布団に座ると、少年に座るよう促す。少年は促されるまま、布団に正座する。すると女性は両膝を立て、脚を開いた。俗に言うM字開脚。少年は思わず手を前に付き、前のめりで開かれた女性の秘部を見た。

透き通る白い肌に、癖の強いけれど柔らかそうな茂み。茂みはよく見ると整えられている。そして縦にすっと伸びた閉じた割れ目。

「見えてますか?」

「う、うん」

女性の問いかけに少年は頷く。女性は手を膝の裏から回し、割れ目をほっそりとした指で広げる。くぱぁと、ほんのりと淡い薄紅色の秘所が見える。強制的に開かれた秘所は、薄紅の膣中を覗かせ、蠢くように伸縮している。

初めて見る秘所は少しグロく感じる。けれどそれ以上に、蠢くように薄紅はいやらしく思ってしまう。

「セックスは、ここにこうやって、おちんちんを挿入れるんです」

そう言うと、女性は秘所から指を離し、上からほっそりとした中指を秘所に沈めていく。秘所はほっそりとした指の付け根まで飲み込んでいく。

「そしてこうやって」

女性は指をゆっくりとほっそりとした中指を動かす。秘所から出てきた指は、水に濡れたように湿り気を帯び、艷やかに光っている。そしてまた指を秘所に沈める。

なんどもか女性が繰り返していくうちに、くちゅっ。くちゅっ。といやらしい纏わりつく水音が聞こえてくると、女性は指を秘所から抜いた。指は艷やかに光り、とろっとした水みたいなものが纏わりついている。秘所もいやらしい光り、くぱぁと口を開けたように薄紅の膣中を覗かせている。

「わかりましたか?セックスはこの指のようにおちんちんを女性のここに。まんこに挿入るんです」

少年はなんども頷いた。固く大きくなったものが破裂してしまうと思うくらい痛く、熱い。

──もう我慢出来ない。はやくセックスしたい

少年は逸る気持ちが我慢できず、鼻息が荒くなる。

「ふふっ。もう我慢できないですよね」

女性が脚を伸ばし、足の指で固く大きくなった先に触れてきた。

──あし!?

予想だにしていかなった女性の行動に、ぞわりと身体が一瞬で粟立ち、むずむずとしてくる。

──もうだめ・・・

「お姉さん触らないで。触られると出ちゃう」

「あら、それはもったいないですね」

女性の声と共に世界が音もなく廻る。見慣れない天井が広がり、暗色の青い瞳が見下ろしてくる。

「射精すならココにお願いします」

女性が馬乗りしてきたかと思うと、膝を立て、脚を開き、見せつけるように秘所を指で広げてくる。薄紅の膣中を覗かせ、蠢くように伸縮している。

少年は秘所を見ながら無言で何度も頷いた。

「では・・・。これから一緒に、きもちよくなっていきましょうね」

そう言うと女性は腰を上げ、濡れたほっそりとした指で、固く大きくなったものにふれてくる。触られただけで出てしまいそう。

──やばい・・・

「ほんの少し我慢してくださいね」

女性の問いかけに少年は頷き、身体に力を入れ耐える。
ゆっくりと固く大きくなったもの上に女性の身体が落ちてくる。ぬぷっと、まるでぬるいお風呂に浸かってるような温かさに、固く大きくなったもの先から包まれていく。ぬくもりは数の子の様につぶつぶしていて、ふれただけで気持ちいい。

徐々に固く大きくなったもの根本まで、お風呂に浸かっているようなあたたかさに包まれる。それは身体全体が溶けてしまうかと思ってしまうほど気持ち良い。

少年の身体はぞくりと粟立つ。

──なにこれ

初めて味わう蕩けるようなぬくもりに少年は戸惑っていると、固く大きくなったものにぬくもりが蠢き、絡みついてくる。特に敏感な固いものの先にとても細かいつぶつぶとしたものが絡みつき気持ちいい。

──出ちゃいそう。でも出したら終わっちゃう・・・
まだぬくもりを味わっていたく少年は思わず布団を握り、きもちよさに耐えようとする。けれど・・・。

「ふふっ、見てください。キミのおちんちんが私の膣中に挿入ってるの見えますか?」

女性が手を後ろにつき、身体を後ろへ倒す。

ぬくもりが蠢きながら、しごくように絡みついてくる。つぶつぶしたものが固く大きくなったもの全体をやさしくさする。くすぐったくも、とてもきもちいい。ぞわっと身体の奥底から熱がこみ上げ、身体が震える。痛いくらいに大きくなる。

「でちゃう」

どぴゅっ、どぴゅっ。と女性の手を汚した白濁したものを出した時と同じ、きもちいい出ていく感覚が身体を駆け抜けていく。

──でてる・・・

どくん、どくん。と固く大きくなったものが、蕩けるようなぬくもりの中で脈をうっている。
少年は自分のものを見た。固く大きくなったものが女性の秘所の中に挿入っている。

──ほんとうに入ってるんだ

少年は他人事に思えてしまう得も言えぬ、どこか夢見心地に似た不思議な感覚に囚われる。けれど固さを失った少年のものをやさしく包む蕩けるようなぬくもりが現実だと教えるが、まだ夢見心地に思えてしまう。

「出ちゃいましたか」

とても物足りなそうに女性が呟く。

「けれど仕方ありませんね、初めてでしたから」

暗色の青い瞳がまっすぐと少年を見てくる。こんな状況なのに、暗色の青い瞳は吸い込まれてしまうかと思うくらい美しく、少年はつばを思わず飲み込んだ。

「まずは、そうですね・・・童貞卒業おめでとうございます」

柔らかな笑みを浮かべながら女性は言った。

「どう、てい?そつぎょう?」

初めて聞く言葉と、ナニを卒業したんだろうと疑問を抱く。

「もしかして、童貞ってなにかわかりませんか?」

女性の言葉に少年は頷く。

「そうでしたか。童貞とは、セックス。性交渉がない男性のことを言うんです」

「じゃぁ、おれも?おれセックスなんてしたことない」

「えぇ、そうですね。ほんの少し前までは。でもここ見てください」

女性は固く大きくなったものを咥えた秘所を指で開く。薄紅の膣中に固さを失ったものが挿入っている。

「キミのおちんちんが私の膣中に挿入ってますよね」

「う、うん」

「いまキミは私とセックスしてるんです」

「えっ・・・」

少年は改めて、固さを失ったものを見る。固さを失ったものの根本だけが見え、ほとんどが薄紅の膣中へ挿入っている。そして蕩けるようなぬくもりと、つぶつぶしたものが、固さを失ったものに絡みついてくる。少年は女性を見る。

ふわりと膨らんだ柔らかな鶯色のボブ・ショート。白磁器の様に透き通る白い肌。くりっとした暗色の蒼い瞳に泣きぼくろ。すっと通った鼻筋。ふっくらとした桜色の唇。キレイな鎖骨。慎ましいながらも、小さいお椀の様にふっくらと丸みがあり、形がとても綺麗な二つの膨らみ。桃の花を思わせる淡い赤い色の丸い輪郭に、ツンとした突起。細く、華奢に見えるくびれたお腹周り。縦にすっと伸びたおへそ。スラリと伸びた脚。ふわりと膨らんだ柔らかそうな髪とは違う、癖の強いけれど柔らかそうな茂み。そして薄紅の秘所。秘所は固く大きくなったものを咥えている。膣中は蕩けるようにあたたかく、つぶつぶしたものが蠢き、絡みつききもちいい。

──おれ・・・せっくすしてるんだ・・・本当にセックスしてるんだ!こんなキレイなお姉さんと!

