俺「いくら結婚してると言っても、昔の君や俺みたいに夫婦仲がいいとは限らないだろ。」
T子「好きだった人の家庭壊すのは嫌。幸せでいて欲しい。」
俺「でも、一回限りだけでなら。 ずっと憧れてた人に、お試しに抱かれるのは?」
T子「え~っ、ダメだよ。そんな不道徳なこと。そんなことはしてはいけないこと。」
俺「今のヨシキの情報 フェイスブックなんかにあるかも。調べようよ。」
T子「ダメだってば。」
俺「T子は調べたことあるだろ? 詳しいことはよく知らないって嘘だろ。」
T子「・・・はあっ・・・調べたことは・・・あ・る・よ。」
俺「やっぱりな。 でもそれは当り前なことだよな。」
T子「嘘ついてごめんなさい。怒ってない?」
俺「怒ってないよ。俺がT子であったとしても、そうするよ。」
T子「よく知らないって言って 本当にごめんなさい。」
俺「見つけた。へ~っ、結構ヒットするじゃん。活躍してるな。なるほどいい男じゃん。
ほんと君は面食いだな。いい男なら萌えるんだ。
ふ~ん、奥さんだけで子どもいないみたいだな。」
T子「やめて・・・もう いいよ。」
俺「君の方が奥さんよりずっと綺麗じゃん。連絡すれば、絶対落とせるよ。
一度でも君を抱けば、君の体に溺れて虜になるよ。」
T子「・・・もう昔のこと・・・もういい・・・もうおしまい。今が全て。今が真実。あなたが全て。」
俺「そうだな。もう終わろう。誰にでもあることだ。昔の恋は美化されるもんだからな。」
T子「うん。」
俺「しつっこく聞いてごめんな。」
T子は、俺にもたれて、俺の手を握りしめていた。その手はじっとり 汗ばんでいた
ガラガラの新幹線なので、優しくキスをした。
T子は 「あ~っ 」 と 小さく喘いだ。