夢見心地が徐々に現実へと変わる。固さを失ったものがまた固く大きくなっていく。

「ふふっ、まだまだ元気ですね。まだきもちいいことしたいですよね?」

「うん」

「ならきもちいいこと、一緒にしましょう」

口元に笑みを浮かべると女性は身体を起こす。ぐにゅっ。と、膣中が蠢き、固く大きくなったものに絡みついてくる。

──きもちいい。でも、まだ大丈夫

一度出したおかげか、きもちよさに耐えられる。

「我慢できなかったら我慢せず、膣中に射精してしまっていいですからね」
女性はそう言うとゆっくりと腰を前後に動かし始めた。

くにゅ。くにゅ。と柔らかく包み込むように膣中が蠢く。

──きもちいい

少年は女性を見上げる。暗色の青い瞳と目が合う。暗色の青い瞳は微かに笑った気がした。

「どうです?きもちいいですか?」

「きもちいい」

「そう、よかった。ならもっと気持ちよくなりましょう」

女性は腰を少し激しく前後させる。くにゅっ。ぐにゅっ。と少し強く握られるように、つぶつぶしたものが蠢く。絡みついてくる。

「あっ・・・。すごい。さっきよりきもちいい、お姉さん」

「そうですか。でも、これからまだまだ気持ちよくなるんですよ。手、出してもらってもいいですか?」

少年は言われるがまま片手を上へ伸ばした。するとほっそりとした指が組むように絡みついてくる。指はほのかにあたたかい。

「もう片手もいいですか?」

言われた通り、もう片手も伸ばす。ほっそりとした指が組むように絡みついてくる。まるで恋人同士のように。

「ふふっ、ありがとうございます」

柔らかに女性は笑う。その笑みに少年はドキリとしてしまい、ものがさらに固く大きくなる。

「あっ、大きくなった」

「わかるの?」

「えぇ、わかりますよ。キミのが私の膣中で大きくなったのが」

柔らかな笑みを浮かべたまま女性は言う。

──なんだろう。すげぇ、えろい

「えろい、ですか?」

心を読んだかのように女性が言う。

「えっ。な、なんでわかったの」

「それはキミの顔に書いてあるからです」

「うそ!?」

「はい。うそです」

「えっ」

少年は困惑する。でも、顔にでるわけないないと思いながら、女性を見上げる。腰を前後する女性はえろく、こんなにキレイな人もえっちなことするんだ。と思った。

「えっちな女性はキライですか?」

また心を読んだかのように問いかけてくる。少年は、ドキッ。と一瞬鼓動が速くなる。少年は慌てて首を横にふり言う。

「きっ、きらいじゃない。ただ・・・」

「ただ?」

「お姉さんとってもキレイなのに、こんなえっちなことするんだなって」

思っていたことを少年は改めて口にした。

「そうですか。キミはえっちして気持ちよくない?」

少年は首を横にふり「きもちいい」とぽつりとこぼす。

「ふふっ、そうですよね。キミと同じ様に私もえっちすると気持ちいいんです。だから、もっときもちよくなりましょう」

女性は大きく腰を前後してくる。ぐにゅっ。ぐにゅり。と絶え間なく蠢き、固く大きくなったものに絡みついてくる。

「あっ・・・んっ・・・ぁっ、アッ」

少し鼻にかかった女性の甘い吐息がこぼれ落ちてくる。それはとても扇情的でいやらしい。少年は握ってくる女性の指先を強く握り返す。すると暗色の青い瞳が微かに笑った気がした。

女性の前後する腰の動きが更に激しくなる。時折、左右へ動かしたりしてくる。形の良い膨らみが女性の腰の動きに合わせ、柔らかに揺蕩う。

ぐにゅり、ぐぎゅ。ぐみゅ。と絶え間なく蠢き、つぶつぶしたものが吸い付いてくる。そして膣中奥からあついとろけてしまいそうな熱が、湯のようにこんこんとあふれでてくる。少し熱い温泉につかっているようで、とろけそうなくらいきもちいい。

「どうですか?きもちよくなってきましたか?」

「きもちいい。すごいきもちいい。お姉さんのなか、温泉のようにあつくってきもちよくって、ちんことろけそうできもちいい」

「そうですか。でもまだ私、満足できてないんです。だからもっと激しくしていいですか?」

「えっ、激しく・・・って?」

「こうするんです」

女性が絡めていた指を解くと、少年の顔の横に手をついてくる。桃の花を思わせる淡い赤い色の丸い輪郭に、ツンとした突起。白いふっくらと丸みがある形のとても綺麗な二つの膨らみが、少年の視線の先で揺蕩う。

──おっぱい

目の先で揺れたきれいな膨らみに、少年は息をのみ、ものを更に固く大きくする。

「ふふっ、また大きくなりましたね。もし射精そうになったら我慢せず、私の膣中で射精してかまいませんから」

「う、うん」

「では動きますね」

女性は腰を上下に動かし始めた。腰の動きに合わせ、綺麗な膨らみが大きく上下に揺蕩う。ぬぷっと吸い付くように、膣中のつぶつぶが固く大きくなったものにねっとりと絡みつき、しごいてくる。さっき手でしごかれた時も気持ちよかったが、それ以上ねっとりとした熱が絶え間なく蠢き、絡みついてきて、きもちいい。

ぞわぞわと気持ちよさから身体が粟立つ。

とろとろと溶けてしまいそうな熱が、膣中から固く大きくなったものを伝い、身体に根本周辺まで溶かそうとしてくる。

少年は固く大きくなったものを見る。白い肌と柔らかそうな茂みに固く大きくなったものが女性の動きに合わせ、姿を見せたり隠したりしている。そして、ぐちゅっ。ぐちゅっ。と水が混じり合う音が、女性と繋がった下腹部から聞こえてくる。

──なんかえっちな音

初めて聞く水音に少年はさらに興奮する。

「んっ、あっ・・・きもち、いい・・・ですか?」

吐息混じりの甘い女性の囁きに少年は頷いてから言う。

「お姉さんの膣中か、どろどろとあったかくて、つぶつぶしたのがちんこに絡みついてすっごくきもちいい・・・。お姉さんもきもちいいの?」

「えぇ、きもちいいですよ・・・ンんっ」

どろりとあつい塊が膣中奥から墜ちてくる。つぶつぶした感触がざらざらと、つのが立ったように鮮明になる。敏感な先が常にざらざらとこすられ、きもちいい。固く大きくなったもの全体もまるで手で握られ、しごかれている様にきもちいい。

──きもちよすぎ・・・

ぞわりと身体の奥から熱がこみ上げてくる。

「だめっ、あっ・・・。お姉ひゃん。・・・ちょっ、ちょっひょ、まっへ。きっ、きもちよす・・・ぎて、もう・・・」

少年は息を荒くし、きもちよさから情けない声を上げる。

「我慢しないで、んっ、ぁっ・・・びゅっ、びゅー。って、射精て良いですからね」

「やだ。まだお姉はんと、ひもひいいことひたい」

「ふふっ、嬉しい。んンッ・・・でも、我慢は身体に悪いですよ。ですから・・・ッぁ。射精てください」

桃の花を思わせる淡い赤い色の丸い輪郭に、ツンとした突起。形の良い、白い丸い膨らみが顔めがけて墜ちてくる。

──えっ

視界が真っ暗になり、柔らかくて、どこか懐かしい優しい香りのぬくもりが少年の顔を覆う。口先にツンとした突起が触れる。

──もしかしてこれって・・・

口先にふれる突起を甘噛む。どこか懐かしく優しいほんのりとした甘さ。

──お姉さんのおっぱい!

少年は口に含んだ突起に吸い付く。口の中にぶわっと、どこか懐かしい優しい甘さが広がる。すると柔らかなぬくもりが、さらに押し潰すように顔を覆ってくる。窒息してしまいそうだけれども、柔らかなぬくもりはても心地よい。

少年が膨らみの感触を味わっていると、ぱちっ。ぱちゅっ。ぱちん。とナニかがぶつかる音がする同時に、下半身になにかがぶつかっている。そして、ぐにゅっ。ぐぢゅっ。と、更に激しく、どろっとした熱が固く大きくなったものに絡みついてくる。

身体の奥から込み上がってきた熱が、ぞわぞわと身体をふるわす。

──もうだめっ

「お姉しゃん、でる!」

少年は口に含んだ突起を甘噛む。ぐにゅぐにゅぐにゅ。と、これでもかと思うくらい温泉なか比べ物にならない、とろけてしまいそうな熱が、伸縮しながらも蠢き絡みついてくる。

どくん。どくん。と固く大きくなったものが脈をうっている。

──でてる

きもちのいい、とろけ出るような感覚が固く大きくなったものを伝い、とけるような熱へ放たれる。とろけるような熱はまるで根本からしごくように、ぐにゅにゅ。と絡みついてくる。

──きもちよかった・・・それにおっぱいもきもちいい

口に含んだままの突起を甘噛み、吸う。

「んんっ。そんなに吸ってもオッパイは出ませんよ」

甘い吐息と笑みが混じった甘い女性の声する。

──別におっぱい出なくても

かりっ。と微かに歯を立て突起を噛む。

「んんっ」

鼻にかかるくぐもった甘い吐息がこぼれ落ち、ぐにゅっ。とぬくもりが蠢き絡みついてくる。

「お姉さん!?」

予想外の絡みついてくるぬくもりに少年は驚く。そして出したばかりなのにまた固く大きくなる。

「あらあら。まだまだキミのは元気ですね」

女性は身体を起こす。柔らかなぬくもりが離れていってしまう。少年は少し口を尖らせ残念がりながら女性を見る。

桜色の唇に笑みを浮かべた女性は、おへそより少し下の辺りに手を当てると、お腹をさする。ぐっ。と微かに膣中がナニかに押されるように動く。

──もしかして

少年は女性を見上げた。女性の笑みをどこか意味深な笑みに変わる。

「わかりましたか?」

女性の問いかけに頷く。

「そうです。キミのおちんちんがココに挿入ってるんです。わかりますよね」

女性がまたお腹をさする。ぐぬっ。と押されるように膣中が蠢き、きもちいい。少年のが更に大きく固くなる。

「ふふっ。キミのおちんちん、まだまだ元気ですね。なら、まだまだきもちいいこと、たーくさんですよね?」

少年は頷く。

「なら今度は、キミがしたいように動いてください」

そう言うと女性はゆっくりと腰を上げていく。ぐにゅっ。ととろける熱が名残惜しむように絡みついてくる。きもちいい。けど、とろけるような熱はすぐに離れ去ってしまい、代わりに、ひんやりとした冷たい空気が熱を奪い去っていく。

少年は固く大きくなっているものを見た。てかてかと濡れ、鈍く光っている。そして所々に白濁したものがこびりついていた。

固く大きくなったものを抜いた女性は、涼やかな笑みを浮かべてから、背を向けた。白いおしりが少年の視線の先に。少年は思わず喉を動かした。

背を向けた女性はそのまま四つん這いになる。少年は思わず身体を起こした。目の前にぱっくりと口を開いた秘所。秘所は薄紅の中を恥ずかしげもなく覗かしている。

「ここです。わかりますよね」

まるで猫が伸びをするように、女性は膨らみをぺたんと布団へ押し付ける。お尻が突き上げられ、秘所が見やすくなる。女性はほっそりとした指で更に秘所を広げる。蠢く薄紅の中が良く見え、どっぷりとした白濁したものが奥の方に見えた。

──本当にでてたんだ。だしたんだ!

女性の膣中で射精したことを改めて実感する。また痛いくらいに固く大きくなる。

──いれたい。せっくすしたい

少年は生つばを飲み込み、急いで立ち上がり、固く大きくなったものを秘所にあてがう。けれど上手く挿入っていかない。何度も挑戦するがまるで滑るように外れる。

女性の身体に触れることはできるが、最後の最後で失敗してしまう。

「あれ。あれ」

少年は徐々に焦りを感じ始める。すると。

「ふふっ。慌てたら何事もうまくいきませんよ。一度ゆっくりと深呼吸してみてください」

おっとりとした口調で女性が言ってくる。少年は言われた通り、深呼吸をする。すると、女性は少年の挿入れやすい高さにお尻を調整すると、ほっそりとした女性の指が固く大きくなった少年のものに触れてくる。そして導くように秘所へあてがう。

「ゆっくりと落ち着いて、そのまま腰を前へ押し出してください」

少年は頷き、言われた通りゆっくりと腰を前へ押し出す。ぬぷっ。と固く大きくなったもの先が熱に包まれる。少年は焦らずゆっくりと腰を前へ押し出す。

ぬぷぬぷ。と熱をかき分けるように固く大きくなったものが、とろけるような熱にまた包まれていく。蠢き、奥へと引きずるり込むように熱が絡みついてくる。

──あったくってきもちいい

根本近くまですっぽりと、とろけるような熱に固く大きくなったものが包まれた。少年は固く大きくなったものを見る。白いおしりが見える。そのお尻に下腹部が密着し、固く大きくなったものは見えない。少年はゆっくりと腰を引く。ぐにゅっ。と逃すまいと熱が絡みついてくる。

「あっ、きもちいい」

身体をふるわしながら気持ちの良さそうな吐息を少年はこぼし、白いお尻をみた。固く大きくなったものが腰を引くたびに、姿を現してくる。少年は息を呑み、その先を見た。
薄紅の秘所。その秘所に固く大きくなったものが入っている。

──はいった・・

「お姉さん、入ってる。おれできた!」

挿入できたことが嬉しく少年は思わず女性に報告する。

「ふふっ、上手にできましたね。しっかりとキミのが私の膣中に挿入ってるのがわかりますよ」

どこか愛おしむ優しい声色で女性は言うと、

「けどまだ挿入れただけです。これからキミが好きなように。きもちいいように動いてみてください」

少年は「う、うん」と頷き、女性の腰を掴む。

女性の腰は力をいれ過ぎたら壊れてしまうかと思うほど、華奢で、繊細。けれど指先が吸い付くように柔らかく、ほんのりと湿り気を帯びしっとりとしていながらも、すべすべとしていて指ざわりが良い。

──おっぱいも柔らかくってきもちよかったけど、ここもすべすべしてて柔らかくてすごい

少年は腰の柔らかさに驚きながらも、ゆっくりと腰を動かし始める。

腰をゆっくり引く。ぐぬっと熱が蠢き逃さないように蠢き絡みついてくる。

──きもちいい

今度は腰をゆっくり前へ押し出す。ぬぷっと引き釣りこむように、つぶつぶした膣壁が蠢き絡みついてくる。

──こっちもきもちいい

もう一度腰をゆっくり引く。ぐにゅ、ぐぬっ。と熱が蠢き絡みつき、つのがたったようなつぶつぶが擦れてきもちいい。

腰を掴む少年の手に力が入る。ぐぬっと指先が柔らかな肉に沈む。沈む指先を見てから、固く大きくなったものを見る。薄紅の秘所と繋がっている。

──ほんとに入ってる

少年は結合部をまじまじと見る。すると結合部の少し上に違う穴があることに気がついた。

──あれ?これってもしかして

少年は生つばを飲み込み、腰から手を離し、白いおしりにの割れ目近くを触れた。白いおしりもしっとりとしながらも、すべすべしてて、さわり心地が良い。少年は白いおしりの感触を楽しみながら、指先に力を入れ、広げようとした瞬間。

「そこは、だ~めっ。気になるかもしれませんが、キミにはまだはやいです」

女性が見透かしたように言ってくる。

「はやいって、なんで?」

「なんでって言われても・・・言葉にはちょっと、しづらいですね。もしキミがそこが気になって、触りたい、挿入れたいと言うなら、きもちいいことはもうここでおしまいです。それはいやですよね?」

ぐにゅりと突然膣中が蠢き、どろりとした熱が絡みつき、キツく締まる。締りはキツくでもきもちいい。

──あっ、きもちいい・・・これで終わりなんてやだ。もっとお姉さんときもちいいことしたい

「まだお姉さんとえっちしたい。でも・・・」

少年は無意識に指先に力を入れる。

「でもって、もう。変態くんなんですね、キミは」

「へ、変態って」

「そうですよ。お尻に興味あるなんて」

お尻。改めてその言葉を女性の口から聞くと、もう一つの穴がなにか実感する。それと同時に女性のさっきの女性の言葉に違和感を抱く。

──いれるって一体ナニをお尻にいれるの?

視線の先のもう一つの穴を見ながら少年は思う。

「ふふっ、なんども言いますが、女性は男の人の視線に気づくんですよ。キミの熱い視線がどこを見てるのわかります。へ・ん・た・い、くん」

嘲笑うような甘い纏わいつく声で女性は囁いた。

へんたいの言葉に少年は思わずぞくりとしてしまう。

「へ、へんたい違うもん」

「あらそうかしら?まだ熱い視線を感じるのですけど」

「そ、それは・・・お、お姉さんが変なこと言うから」

「あら私?私、変なこと言いましたか?」

「い、言った。お尻にいれるのはやいって」

「そ、そんなこと言いましたか?」

少年の言葉に女性が珍しく言いよどむ。女性は自分の過ちに気がついた。

「言った!お尻にいれるって。なにいれるの?」

畳み掛ける、何も知らない純粋な少年の言葉に女性は返答に窮する。

「やってしまいました。なんて言えば・・・」
少年に聞こえない声で女性は呟き、ため息をこぼし覚悟を決める。

「キミが知りたいなら教えてあげます。ただし・・・」

「ただし?」

「えっちはここまで。終わりです」

「え~。ずるい」

選びようのない二択に少年は不平をもらした。

「大人はずるいんですよ」笑うように女性は言い「きもちいいこと、やめてしまいますか?」

腰を揺するように動かし始めた。白いおしりが少年の目の前で揺れ動く。ぐにゅっ。ぐにゅっ。と、女性の腰の動きに合わせてとろけるような熱が蠢き、絡みついてくる。

──やばい、すっごいえろい

やらしく動く白いおしりに、少年のはさらに固くなる。

──きもちいい。えっち・・・。セックスしたい

「お姉さんずるいよ。きもちいいこと。セックスしたいに決まってるじゃん」

少年は女性の腰を掴むと腰を動かし始める。

くちゅっ、ぐじゅっ、ぐちゅっ。腰を動かすたびにいやらしい混ざり合う水音が繋がりから聞こえてくる。

ぬぷっ。ぐぬっ。ずぷっ。ぐじゅっ。ぐにゅっ、ぐにゅん。と絶え間なく蕩けるような熱が蠢き絡みつき吸い付いてくる。

「お姉さん、きもちいい・・・お姉さんの中すごくきもちいい」

そして、パチン、パチン。と手を叩くような、肉と肉がぶつかりあう音がしする。少年は腰を掴んだまま音がする下を見た。

固く大きくなったものが薄紅の秘所へ呑み込まれ、付け根が白いおしりにぶつかり、パチンと音が鳴る。

「お姉さんもえっちきもちいい?」

「あっ、ァッ。んンッ。もちろん、きもちいいですよ。んァッ。でも、もっと激しい方が好き、です。なので・・・ンんっ。もっと激しく動いてくれませんか?」

とろけたような甘い吐息混じりの嬌声。えろい声がよりえろく聞こえる。

少年は打付けるように腰を動かす。パン!と高い音がする。少年は激しく腰を動かす。パンパンパン。と肉音が部屋に響く。どろっと熱いものが秘所の奥からとめどなく溢れ出てくる。じゅぶ、じゅぼ。と混ざり合う水音が激しくなり、密着する下腹部にどろどろとした熱を感じる。

膣中はどろどろに熱くとけ、蠢き、つのがたったつぶつぶと一緒に絡みつき、敏感なものの先がつぶつぶにこすれて気持ちいい。ぞわぞわと常に身体全体がきもちよさから粟立っている。

──やばい。腰とまんない

少年は必死に腰を動かし続ける。

「んんんっ。あっあっ。ンんっ、アッァッ。んふっ、んくっ・・・アンッ」

腰の動きに合わせて、吐息混じりの甘い気持ちよさそうな女性の嬌声が部屋に響く。

──お姉さんの声、えろっ。お姉さんもきもちいいんだよね?

「お姉さん、きもちいい?えっちきもちいい?」

「ふくっ、ぁっ。きもち・・・いいですよ。んんっ。アッ。後ろから、んんっ。ずんずんと、キミのおちんちんが、ぁんっ。私の膣中をめちゃくちゃに突いて・・・アンッ!あっ、ぁッ。激しくって、私もきもち・・・ンんっ。いいです・・・よ・・・んンッ」

「ほんと!うそじゃない」

「うそなんかじゃ・・・ンんっ。ない、ですよ・・・。キミのおちんちんで・・・私、ぁっ・・・きもちよくなってます・・・だから、んんんっ。キミがきもちいいように・・・んふっ。うごいて、ください」

「わかった」

女性の腰を強く掴み、少年は腰を激しく振る。
少年の腰の動きは激しいが、まだたどたどしくてめちゃくちゃ。浅く突いたり、深く突いたり一定しない。けれどそれがとても新鮮で必死で可愛らしく愛おしく女性は思えた。

ぞわりとまたおしっことは違う、身体の奥から込み上がってきた熱が、ぞわぞわと身体をふるわす。少し視界がちかちかとする。

──またきた

少し慣れた感覚に少年は更に腰を動かす。

「お姉さん、もうでちゃう、だしていい」

「いいですよ。ンんっ・・・びゅっ、びゅーって・・・あんっ。好きなタイミングで、射精してかまいませんから」

「わかった」

少年は腰を振り続ける。

ぬぷっ。ぬぶっ。ぬじゅっ。っと、あつい、とろけてしまいそうな熱が、奥にからとめどなく溢れ出る。ぐじゅっ。ぶじゅっ。ぶぢゅっ。と。混じり合ういやらしい水音が部屋に響き、根本を熱く濡らす。つぶつぶした膣壁が、ぐにゅん。ぐぬん。っと蠢き絡みついてくる。まるで射精を促すように。

ぞわぞわぞわと身体が震える。身体の奥底から込み上がった熱が、固く大きくなったものを痛いくらい大きくする。

──でる

少年はこれでもかというくらい、激しく腰を白いおしりに打ちつけたる。バチン。と肉と肉がぶつかる音が部屋に響く。ぶじゅっ。とあふれ出る水音も響く。

「お姉さん、でる」

掴んでいた腰に力を入れ、女性に覆いかぶさるように腰を曲げる。しっとりと汗ばんだ柔らかな感触に指先が微かに沈む。

どぴゅっ。どぴゅっ。大きく脈をうちながら、固く大きくなったものが女性の膣中で暴れる。

──でてる・・・きもちいい

言葉で言い表せないくらいきもちのいい放出感に少年は身体を震わす。激しく動いていたせいか息は荒く、じんわりと汗をかいているのがわかる。少年は掴んだ腰の感触を確かめ、見る。女性の肌も汗ばみ、しっとりして、白い肌は赤みを帯びている。少年は荒い息を整えながら、白いお尻から背中、首筋をなぞるように見た。女性も息を整えているのか、白い肌が微かに上下しする。鶯色の襟足が微かに揺れ、隙間から白いうなじが見えた。

顔は見ることができないが、あのキレイな女性が半身を布団にあずけ、腰を掴まれていると思うと、まるで征服し、自分のモノにしたかの様に思え、少年は興奮を覚え、喉を鳴らした。

出したばかりのものが微かに固さを取り戻す。

──まだしたい。きもちいいこと、せっくすしたい。・・・動いていいよね

少年が腰を動かそうとした瞬間。

「あの、すみませんが、一度おちんちん抜いてもらっていいですか?」

まだ微かに乱れている女性の甘い声がする。

少年は掴んだ腰を見ながら、躊躇する。

「ふふっ、安心してください。これで終わり。ではなく、キミがしたいだけしてかまいません。ですので、一度抜いてもらっていいですか?」

諭すように女性は言ってきた。女性の言葉に少年は頷き、ゆっくりと腰を引いていく。

ぐにゅっ。と、根本が掴まれたみたいに、ぬくもりが絡みついてくる。腰の動きに合わせ、ぐにゅにゅ。と、まるでもの途中に残る白濁したものを搾り出そとしてくる。

──やばい

抜いているのにものが固さを取り戻してくる。もう一度膣中へ挿入したくなるが少年は必死に堪える。微かに息が荒くなる。

ぬぽっ。とまるで音がしたみたいに先が女性の膣中から抜け、少年は思わず後ろに手を付き座り込んだ。

──やばかった

少年は少し荒くなった息を整えながら、女性のお尻を見た。白い肌が赤らみ、二つの穴が見える。一つは女性に触ったら駄目と言われた穴。その穴はひくひくとしている。

──あっ・・・

少年の視線が釘付けになりかけた瞬間、女性の言葉を思い出す。──女性は男の人の視線に気がつくんですよ──少年は慌てて、視線をすぐ下の穴に移した。
薄紅の秘所。改めて見る秘所は口を開いたように開き、薄紅の膣壁が絶え間なくうねる。そして白濁したものが、こぽっ。と薄紅の秘所から溢れ、布団へとこぼれ落ちた。

──えろっ。あふれるくらい出したんだ

少年は喉を大きく動し、改めて女性の中に出したことを認識する。白濁したもので汚れた薄紅の秘所を見ていると、またふつふつと身体の奥底から熱がこみ上げてくる。
女性は一度身体を布団へ伸ばすと、仰向けになる。

小さいながらも形のキレイな膨らみがぷりんのようにぷるんと揺蕩う。女性は秘所へ指を伸ばすと、ゆっくいと沈める。

「んっ」と少しくぐもった甘い声をこぼしながら指を抜く。白濁したものが指に絡みついていた。

指に絡みつく白濁したもの見て女性は微かに口元を上げた。

「ふふっ」と女性は微かに笑みをこぼすと、身体をゆっくりと起こし、膝を立て、開いた。
薄紅の秘所が見え、その秘所からは白濁したものが溢れこぼれている。

女性はもう一度指を秘所へ沈めると、指先を動かす、くちゅっ。くちゅっ。と水音が微かにする。「ンんっ。ぁっっ」と女性の桜色の唇から嬌声が微かにこぼれ落ちる。秘所からかきだされるように白濁したものが、こぽっ。とこぼれ、布団へと垂れる。

「たくさん出しましたね」

女性は指を秘所から抜くと、桜色の唇へ持っていく。そしてアイスを舐めるように白濁したものを舐めた。

──えっっっ

身体の奥底が滾ったように熱くなり、少年は思わず腰をかがめる。また少年のものは固く大きくなっていた。

「ほんとに元気ですね」
女性が固く大きくなったものを見ながら言ってきた。女性の口元には笑みが浮かんでいる。

「まだまだきもちいいことしたいですよね?」

少年は頷く。

「なら、きてください」

女性は手を広げる。白磁器の様に透き通る白い肌。慎ましいながらも、小さいお椀の様にふっくらと丸みがあり、形がとても綺麗な二つの膨らみ。桃の花を思わせる淡い赤い色の丸い輪郭に、ツンとした突起。少年は女性の身体に、膨らみに飛び込んだ。
女性は少年を受け止めるとそのまま布団へ倒れた。

ふにっと、あたたかくて柔らかな感触が少年を包み込む。少年はその感触に顔を埋める。するとツンとした固いものが顔に触れる。

──これって

見なくてもわかる。少年は顔に触れた固いものを口に含むと、ちゅぱちゅぱ。と赤子のように吸い付いた。口の中にふわっと、どこか懐かしい優しい甘さが広がる。

「そんなにおっぱい良いですか?」

少年は突起を口に含んだまま頷いた。

「そうですか。でも、おっぱいばかりじゃなく、きもちいいことしましょう」

とろけてしまいそうな甘い、纏わりつくような女性の囁き。くにくにと、固く大きくなったものの先をほっそりとした女性の指が弄ってくる。少年は思わずびくっと腰を引いたが、ほっそりと女性の指が、固く大きくなったものを優しく覆うように掴んでくる。

「キミのおちんちんは本当に元気ですね。その元気なおちんちんを私のここに挿入れてください」

女性の指が固く大きくなったものから離れ、今度は手の甲面から少年の指に絡みついてくる。そしてゆっくりと導くように少年の指先を動かす。水っぽい、湿り気をおびたモノが指先に触れる。湿り気は熱をもっている。

「なに!?なにこれ」

少年は見えない未知のものに焦る。

「慌てないでください。いまキミの指が触れているのは私のアソコ──まんこ──です」

女性の言葉に少年は一瞬固まる。

──まんこって・・・あの

ふわりと膨らんだ柔らかそうな髪とは違う、癖の強いけれど柔らかそうな茂み。そして薄紅の秘所。その秘所は奥を覗かしながら、白濁したものが溢れこぼれている。つい先程見たばかりの秘所を少年は思い出した。

少年は生つばを飲み込み、指に力をいれ、湿り気に指を沈める。
ぬぷっ。と湿り気を帯びた熱に指が沈んでいく。どろっとしたものが指先に触れ、どろりとしたあつい熱がうねり、つぶつぶしたものが絡みつき、吸いついてくる。

──すげぇ

指で直に感じる女性の熱に少年は感動する。まだ指で熱を、うねりを、絡みを、吸い付きを感じていたいが、固く大きくなったものを直ぐにこの熱の中へ埋めたくなる。

「お姉さんの中にちんこいれたい。きもちいいこと、セックスしたい!」

「なら一緒に気持ちよくなりましょう」

少年は身体を起こし、頷いた。

まるでひっくり返ったカエルのように女性が膝を上げ、股を広げている。癖の強いけれど柔らかそうな茂み。薄紅の秘所。そしてお尻の穴までしっかりと良く見える。
少年は固く大きくなったものの根本付近に手を添え、秘所にあてがう。

──い、いくぞ

喉を大きく動かし少年はゆっくりと腰を前へ押し出す。固く大きくなったものの先に熱が触れる。

──このまま

慎重に腰を動かすが、ぬるっと滑り上手く先が上手く挿入らない。

──あれ、あれ

何度か挑戦するが上手くいかない。

──なんで・・・「なんでだよ」

少年は少し焦りを感じ、闇雲に挿入れようとする。ただ、ぬるっと先が虚しく滑る。

「落ち着いて」

女性の優しい声と共に、ほっそりと指が固く大きくなったものに触れてくる。

「焦ったら失敗するだけです。焦らずじっくりと落ち着いて。もしダメなら手伝いますが?」

女性の言葉に少年は息を深く吸い、吐いてから首を横にふる。

「大丈夫。一人でいれたい」

「そうですか」

女性はどこか愉しそうに頬を微かに緩め言う。

少年は先の近くを持ち、薄紅の秘所にあてがう。

──あせらない。ゆっくり、ゆっくりと

少年は慎重に腰を押し出す。ぬるっとした感触が先に触れる。

──あせらない。あせらない

逸る気持ちを抑え、腰を動かす。すると、ぬぷっ。とあたたかい温もりに先が覆われる。少年は喉を鳴らし、腰を押し出す。

ぬぷ、ぬぷっ。と固く大きくなったものが、とろけてしまいそうな温もりに包まれる。温もりがまるで更に奥へと導くように蠢き絡みついてくる。
少年は我慢することができず、一気に腰をとろけそうな温もりに固く大きくなったものを突き刺した。

ずぶっ。っと固く大きくなったものが熱をかき分ける。どろっと溶けてしまいそうな熱が奥から溢れ出る。ぐにゅっ、にゅぷっ。とつぶつぶした膣壁が蠢き吸い付くように絡みついてくる。

「あつっ・・すげぇ、きもちいい」

少年の声は溶けたように震え、身体もぶるりと震える。少年は下腹部を見る。固く大きくなったものが女性の中へしっかりと入っている。

「できた。お姉さん上手くできたよ」

一人で挿入れられた事が嬉しく、少年は声を弾ませ報告する。

「ふふっ、よくできました」

柔らかに女性は笑い、優しい声色で言ってから

「でも、まだ挿入れただけですよ。キミのこの逞しいおちんちんで私をきもちよくしてください」

女性は自分のお腹を手で触れる。ぐっ。と、微かに押されるような圧迫感が固く大きくなったものに触れ、ぐぬっ。と、とろけそうな熱がうねる。

少年は「う、うん」と頷き腰を動かし始めた。

腰を引くと、ぐぬっ。ととろけそうな熱が絡みつき、つぶつぶした膣壁が吸い付き、固く大きくなったものを離そうとしない。つぶつぶしたものが先の膨らんだカリに擦れ、びりびりとした弱い電気のような気持ちよさが、身体を震わせ、頭の中までしびれさせる。

──やっぱすげぇ・・・「きもちいぃ」

少年は甘い吐息混じりの声をこぼし、今度は腰を押し出す。

ぬぷっ、ぬぷぬぷ。と、蠢くとろけそうな熱をかき分けながら、固く大きくなったものが沈み込んでいく。とろけそうな熱が引きずり込もうと、ぐぬっ、ぐにゅっ。と、うねり、蠢く。膣中はとてもあつく、温泉に浸かっている時よりもきもちいい。

「きもちいい。お姉さん、きもちいい」

少年は腰を動かす。どろりとしたあつくとろけてしまいそうな熱が膣中奥から温泉のようにこんこんと、とめどなく溢れ出てくる。

「お姉さん、お姉さん」

少し舌足らずのとろけた少年の声が部屋に響く。ぐぬっ、ぬぷっ。ぐにゅん、ぐにゅっ。と膣中は蠢き、絡みついてくる。つぶつぶしたものが先に擦れ、固く大きくなったものに吸い付いてくる。

「きもちいい、お姉さんの中きもちよすぎてヤバい。せっくすすごい」

少年は女性の脚を掴み、必死に腰をふる。ぱん。パンッ。パン。と肉と肉がぶつかる音が部屋に響き、ぐじゅっ、ずじゅっ、じゅぶっ、ずちゅっ。と水が混ざり合う音も部屋に響く。

──音やばい、なんかえろい

少年は音がする下半身。結合部を見た。固く大きくなったものが秘所に入ったり出たりしている。

──ほんと・・・。ほんとにおれ、せっくすしてるんだ

していることをまた実感し、少年は身体を震わし、さらに腰を激しく動かす。しゅっ、しゅっ。と布団。布の擦れる音も聞こえる。少年は布団に身をあずけている女性を見た。

ふわりと膨らんだ柔らかな鶯色のボブ・ショートが微かに揺れ、白磁器の様に透き通る白い肌が赤らみ汗ばんでいる。くりっとした暗色の青い瞳は時折瞼に隠される。

ふっくらとした桜色の唇から「あっ」「ンんっ」「ぁッ・・・」「んんんっ」と甘い吐息をこぼしている。

慎ましいながらも形がとても綺麗な二つの膨らみがプリンの様に柔らかに大きく揺蕩う。桃の花を思わせる淡い赤い色の丸い輪郭に、ツンとした突起も、膨らみの動きに合わせて一緒に揺蕩う。

細く、華奢に見えるくびれたお腹周り。縦にすっと伸びたおへそ。

ふわりと膨らんだ柔らかそうな髪とは違う、癖の強いけれど柔らかそうな茂み。そして薄紅の秘所。秘所に固く大きくなったものが出たり入ったりしている。膣中は蕩けるようにあたたかく、つぶつぶしたものが蠢き、吸い付くように絡みつききもちいい。

──お姉さんもきもちいいのかな?

女性を見ながら少年は思う。

「ねぇ、お姉さん・・・」

「んッ・・・なんで、しょうか。んんっ」

「お姉さんもきもちいい?えっち、きもちいい?」

「ぁッ・・・アッ。きもち、いい・・・ですよ。ンんっ、アッぁっ。キミのおちんちんでちゃんと、私もきもちよくなってます・・・よ。ンンっ」

「ほんと!ほんとにほんと?」

「えぇ・・・あっ、んンッ。ンくっ。ほんとにキミのおちんちん・・・ふくっ、ンン。ァっ、きもちいいですよ・・・アッ、ンンっ。ほら、わかりますよね、私の膣中こんなになっちゃてるんですから」

女性はお腹に手を当てた。すると、ぐっと固いものが先に擦れ、ぐにゅっ、と握りしめるように、つぶつぶしたものが吸い付くように蠢き、きもちいい。そしてどろっとした熱の塊が膣中奥からとめどなく湧き出てくる。

温泉につかる以上に暖かくてきもちいい。

ぞわりと身体の奥底から熱がこみ上げてくる。

少年は女性に覆いかぶさるように身体を丸め、女性の腰あたりを掴むように手を這わした。女性の身体はしっとりとつきたて餅のように柔らかく、汗のせいか湿り気を帯びていてさわり心地がとても良い。

少年は必死に腰を動かす。

またぞわりと身体の奥底から熱がこみ上げてくる。

──もう、でちゃう

少年は必死に耐えようとするが、とけてしまそうな熱が、ぐぬん。ぎゅにゅん。とつのだったつぶつぶしたものが絡み吸い付き、離そうとしない。

──やばい・・・でる

少年は思い切って腰を止めようとしたが、きもちよさには抗えず、必死に動かし続ける。

「お姉さん、でる。出していい?」

「んッ・・・良いですよ。びゅっ、びゅーって好きなだけ・・・私の膣中に出してください」

暗色の瞳と桜色の唇が笑ったかと思ったら、ぐっと女性に方に引き寄せられた。少年はバランスを崩し、女性に向かって倒れ込んだ。するとふにっと柔らかな感触が顔を覆う。

──これって

考えなくてももう分かる。少年は柔らかな感触とは違うツンと固いものを口に含むと、歯をたてる。どこか懐かしい甘さが口に広がる。

「ンんっ」

くぐもった甘い女性の吐息と同時に、どろどろした熱が奥からどろりと押し寄せてくる。そして、ぐにゅにゅ。とつぶつぶしたものが握るようにキツく吸い付き絡みついてくる。

──すげぇ

ぶるっと気持ちよさから身体が一気に粟立ち、そわりと身体の奥底から熱が溢れ出てくる。

──もうだめ、でる・・・

少年は腰を打付けるように女性の身体に押し付けた。するとナニかが身体に絡みつき、少年の腰を更に押す。

「お姉さんでる!」

ぞくぞくと身体に熱を帯びた電気が走り、頭の中までチカチカとする。固く大きくなったものが更に固く大きくなり、どくん。と大きく脈をうち、どく、どく、どく。と何度も脈を打つ。

──でてる

言葉にはすることは出来ない、出ていく気持ちよさが、固く大きくなったものを伝い出ていく。けど・・・。

──まだ動きたい

脈を打つ固く大きくなったものを、腰を少年は動かす。ぐにゅっ。とつぶつぶしたものがどろどろとけてしまそうな熱と共に蠢き、吸い付いてくる。

「んっ・・・。すごい。射精してるのに、ァッ、ぁっ。また・・・動いてる。ンんッ」

少し驚いた甘い吐息混じりの女性の甘い声がする。

ぐじゅっ。じゅぶっっ。ぶじゅっっっ。と泡立ったような音が部屋に響く。パンパンパンパン。と激しい肉音も部屋に響く。

──やばいくらいお姉さんの中とろとろしてて、どろどろしてる

どろどろした熱が奥からどろりと押し寄せてくる。そして、ぐにゅにゅ。とつぶつぶしたものが握るようにキツく吸い付き絡みついてくる。固く大きくなったものは今までにないくらいとても敏感で、つぶつぶしたものの一つ一つまでわかるかのように。

──もうだめ。また出ちゃう

またすぐに身体の奥底から込み上がってくる熱と、女性のとろとろにとろけてしまいそうな熱で、熱湯につかっているように熱く、身体が溶けてしまいそう。

「お姉さんまた出る」

これでもかと言うくらい身体を、下腹部を、固く大きくなったものを女性にぶつける。
どくん、どくん。と固く大きくなったものがまた女性の中で脈を打つ。とろけてしまいそうな気持ちよさが、固く大きくなったものを伝い女性の中へ放出される。

──やべぇ、すげぇきもちいい

柔らかな膨らみの合間に顔を埋めた。草木が芽吹いた春先を思わせる柔らかな優しい香りが少年を包み込む。少年は柔らかな膨らみに顔を埋めながら息を整える。すると、優しい温もりが少年の頭を優しく撫でた。

少年はそのまま夢の世界へ墜ちていった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「さい」

「ください」

「起きてください」

柔らかな声と共に身体が何度も揺すられる。まだ寝てたい。きもちいい夢を見てたい。と少年は思ったが、何度も揺すられては寝ることはできない。少年は眠気眼を擦りながら、大きなあくびをこぼし起きた。

「あっ、ようやく起きましたか」

くりっとした暗色の瞳が見下ろしてくる。

少年は、えっ。と何度も目を瞬かせる。

「まだぼやっとしてますね」

淡々と女性が言葉を紡ぎぐと「起きないとこうですよ」と桜色の唇に笑みを浮かべ、少年の鼻をつまんできた。

「んがっ」

素っ頓狂な声を上げ、少年は慌てて身体を起こした。

「おはようございます」

涼やかに朝の挨拶を女性が口にした。

まだ頭が眠っている少年はただぼんやりと「おはようございます」とあくびをこぼしながら言い、辺りを見渡した。

見知っているが、起き抜けでは見慣れない部屋。そしてふわりと膨らんだ柔らかな鶯色のボブ・ショート。くりっとした暗色の蒼い瞳に泣きぼくろが特徴的の女性。

──ゆめ・・・

夢で見た女性が目の前にいる。けれど夢とは違い、女性は裸ではなくしっかりと浴衣を着ている。少年は目を瞬かせてからもう一度、部屋を見た。見知った客室。そして目の前には浴衣を着た女性がいる。少年は「あれ?」と首をかしげた。

──なんかすごいえっちな夢見てたような・・・

少年は夢を思い出そうとすると、寒さからぶるっと身体が震える。少年は自分の格好を見た。浴衣はおろかパンツすら履いていない。生まれたままの姿。下腹部がほのかに熱を帯びている。

──えっ、なにこれ・・・

少年は自分の格好と、固く大きくなっものに戸惑うと同時に、固く大きくなったものが昨日夜を思い起こさせてくる。

「キミのおちんちんは朝からとても元気ですね。けどこれからするのはちょっとお時間が・・・」

くすりと笑い、少し残念そうに女性が言う。その言葉で昨日の夜の出来事を思い出す。
跨り腰をきもちよさそうに腰を揺する女性。お尻の穴を恥ずかしげもなく見せた女性。そしてどろりと溶けてしまいそうな女性の中。

──おれ、もしかして昨日、この人とえっち・・・せっくすしたんだよな・・・

改めて昨日の出来事がフラッシュバックする。

少年は女性の暗色の青い瞳を見た。すると暗色の深緑の瞳がニコリと笑いかけてくる。

──あれ・・・

少年はもう片目をみる。暗色の青い瞳。少年はもう片目をもう一度見る。暗色の深緑の瞳が笑っている。

「あれ、お姉さん・・・瞳の色が違う」

少年は暗色の青い瞳と暗色の深緑の瞳を見ながら言った。

「そうなんです。私オッドアイで瞳の色が違うんです。もしかして、今気がついたのですか?」

少年は素直に頷いた。

「そうでしたか。でもまぁ、仕方ないですよね。昨日は瞳の色どころじゃなかったですもの。なんてったって、キミの初めてを頂いたのですから」

桜色の唇に薄っすらとした笑みを女性は浮かべると、ほっそりとした指先て固く大きくなったものの先に触れてきた。

びくっ。と飛び上がったように身体が震える。昨日の夜の出来事を少年は完全に思い出した。固く大きくなったものが更に固く大きくなる。

「ふふっ、思い出したみたいですね。もしかして、またきもちいいこと・・・セックスしたくなりました?」

甘い纏わりつく女性の問いかけ。そしてセックスと言う甘美な誘惑。少年は頷いた。

「私もしたいのはやまやまなのですが、もうお時間が・・・」

少年は慌てて窓の外を見た。空が白け、朝が訪れていることを報せる。血の気が引いていくのがわかる。少年は慌てて口を開いた。

「な、何時ですか?いま」

「今は・・・」

女性が時間を教えてくる。

「やばい・・・ばれないように早く戻んなきゃ。叱られるどころじゃ」
少年は辺りを見渡し、浴衣を探そうとすると、女性がパンツを上に載せ差し出してくる。浴衣を少年は受け取ると急いで着ると、ドアへ向かう。

そしてドアを開けようとした直前。女性が肩を掴んでくる。そして。

「また、機会があればきもちいいこと・・・セックスしましょうね」

耳元で囁いた。囁きはとても甘く、纏わりついてくる。浴衣の中で痛いくらい固く大きくなる。

少年は生つばを飲み込み、「うん」と頷いてから女性の部屋を後にした。

どうにか少年は親や従業員さんに見つからず部屋へ戻ることが出来た。

部屋に戻ると同時に、緊張の糸が切れたようにどっと疲れが押し寄せてくる。少年はベッドへ倒れ込んだ。ベッドはいつもと変わらず少年を受け止めてくれる。

「おれ、ほんとにあんなキレイな人とせっくすしたんだよな・・・」

目を閉じ、一夜の夢物語のような出来事を思い出す。

ふわりと膨らんだ柔らかな鶯色のボブ・ショート。白磁器の様に透き通る白い肌。くりっとした暗色の蒼い瞳に泣きぼくろ。すっと通った鼻筋。ふっくらとした桜色の唇。キレイな鎖骨。慎ましいながらも、小さいお椀の様にふっくらと丸みがあり、形がとても綺麗な二つの膨らみ。桃の花を思わせる淡い赤い色の丸い輪郭に、ツンとした突起。細く、華奢に見えるくびれたお腹周り。縦にすっと伸びたおへそ。スラリと伸びた脚。ふわりと膨らんだ柔らかそうな髪とは違う、癖の強いけれど柔らかそうな茂み。そして薄紅の秘所。秘所は固く大きくなったものを咥えている。膣中は蕩けるようにあたたかく、つぶつぶしたものが蠢き、絡みつききもちよかった。

思い出しただけでまた固く大きくなってくる。

少年は最初手で女性にしてもらった時を思い出し、自分の手で固く大きくなったものをしごく。

──きもちいい。けど・・・

全てにおいて物足りなさを抱く。けれど徐々に身体の奥は熱を帯び、ぞわりとした感覚が迫り上がってくる。

──でる。

少年は手の中で出した。どくん。どくん。と手の中で固く大きくなったものが脈を打ち、手の中が熱くなる。少年は熱くなった手のひらを広げた。手のひらは白濁したもので汚れていた。

少年は手の中の白濁したものをティッシュで拭うと、布団に包まった。

まるで虚しさに包まれたようだった。

少年が再び目を開けると、外は明るくなっていた。何時だろう?と時計を見るともうすぐ昼を迎える。

──やばい

少年は慌てて布団から飛び出し、旅館。親の元へ向かう。

従業員用のドアを開けると直ぐに父親の姿があった。

「おはよう」

「おう、おはよう。今日はだいぶ遅かったな」

「あっ。う、うん」

「ご飯できてるから」

そう言うと父親は去っていった。

「よかったー。昨日のことバレてないみたい」

お客さんの部屋で寝たことがバレていない様子で少年は安堵した。そしてご飯を取りに行こうとすると、どこか嬉しそうな母親がやってきた。母親は大事そうに色紙と筒状のナニかを抱えている。

「なに持ってるの?」

少年は疑問に思い聞いた。

「あぁ、これはね」

そう言うと母親は色紙を見せてきた。色紙には達筆な字で『高垣楓』と書いてあった。

「たかかきかえで?」

「たかがきかえで。ほら、アイドルの・・・知らない?」

「知らない」

アイドルに疎い少年は首を横に振った。

「けど、あんたも見たことあるはずよ。ほら」

母親は手に持っていた筒状のものを広げた。浴衣を着た女性がおちょこを持ち優雅に広縁でお酒を嗜んでいる。何度も目にしたことのあるお酒の即売ポスター。
少年は女性の姿を見て驚いた。

ふわりと膨らんだ柔らかな鶯色のボブ・ショート。白磁器の様に透き通る白い肌。すっと通った鼻筋。ふっくらとした桜色の唇。くりっとした暗色の蒼い瞳と深緑の瞳のオッドアイ。そして左目の泣きぼくろ。見間違えることはない、昨夜の女性。春の夜の夢。

『私の仕事は人に見られること。』

昨夜の女性言葉を少年は思い出した。

──だからあんなこと言ったんだ

少年はポスターの女性。アイドル高垣楓を見る。今にもきもちいいことしましょうと昨夜の様に誘ってきそう。少年は思わず喉を鳴らした。

下腹部がぼんやりと熱を帯びてくる。

──やばい

少年は思わずアイドル高垣楓から目を逸らした。

「う、うん。見たことある。けどなんでそんな人のサイン、どうしたの?」
少年の問いかけに母親が応える。

「なんでって、うちに泊まったからよ」

「うそだ」

「ウソって・・・。ちゃんと帳簿にも名前残ってるわよ。それに写真も撮ってもらっちゃった」

母親がスマホを見せてくる。画面には母親と高垣楓の姿。高垣楓は昨日とは服装は違うが、ふわりと膨らんだ柔らかな鶯色のボブ・ショート。白磁器の様に透き通る白い肌。すっと通った鼻筋。ふっくらとした桜色の唇。くりっとした暗色の蒼い瞳と深緑の瞳のオッドアイ。そして左目の泣きぼくろが変わることはない。

母親は大事そうにポスターを丸め、スマホをしまうと「ご飯できてるから早く食べちゃってね」と言い少年の前から去っていった。

少年は頬をつねる。イタい。そして下半身も、痛いくらいに固く大きくなっている。狐に化かされたわけでも、夢を見ているわけではない。

少年は生つばを飲み込み、改めて昨夜の出来事が夢ではないことを実感した。

季節は流れ、盛夏を迎えていた。

──あつい

半袖の緑のTシャツに短パン、そしてビーチサンダル。夏の出で立ち姿の少年は空を見上げた。盛夏の照りつく日差しは容赦なく降り注ぎ、空は幾重の青が重なり合い青を深くしている。青に浮かぶ雲も白く、盛夏の日差しを受けさらに白く光っている。

「最悪だ」

夏の青に少年は一人ごち、視線を落とした。目の前には温泉がある。湯は無色透明で石畳の底を覗かし、盛夏の暑さの中でもうっすらと白い湯気が立ち上がっている。

──これがうちの風呂だったらな。

少年はもう一度ため息をこぼし、当たりを見渡した。

川が見え、盛夏の様相には川音は涼やかに感じる。川と温泉と川を隔てる柵などはなく、石畳のすぐ向こうに、芝刈りが終えたばかりの何もない河原が広がる。その奥には鬱蒼と茂る山の木々がざわめいている。

少年が川音と山音に耳をとられていると「おーい。はやくしろよー」よく通った声が上からする。少年が声の方を向くと、川にかかった橋の闌干から身を乗り出す、友達三人の姿があった。遠目からでは表情を伺うことはできないが、雰囲気でにまにまと笑っているのが察せられる。

「最悪だ」

少年は溜息をこぼし、素直に服を脱ぎ、温泉につかった。

──あつっ

盛夏の日差しの元でも温泉の湯は熱く感じる。少年は何度かかけ湯をしてから温泉に入った。

湯は温かく、心地よい。少年はホッと息をつき川を見た。涼やかな川音。少年は肩まで湯船に浸かり闌干を見上げた。友達がにやにやと見下ろしてくる。なんだろう、嫌な予感がする。温かい湯に浸かっているのにぶるりと鳥肌が立つ。すると、カツン。カツン。と、男のコツコツとした靴音とは違い、女のしかもヒール特有の靴音が聞こえてくる。まさか・・・。少年が後ろを振り返ると女性の姿があった。

ふわりと膨らんだ柔らかな鶯色のボブ・ショート。白磁器の様に透き通る白い肌。くりっとした暗色の蒼と深緑のオッドアイの瞳。左目の下には泣きぼくろがある。鼻筋はすっと通り、ふっくらとした桜色の唇。唇は微かに潤んでいる。服装は黄色いホルターネックタンクトップに、白百合があしらわれた藍色のフレアスカート。そしてピンヒールサンダルを履いている。

春の夜の夢の女性。アイドル高垣楓が居た。

楓を見ていると春の夜の夢を思い出してしまい、少年のは微かに固く大きくなってくる。

楓は少年を見るなりにこやかに笑い「お久しぶりですね」と柔らかな口調で言った。

少年は目を瞬かせながら「楓さん」と楓の名前を口にし、思わず立ち上がった。

「あら、私の名前・・・」

楓は驚いた仕草を見せてから、また柔らかに微笑み言う。

「そうですか。私の正体気がついてんですね」

少年は無言で頷いた。

「ふふっ。けどキミのここはそんなことはおかまいなしですね。またきもちいいことしたいですか?」

楓は愉しそうに笑うと、固く大きくなったもの先に触れてくる。触られただけでもう我慢できなくなる。

──またきもちいいこと・・・セックスしたい

少年はオッドアイを見た。すると桜色の唇が笑う。

「今回もキミのお家のあのお部屋に泊まります。ですので、またきもちいいことしたいのなら、この前と同じくらいの時間に来てください。そうですね、合図してノックを5回お願いします」

蠱惑的な笑いをこぼし、しっとりとした甘い声で楓は耳打ちしてきた。

固く大きくなったものが更に固く大きくなる。

「待ってますから」

そう言い残し楓は去っていった。

少年は頬をつねる、イタい。しっかりとした痛覚。夢の世界ではなさそう。

少年は急いで湯から上がり、楓の後を追った。けれど湯本通りは連休ともあり人の数が多く、人垣に邪魔をされ楓の姿を見つけるとは出来なかった。少年は楓の言葉を信じ、夜を待った。

夜の帳が降り、家のお風呂に入り、ご飯を食べ終えた少年は親と従業員さんに見つからぬよう、旅館を移動する。

誰にも見つかることなく、無事にこの前と同じ部屋の前まで来た。少年はつばを飲み込む。浴衣の中で少年のものは固く大きくなっている。逸る気持ちを抑えながら少年は言われた通りノックを5回する。すると、戸が勝手に開き、浴衣を身に纏った暗色の青と深緑のオッドアイが桜色の唇に笑みを浮かべ出迎えてくれる。

「いらっしゃいませ。また一緒に、きもちいいことしましょうね」

とろけてしまいそうな甘い、纏わりつくような声で笑った。

少年は女性の身体に抱きつき「うん」と頷いた。

柔らかな感触が少年を包み込んでくる。

「ふふっ、キミのはもう我慢出来ないみたいですね」

固く大きくなったものが女性の身体に触れている。

ぞくりと身体が震え、更に痛いくらい固く大きくなる。少年はまっすぐと楓を見る。暗色の青と深緑のオッドアイが微かに笑う。

「では、お布団へ行きましょう。きもちいいことしましょう」

甘く女性は囁く。少年は頷いた。女性が戸を閉め、鍵を掛ける。

廊下に鍵の音だけが残され、ゆっくりと消えた。

 

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続き:  高垣楓と少年(2)

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